何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

独立を考えたら読む本

2008-10-12 18:34:59 | Book Reviews
勝ち組になる本当の起業戦略 独立を考えたら読む本 弱者独立の成功法則 竹田陽一・著、中経出版、1997年5月26日

p.22 業績が違う原因は、社長をはじめとする経営トップ陣の目的の定め方に大きな違いがあるのだ。これが長い間に社風となって定着し、やがて大きな業績の差となって現れているのである。
 人はことのほかお金にとらわれる。そこで、ほとんどの人は個人の金銭欲望が優先してしまい、企業体の原則を無視して「経営の目的は利益の追求にある」と考えてしまう。
 利益は結果にすぎない。

p.125 商品を買うかどうかと、商品を買うと決めた場合、どこの会社に注文するかの決定権はお客側が100%持っていて、売る側の決定権は1%もない・・・・・

p.128 見込客に対して「この商品は、あなたの会社でされている仕事のこの部分に、このようにお役に立ちます。そうすることによって、このように経費が節約されたり、このように能率が上がり、とてもお役に立ちます」と、見込客の立場に立ってわかりやすく説明する。こうすると、見込客は自分にプラスになるのであるから、買う率が高くなる。
 ところがほとんどの販売係は、見込客の関心がどこにあるかはもとより、ニーズ情報も集めないばかりか、商品の利点の説明もしない。そして「この商品はいかがでしょうか」とか「この商品は今キャンペーン中ですからぜひお願いします」とか言って、お客に頼み込む。これでは売れるわけがない。これが典型的な「自己中心の販売活動」になる。

p.146 経営で一番経費がかかるのは人件費と思われている。しかし、これは正しい答えではない。経営で一番経費がかあkるのは、お客を見つけるための費用である。まず見込客を見つけだし、次にその見込客から商品を買ってもらう仕事が一番難しく、しかも一番経費がかかる。
 その結果が人件費にすぎない。
-----・-----・-----

 本書は絶版らしく、書店経由では入手困難であった。アマゾンでも数少ない、古本でも定価以上の価格がつく「超・お宝本」のようである。
 それがなんと近隣の古本屋で、汚れ・折れ・書き込み・使用感の少ない、かなり状態のよい状態で見つかった。久々にじっくり読ませてもらった v(^^)/
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「疑惑」は晴れようとも

2008-10-11 18:04:15 | Book Reviews
『「疑惑」は晴れようとも 松本サリン事件の犯人とされた私 河野義行・著、文春文庫、2001年4月10日

p.242-3 ほとんどのマスコミが警察情報に乗って私を犯人扱いしたわけだが、こうした警察情報は正式に発表されたものではなく全てリークという形でなされたものだ。
 警察にとっては正式発表じゃないから責任をとらずに済む。一方のマスコミは自社だけのスクープにつながるという理由から、リーク情報を競って取り合うことになる。それが事実なのかどうかという主体的な検証もなく、「警察はこう見ている」というだけで記事にしてしまう。それが間違っていたとしても、警察が判断していたことだから自分たちに責任はないと逃げてしまう。
 警察、マスコミの双方が損得計算をし、利害が一致しているからこうしたもたれあい、馴れ合いのシステムがいつまでも続くことになる。たまに一人の人間を殺人犯扱いするような人権侵害を犯しても、損得の天秤にかければなお、こうしたシステムは自分たちにとって有益だとマスコミは考えているように思えてしまう。だとすれば、マスコミが常に唱える「社会的使命」「社会正義のために」「社会の木鐸」といった自らの役割は、実に虚しいものになってしまうのではないか。
 自分たちに社会的使命があるというのは、単に特権意識を持つためだけに云っているように聞こえてしまう。いっそのこと、社会的使命などと振りかさずに、マスコミも営利企業だから金儲けが第一だと開き直ってくれたほうがわかりやすい。一方で「権力の監視」などと高邁なことを云うから、あまりにも実態とかけ離れてしまう。

