いつもは、売れない品なのですが・・・
東北関東大震災が発生し、12日が経とうとしています。
東北地方の町の再建にあたり、物資の減少が懸念されていましたが、被災地では救助、遺体の改修、瓦礫の撤去がメインのはずでも、すでに住宅関連の部材、建材が品薄の状態になっています。
東京方面での建築中の現場のみならず、こちら新潟県でも欠品状態が相次いでいます。
津波の被害で東北方面の海岸沿いの生産工場も壊滅的な被害を受けています。
石巻の合板工場も例外ではなく、出荷の目処も立っていない状態です。
合板の生産が止まっている中、稀少な合板を買い漁る動きも出てきました。
新潟の越後杉合板は、普段は売れない品なのですが(高い、やわらかい、色が悪いの3拍子そろった品です)、
「いくらでもいいから」
ということで、根こそぎ持っていかれたそうです。
本来、復興の為に使われるべきものなのでしょうが、見境無く財のある限り買い占められれば、被災地へ届く物資は更に少なくなっていくでしょう。
また、材料の単価も跳ね上がっていくのも必至です。
既に、災害も産業になっている傾向があるようで、
儲かるところは儲かるようになっているのだと、つくづく思います。
災害になると人は、その本性をむき出しにする・・
海外の投機筋も同様です。
震災直後から円が買われ、急激な円高になっている。
国内生産が弱っている中、海外製品を売りつけようという動き。
株も日経平均は急落して、軒並み値を下げる中でゼネコンや建設業株は上がっている。
復興に向けた動きが活発になる中、被災地や物資の奪い合いが始まっている。
利権や利害が絡む中で、どうやって被災地が立ち直っていくのか、その手助けをしていくのか、ウソではない本当の「助け合いの精神」はどうなってしまうのか・・
余震の続く中、危険な家屋を応急修理している大工さんたち職人さんたちが、自分の家や家族をかえりみずに奮闘している姿が目に浮かびます。そういった姿は、他のニュースに打ち消されて見えなくなっていますが、とにかく早く安全を確保しなければならないと必至で作業されている・・
そうして、いざ建て替えとなると、住宅展示場へ行ってハウスメーカーの品を選んでいく・・
そういった光景が目に浮かびます。
新潟の中越地震や中越沖でもそうでした。
人間不信になった大工も沢山います。
どうか、被災地の方々には、そういった非人道的な行為は絶対に繰り返さないでほしいのです。
地元と共に生き、その地元を共に守っていく・・そういったパートナーを選んで欲しい。
建材や海外製品が稀少になる中、地元の材料はちゃんと出番を待っている。
地元の家は、地元の木で、地元の大工で・・・
それが、私の願いです。
物資がなくなる中、最後に頼りになるのは地元材だけ・・
新潟県中越地震の傾向(まとめ)
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