何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

薬局力

2006-11-14 10:14:18 | 薬局経営
 「この会社が必要とするのは、会社を利用して、自分の価値を高められる人間。だからどんどん会社を利用しろ。」
 「だから、もっとも要求される人間は、自分で方向を決め、自分で伸びていく人材だ。そういった人間が増えれば、結果的に組織のパフォーマンスも伸びていく。」
『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(城繁幸、光文社新書、p.199)

 組織の成長は、個の育成~成長を基に、それが業務に活かされることに支えられている。つまり組織はスタッフの育成があってこそ、発展が臨めるのだと思う。そこで組織がすべきことは、スタッフが自分たちを伸ばせる態勢や環境を整えてあげることだ。薬局でいえば、内部研修態勢を設け、学会等の外部研修への参加を奨励していることである。それらを通じてスタッフは自らを伸ばし、自己を高めることができる。個人が伸びれば、それが薬局の業務に還元される。ひいては薬局のパフォーマンスが向上することが期待できる。
 若く向上心のあるスタッフほど、教育研修をバックアップし、自分の成長を支えてくれる環境を求めている。自分が成長するのがイヤな者などいないだろうから、そういう環境が与えられれば喜んで積極的に自らを鍛えるだろう。成長すれば、得たものをどこかで使い、示そうと思うだろうから、その方向が顧客に向けばいいのである。そういうスタッフが増え、定着すれば、魅力ある組織になるにちがいない。

 一方、
 「わが社が必要とするのは、自分を殺して会社のために滅私奉公してくれる人間。だからつべこべ言わず黙って働け。」
 「必要なのは、会社の与える枠にすんなりはまってくれる便利な人間だ。彼らがアウトサイダーを嫌う理由はここにある。」
(前掲書、p.199~200)

 さて自分たちの現在はどちらの状態に近いだろうか。指示命令という形で絶対服従を強いられていたり、おかしいと思うことも言えずに我慢していることはないだろうか。研修の実態がカタチばかりであったり、あるいは洗脳的であったり、組織色に染め上げた作業人か、単に労働力を養成しているにすぎないことはないか。学会参加など費用がかさむものは、ガス抜き程度に多少与えておこう、極力制限をかけておこう、などということはないだろうか。

 薬局が利用者に価値を生産し提供する能力を「薬局力」とすれば、スタッフの育成、成長こそ、顧客のみならず、組織にとってプラスをもたらすと思う。組織は、成長や育成の仕組みや態勢、環境を充実させることは必須であると考える。

 伸び伸びと、自分たちのもてる力を最大限に発揮しようとしたチームと、「常勝だ」「優勝こそ至上命題だ」というチームと、どちらが目標を達成するのか、したのか 
 失敗など許されないかのように、「管理」や「統制」を楯に、権力や命令で束縛している組織は、スタッフの犠牲のもとに存在しているにすぎず、それは組織のためにもならず、未来も開けてこないのではないだろうか 

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