p.244-5 家族まで巻き込んで社会的に断罪し、抹殺するような行為が、なぜ報道という名の下に許されるのだろうか。また、そうした時に、一人の市民がマスコミ相手に抗議し、訂正・謝罪、名誉回復を求めるのも極めて困難なのが現実だ。
 マスコミは巨大組織であり、立っている土俵が全く違う。だからマスコミの側には、仮に裁判で負けても百万円程度の金を払えば済むという傲慢さが染みついているとしか思えない。
 こうしたマスコミ報道の問題点は、もう何年も前から指摘されてきたし、当のマスコミも何が問題の本質なのか、実はわかっているはずだ。これまで、NHKや新聞社の職員研修などに招かれ、私の体験を話す機会も何度か設けられた。また、三百人近い現場の記者から取材を受ける中で、彼らの多くが今のような報道や取材放送は変えなければならないと思っていることも知っている。
 しかし、これが組織となると豹変してしまう。先にも触れたように、マスコミも営利企業だから、他社との競争の中ではやむを得ない、経営上は今のやり方に旨味があるからそうせざるを得ないということだろう。

p.264 本来、ジャーナリズムはどのような視点でどう事実を取捨選択して報ずるかという点で、最後に優れて個人の力量と責任が問われるはずだが、日本では組織的行為としての側面が重視されるために、個人が真剣に取材対象と向き合えない構造があるのではないか。
 警察も同様で、長野県警は組織として最後に「遺憾の意」と称する謝罪のようなものをしたが、河野さんが県警本部長や自白を強要したY警部に「あなたは謝っていない」とこだわりを見せるのは、一人の人間としてきちんと向き合うべきではないのかという問いかけがあるからだ。
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蟹工船・党生活者

2008-10-10 23:14:34 | Book Reviews
「蟹工船・党生活者」 小林多喜二・著、新潮文庫、昭和28年6月28日
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読むだけで驚くほど見込み客が集まる本

2008-10-09 22:05:34 | Book Reviews
読むだけで驚くほど見込み客が集まる本」 神尾えいじ・著、イーハトーブフロンティア、2006年1月30日

p.13 「いい見込客は皆さんのすぐ目の前にいる!」のです。ただ、その目の前にいる見込み客と出会える「良いきっかけ」がないだけです。
 「売ろうとしているセールスの思考」が邪魔して、見込み客は、いつもあなたから距離を置いたところに身を隠してしまっているのです。

p.21 「この人は、私に無理を押しつけてこないな。それに、本当に仕事が楽しそうだ」、そして「こういう人だったら○○さんに紹介しても良さそうだな」と思ってもらえます。

p.49 人間味がゆえに「よし、一肌脱いであげよう」と思ってもらえるようになるのです。

p.57-8 「ビジネスだから」=「お金」という構造が成り立つ世の中で、お金ではない「思い」で動いてくれたあなたは、相手にとって清々しい素敵な存在になります。ユーザーレベルでの口コミが起きるのは、このような「通常だったらしてもらえないサービス」を受けられた時です。

p.59・61 応援される人になるためには、どのような人に対しても希薄な接し方をしてはいけません。
 人格者は、いろいろな人から相談を持ちかけられます。なぜなら「人を大切にする人だから安心して相談できる」と周りから信頼されているからです。

p.63-4 普段は言っても全く問題ない「正しいこと」でも「言ってはいけないタイミング」があります。
 それは、応援団があなたのことを思って、様々な意見やアイディアを言ってくれている時です。せっかくの助言ですから黙って聞くようにしましょう。そういう時に相手の意見に正誤をつけたり、正しいことを言うと相手は気分を悪くします。「正しいことがわかっているんだったら、自分で考えろよ!」となってしまうのです。その意見が正しいかどうかより、あなたを応援してくれているという事実の方が大切なのです。

