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カミングアウトする前のジョージ・マイケルみたいだ

2013年10月26日 | パルプ小説を愉しむ
ケン・ブルーエンの「ロンドン・ブールヴァード」の主人公ミッチェルは、なかなかのインテリだ。ムショでしっかりと読書した成果で、娑婆に出てからもしっかりと読書を続けている。だからこんな内輪ネタ的な台詞が言える。

ミッキー・スピレーンは登場人物にいつもウィスキーを飲ませてるが、それはコニャックという単語を綴れなかったからだ

出所後もやばいことに片足を突っ込みながらも、面倒から助けた女性から仕事を紹介される。彼女のおばである往年の舞台スターの世話係を。この60過ぎの元大スターのツバメみたいな立場になりながら、やばい仕事のおかげで次々と事件に見舞われる。でも、出会う事件は変な方向に進み、東欧あたりの秘密機関メンバーであった元大スターの執事兼元夫(自称)が仕掛けた罠に落ちていく。

ピカレスク的魅力を持ったミッチェルが一人称で語る物語は単純明快で、雰囲気が暗くなることなく一気に物語に引き釣りこんでくれる。

犯罪者でありながらインテリなミッチェルの台詞。

おれたちに明かりは要らない。きみの目がどんな部屋も明るくしてくれる。
 -歯が浮く台詞だ。でも使ってみたい。

ブライオニーはぴかぴかのバッグレディみたいな格好で現れた。ブランドもののゴミ袋みたいなものを着ている。
 -どこがよいのかちっとも分からないだけではなく、悪趣味的なものはこの世にありふれているよね。「ブランドもののゴミ袋」と呼ぶことにしよう

禁酒会ではよくHPという言葉を使う。ハイアー・パワーのことだ。ストリートでもHPという言葉を使うが...こちらはホームレスパーソンのことだ。両者に共通するのは酒だ。アルコール依存者は生きるためにそれを断たなきゃならない。ホームレスは生きるためにそれに依存する。
 -この言い回しは利用できそうだ。おなじ頭文字や略語を対にして、それっぽい注釈をつけれやれば、気の利いたユーモアにもなるし、嫌味にもなる。

その場かぎりの些細なことだと思っていたものが、思いがけないできごとを連鎖的に引き起こしていくことがある。自分が選択しているのだと思い込んでいても、予め運命づけられた結末のピースをはめているにすぎないことが。
 -こんな警句的な台詞を言えることがインテリの証だし、物語をハイパワーを与えてくれる。






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