栄町T邸の外壁貼り工事が終了しました。
板金屋さんが震災復興工事により多忙のため、外壁工事ができないとのことで、3×10板貼り工事を大工によち行うこととなりました。
まだまだ、地震の後遺症は続いています。
1階部分は杉羽目板で、2階と妻壁が窯業系サイディングの3×10板です。
シーラー処理して弾性系の塗装を塗ることで、耐久性が高められます。
窯業系サイディングは既製の塗装だと10年くらいではがれてきます。
雪国の場合、塗装がはがれると、そこにベタ雪が解けて水が入り、寒さで凍ると膨張して外壁をボロボロにしてしまいます。
塗装が命の窯業系サイディングなので、ビル用の塗装処理をしないと長い年月はもたないのです。
杉羽目板も水をはじくような塗装をほどこさないと、水が浸透して膨張し、釘が浮いてしまいます。
昔は、カキシブ等を塗って耐久性を高めていたようです。
敷地内に生えている柿を、夏の青いうちに採って、ナタやツチで割り、つぶし汁を樽に入れて2~3年醗酵させて塗っていました。
量的に問題があるので、毎年1面づつとか塗っていたようです。
カキシブは撥水、防腐効果があり、色も適度に褐色になります。
このように自分達でこまめに手入れすることで、木質外装が高耐久だったわけです。
何も手入れをしないと数年で風化してしまうのが雪国の宿命です。
木でも鉄でもコンクリートでもみな同じことが言えます。
現在は、カキシブよりも浸透性の油系塗装が普及しています。
浸透させて水分が入って木が膨張しないようにするのが主な目的です。
写真は素材そのものの色なので、これから塗装することでガラリと様子が変わります。
色はお客さんの好みとなります。
どのような色になるか、楽しみです。