p.67 (応援団は)成功しても「謙虚さ」を忘れない「初心、忘るべからず」の精神でいるあなたを応援し続けてくれるものです。

p.69 「丁寧すぎる話し方」をする人がいます。しかし、これは話の中身がない人に多いようです。丁寧なので第一印象はいいのですが、中身をカバーするためにどうしても「丁寧すぎる」対応をしてしまうようです。

p.79 思いがけない質問をされた時は、あなたの目の前に「絶好のチャンスがやってきた!」と考えるべき場面なのです。

p.82 お客様は「その商品を気に入ったから買っただけ」と思っているかもしれませんが、実はそのほかに、営業マンの対応が良かったり、会社の電話の対応が良かったりなど、あまり気にしていない部分でも「良かった」と感じていることがあるものです。

p.83 「推薦カード」
 例えば、紹介を受けたお客様が推薦カードを持参されたら、そのお客様と紹介してくれた元のお客様のお二人に粗品を差し上げるというような、「ちょっとしたメリット」で良いのです。このメリットをつけておくだけで紹介率は飛躍的にアップします。

p.90-1 ある程度のレベルに達した人が受けるテストがあります。それは「お金」に関するテストです。内容は、「お金」とあなたの「ポリシー」とを天秤にかけなければならないようなものです。その時に、あなたがどちらを選択するかが問題です。
 結論から言うと、この時に「ポリシー」を選択することができた人は応援されやすい人になっています。逆にお金を優先してしまった人には、応援を受けられない可能性が高くなります。
 「お金は、必要だけど重要ではない」のです。重要なのは「生きる目的」であり、あなたが日頃から考えている「ポリシー」なのです。そうすると必ず素晴らしい方々とめぐり合えます。
 その結果、お金も後からついてくるようになります。

p.95-6 「家庭の失敗は仕事やお金で補うことができない」ということを知っておく必要があります。その上で目標を設定しないと、後で「不幸せな成功者」になってしまいます。
 このバランスをうまく調整するためには、目標を設定する際に「お互いに補うことができない目標分野」を分けて目標設定しなければなりません。その「お互いに補うことができない目標分野」は七つあります。その七つとは「お金・仕事・健康・家庭・精神・教養・趣味」です。これらの一つひとつの分野に対してしっかりと目標を設定することでバランスを取ることが出来るのです。

p.98 「応援をお願いする」という立場では、「自分が幸せになるように応援してください」とお願いしているようなものです。もちろん、自分が幸せになりたいのは間違いないのですが、関わってくださる方々も幸せにしていきたいという思いが同時にあれば、「応援する価値がある人」として相手の目に映ります。そうすると応援されやすい人になります。

p.103 「甘えること」と「好意を受け取ること」とは全く違います。
 甘えることは、自ら努力をせず、遠慮もプライドもなく、相手のしてくれることを期待しているだけの他力本願な状態を指します。
 そして、好意を受け取ることとは、日頃から努力を惜しまず、相手のしてくれる親切を無駄にしないように気を配り、感謝して受け取ることを指します。
 この二つは、一見似ていますが、本質的に全く違います。

p.106 この「ワンランク上の自分でいる」ことにはもう一つ大事な要素があります。
 それは、ワンランク上の自分にチャレンジしている姿を周囲が見ることで沢山の応援が集まってくるということです。純粋に真っ直ぐな気持ちでチャレンジしている姿は、人々にまぶしく映ります。

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「蒟蒻畑」を大安売り

2008-10-08 23:34:24 | 薬害は人災だ
 ついに「蒟蒻畑」が製造中止に至った。

マンナンライフ、こんにゃくゼリー当面製造停止 朝日新聞 2008年10月8日10時26分

 こんにゃく入りゼリーをのどにつまらせ、兵庫県の男児が9月に死亡した事故で、製造元のマンナンライフ(本社・群馬県富岡市)は、事故のあった商品「蒟蒻(こんにゃく)畑」の製造を当面停止することを決めた。同社は「行政に求められた改善策について時間的、物理的に対応が困難」と説明している。

 製造を停止するのはいずれもミニカップタイプで、スーパーで販売するタイプとコンビニ販売用の「蒟蒻畑」、カロリーを抑えた「蒟蒻畑ライト」シリーズの計13種類。8日に製品を出荷した後、いったん製造をやめる。停止の期間は未定という。すでに出荷した製品の自主回収などはしないという。

 同社は、事故を受けて「警告マーク」の拡大などを求められていた。同社品質保証室は「品質や大きさなどもチェックしたうえで、製造を再開するかどうかも含めて検討する」としている。
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 昨日まで近隣のスーパーでは、25g×12個入りが178円で売っていたとカミさんは言う。今晩、イオン系スーパーに行ったところ198円。市場調査が目的ではない。いま安全性で話題になっているものを、在庫処分よろしくさばいてしまおうとするスーパーがあることに驚かされる。

 子どもや老人を除けば大丈夫との判断か・・・・・、だとしたら、まるでタミフルの時にも見られた論理にも似ている。
 
 餅や団子だって喉に詰まらせて救急車で運ばれることがあるじゃないか、という反論もある。こんにゃくゼリーの食感は、たいへん心地よいという人だっている。

 カップタイプのものは、カップから押し出しながら吸い込みながら口に入れる。それによって、するっと喉の奥へ入っていく。「召し上がり方」に、「吸い込まずにお召し上がりください」と書いてあるが、カップのラベルを剥いで途中まで押し出せば、吸い込むように口に入れたくなる。皿に出して、切って食べることもないだろう。噛みながら食べても、小さくなればやがては吸い込むようになる。

 餅や団子だって、喉に詰まらせることもあるのに、なぜこんにゃくゼリーだけが製造中止なのか、という反論もある。たしかに早食いして、よくかまずに飲み込めば詰まることもあろう。が、基本的に噛まずに飲み込む仕様になっていない。噛んで食べるのが基本だ。
 また、こんにゃくゼリーが嗜好品的要素が強いのに対し、餅や団子は日本の食文化のひとつでもある食品であり、保存食的側面も有する。

 こんにゃくゼリーだけが喉につまりやすいわけではないが、こんにゃくゼリーには喉に詰まりやすい要素を持っているのも事実のように思われる。まるで、このほど販売中止になったガチフロとそこが似ている。

 ガチフロは販売中止になったが、回収になったわけではない。安売りはされることはないとはいえ、一部には特別値引きで出荷されているケースがあるかもしれない。また保険診療で使えるとはいえ、あえて使わないようにしているケースも当然あろう。たとえ処方があっても、薬局では後者を選択してほしいと思う。

 ここぞとばかりに売りきる(あるいは使い切る)ことと、売ることはできてもあえて店頭から撤去する(あるいは廃棄になろうとも調剤しない)ことと、世の中には正反対の動きが見られているようだ。
Comments (3)
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即戦力の磨き方

2008-10-08 23:28:29 | Book Reviews
「即戦力の磨き方」 大前研一・著、PHPビジネス新書、2006年5月8日
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となりのクレーマー

2008-10-07 21:41:48 | Book Reviews
『となりのクレーマー 「苦情を言う人」との交渉術 関根眞一・著、中公新書ラクレ、2007年5月10日

 まさにクレーマーといえる事例を紹介して、その対応の要点を示す。クレーム処理担当者には、さぞかし教科書ともいえるような書ではないかと思う。

 一方、売り手志向で顧客の立場になりきれない人にとっても、マッタク世の中には困った奴らが多いんだよとばかり、苦情を申し立ててくる相手は概ね、難癖・無理難題を言ってくる「クレーマー」だと、ますます安易に扱ってしまうのではないかと危惧された。

 苦情を申告してくる相手は、自分たちにとって都合の悪い、気分の良くない相手かもしれないが、その多くがクレーマーではない。本書に挙げられるような、信じ難い事例こそクレームであって、その何倍もの件数の普通の・通常の苦情や相談があるはずだ。片一方でそのようなまともな相手に対応ができているからこそ、対極にクレーマーが浮かび上がるはずだ。

 やりずらい相手をすべて「クレーマー」として片付けてしまうような気持ちの持ち主が共感を得ようと本書を読めば、ますます改善は図ることができなくなってしまうのではないかと思われた。
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タイムハック!

2008-10-06 22:06:51 | Book Reviews
『タイムハック! TIME HACKS! 劇的に生産性を上げる「時間管理」のコツと習慣 小山龍介・著、東洋経済新報社、2006年12月14日

p.25 「起こりうることは起こりうる」という認識は、プロジェクトにおけるリスクマネジメントの基本でもある。

p.38 転機を迎えるにあたっては、何かを得ることよいもむしろ、何かを捨てるということのほうが重要ではないか

p.122 自分コストを認識することは生産性の向上につながります。
 年収500蔓延で年間勤務時間が1800時間だったとすると、1分当たり約50円になります。作業を1分、効率化することが、50円の効率アップにつながると考えていく。

p.130 会社と自分自身、お互いにどれくらい未来志向なのか、投資志向なのかという点です。未来をちゃんと考えている会社であれば、社員教育などの長期的な視点での取り組みも行っています。そういう会社であれば、社員自身が自分の未来のことを考えて新しいことを学ぼうとしているのを、止めるはずがありません。

p.201-2 あるカメラマンが、「アマチュアカメラマンが撮るようにニューヨークを撮ってきて」と言われて、急に写真が撮れなくなってしまったという話があります。プロカメラマンとして、要望にこたえるような写真はいくらでも撮れるようになったのだけど、そこにはアマチュアのときにあったような新鮮な気持ちが失われてしまったのです。結局、「なぜ写真を撮るのか」という根本の問いを自分自身に問いかけながら、写真を撮りつづけたというのです。

p.203 ゴールがどんなものか。ゴールの周辺の風景がどんなものかわからないけれども、あそこには必ずゴールがあるという信念ほど、人を動かすものはありません。つらいことに立ち向かうときには、「ゴールイメージ」もさることながら、「そこにゴールがある」という思い込みが大切です。

p.211 「とりあえずやってみよう!」と始めたプロジェクトを通じて、戦術を習得していき、その戦術レベルの知識と経験の積み重ねから、戦略が見えてくる。戦術が戦略に先立つわけです。
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父からの手紙

2008-10-05 20:12:15 | Book Reviews
「父からの手紙」 小杉健治・著、光文社文庫、2006年3月20日
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ガチフロ錠が製造中止になったが

2008-10-05 14:36:44 | くすり雑感
経口抗菌薬「ガチフロ」で副作用、2社が販売中止 2008年9月30日20時31分 読売新聞

 杏林製薬(本社・東京都)など2社は30日、経口抗菌薬「ガチフロ(一般名・ガチフロキサシン)」の販売を自主的に中止した。

 副作用として重篤な血糖値異常が相次いだことや、米食品医薬品局が9月に同じ成分の製剤を承認医薬品リストから削除したことを踏まえた。

 ガチフロは2002年6月、肺炎など呼吸器や尿路の感染症向け経口抗菌薬として販売され、延べ約1470万人に投与された。低血糖や高血糖の副作用が報告されたことから、2社は03年3月に緊急安全性情報を出して注意喚起し、糖尿病患者への使用を禁止した。しかし、その後も副作用報告が相次ぎ、延べ254人に達していた。

 同様の効果がある他社製品が複数出回っており、患者への不利益は生じないという。製造販売元の同社と、販売元の大日本住友製薬(本社・大阪市)によると、販売実績は約35億円。
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 ガチフロ錠は、低血糖や高血糖の副作用があることが知られており、2003年3月には緊急安全性情報も出されていた。

 他のニューキノロン系抗菌剤も血糖値への影響が見られる可能性があるものの、警告欄に関連記載があるのはガチフロだけだ。にもかかわらず、被害の発生は防げていなかったようである。糖尿病患者や、血糖値異常の既往歴のある人に使用されていることはなかったか。

 これだけ注意喚起されていても防げないのは残念である。使ってみるまでわからないケースもあろう。であれば、本剤を使うこと自体が適切かどうかが問われてくる。

 ニューキノロン系抗菌剤は他にもある。ガチフロしか持ち合わせていなかった適応症はない。他剤が無効なケースに限定して用いるようにはなっていなかったが、実質、そういう位置づけだったといえる。現在も、そういうスタンスで処方が行われているのだろうか。
 他剤でも十分間に合うような症例であれば、本剤は使うべきではなかったのではないか。処方もしかり、調剤もしかりだ。たいへん難しいことだが、他のNQではいかがですか、と疑義照会すべきだったのかもしれない。

 存在する以上、どこかで使われてしまうのであれば、市場に置いておくべきではない。少しでも安全性の高い状況で医療が進められるべきだろう。
 米国での措置に呼応するように国内でも販売中止した(率先先行した対応はとれなかった)。しかし市場に在庫はまだ残っている。未使用分は返品できるかもしれないが、開封してしまったものは返品できない。有効期限切れまで待ち、廃棄処理するのか。

 安全性の事情で製造中止したのなら、廃棄処分にならぬよう(在庫一掃ではないが)、残りを処方してしまうようなことは慎まねばならないだろう。この際、開封済みのものであっても自主回収してはどうだろうか。

 同じ目的や効果が期待できる薬剤があって、より安全性が高いのであれば、そちらを使用すべきである。今回のガチフロの件同様、他にも安全性の見地から、同効薬があり、その薬剤がなくても診療への影響がないような、もはやセカンド・チョイス的な位置づけ薬剤があれば、関係者は一考を要するように思われる。
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こんにゃくゼリーによる事故は再発防止できるか

2008-10-05 11:29:43 | よくわからないこと
 こんにゃくゼリーによる窒息事故で、マンナンライフは今後の対応として下記のようなものを掲げている。

(1) 袋のおもて面に表示している従来の警告マークに加え、喉に詰まる恐れがあるのでお子様や高齢者の方は食べないでくださいというお願い文を大きくパッケージに記載致します。
(2) 裏面に凍らせて食べないでくださいという旨の警告表示を追加致します。
(3) 個包装にも警告マーク又はお子様や高齢者の方は食べないよう警告文を追加致します。

 小児や高齢者が食べないよう注意表示を大きくし、正しい食べ方を促し、個装にも警告をするという。製品が使用されるにあたり、見合った年齢層があり、食べ方に注意を要するということだ。

 これまでも注意文がなかったわけではなかった。適切に守られてこなかった。なんせ“食品”である。自宅にあれば、冷蔵庫にあれば誰でも手にとって食べようとする。口にするうえでの注意が必要があるのなら、その注意を知った人だけが手にとれるよう、配慮が必要だ。少なくとも子供の手の届かないところにおかなければならない。

 大人が「よく噛んで食べてね、いっきに飲み込むような食べ方をすると喉につまるかもしれないから、そういう食べ方はしちゃダメよ」と注意できる状況にあるかというと、学校から帰った子供がお腹をすかせて冷蔵庫を開けて、子供の判断でおやつに食べようとすることもあるだろう。

 その子供はいったいどこまで承知して食べているのだろう。親が常時着いていることができない状況で、食べる本人が理解していなければ、たいへん危険といえる。

 仮に親は理解していても、孫のために“これまでも時々食べていたから”という程度の認識で、注意事項を知らない祖父母が与えてしまうこともある。孫から「この前食べたゼリーないの?」と言われれば、探して与えてしまうかもしれない。親は家族中に注意をし、徹底を図らなければいけないようだ。

 誰でも手にとれる、好みを別にすれば、誰でも口にできるのが食品だ。とりすぎに注意、食べすぎに注意、体調や体質によっては注意というのがあっても、“使用上の注意”といったものがないのが食品だ。しかし、こんにゃくゼリーは違う。「1個食べるだけでもキケンのおそれあり」などということは想定外だろう。

 さて冒頭にあるように、このような対応で再発防止が可能だろうか。注意を促しているから、もし類似事例があってもそこは消費者の責任であって、メーカー側の責任はないと言っているように思えないか。

 食品の第一の使命は、食物として安全であることだ。消費者の安全を願うのなら、たとえばタピオカのように細かく切り刻んで、のどごし良く、詰まることなどない状態で提供するとか、安全に配慮した製品を製造販売することではないだろうか。原材料ではなく、調理加工が前提の食材ではないのだから、消費者に安全確保を委ねるのではなく、製品の段階で安全は確保されていなければいけないように思われる。それができないのなら「食べてはいけない」食品の候補といえそうだ。
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起業の黄金ルール

2008-10-04 22:14:53 | Book Reviews
凡人でも上場できる! 起業の黄金ルール」 浜口直太・著、2006年2月10日
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超!自分マネジメント整理術

2008-10-03 22:56:32 | Book Reviews
「超!自分マネジメント整理術 行動科学で3倍の成果を上げる方法 石田淳・著、インデックス・コミュニケーションズ、2008年8月31日

p.117 ここで忘れてはいけないのは、情報を収集することはあくまでも、何かを得るための「手段」でしかないということ
 情報を大量に集めて頭にインプットしたことで満足してしまう人が多いですが、本当に必要なのは、その情報をいかに活用し「目的」を達成するか、という能力です。
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「仕事ごころ」にスイッチを!

2008-10-02 21:53:28 | Book Reviews
『「仕事ごころ」にスイッチを!』 小阪裕司・著、フォレスト出版、2002年8月31日

p.66 マニュアルを作ることで、そういうレベルの仕事ができるでしょうか。
 伝説となるサービスをやらせようとしたら、これはそのこと自体が「快」であるか。お客に伝説となるほどのサービスをやってあげること自体が「快」であるかどうか、がポイントになるのです。
 「伝説になる」というのは結果でしかない。
 それが「快」だから、ぱっと気がつき、行動に移せるということでしょう。

p.71 「賃金を上げることが、実際に社員のモチベーション向上につながるのか」という研究が、組織心理学などの分野では長く行われていますが、賃金を上げることで不満は減少させられるが、満足は与えられない。そう近年のモチベーション理論では理解されています。

p.82-3 「ねぎらい」とは無条件の行為だ。「ほめる」というのは条件付きの行為。たとえば「月刊目標どおりの売り上げ数字を達成した」とか。そうすると達成しなかった人は条件が整わないので、ほめられない。
 しかし「ねぎらい」は違う。「ねぎらい」は、最大の「快」へつながります。

p.88-9 (苦しく、希望の見えない、地獄のような)環境の下で、どういう人が生きながらえたか。それは、『生きる意味』を失わなかった人だ。
 たしかにあなたは、人生にもう何も期待できないと思っているかもしれません。けれどもその一方で、人生のほうがまだ、あなたに対する期待を決して捨ててはいないはずです。あなたを必要とする何か、あなたを必要としている誰かがいるはずです。そして、その何かや誰かはあなたに発見されるのを待っているのです。
 「人間は意味を求める存在」そして「『意味』があるということが、人間の生き絵う力を発動させる」

p.92 人というのは、本能的、本質的に、常に「意味」を求めて生きている。自動的に動くんです、「意味」へ向かって。ですから「意味」が人の生きる力を発動させるといっても、これは過言ではない。

p.97 ことほどさように、人にとっては「意味」が不可欠なのものです。
 その観点から、多くのチームリーダーやマネージャーがよく忘れていることがあります。
 それは、「何をやるか」という指示は出すが、「なぜやるか」ということです。本当は、人が知りたいのは、「何をやるか」ではなくて、「なぜやるか」。つまり「意味」なんです。
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7つの習慣

2008-10-01 22:34:27 | Book Reviews
「7つの習慣」 スティーブン・R・コヴィー・著、キングベアー出版、1996年12月25日
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