何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

感動の経営

2008-07-22 22:30:59 | Book Reviews
「感動の経営 大事は理、小事は情をもって処す 高原慶一朗・著、ダイヤモンド社、1994年6月9日

p.5 「あらゆる変化は成長と進歩の因子であり、人も企業も、自分の考え方・行動・習慣の中で具体的に変化したぶんだけ新しい価値が生まれる」

p.7 メーカーとして消費者のニーズに合わせた生産技術を、たえず開発していくことが何よりも大切である。

p.7-8 確かな技術力による高品質の商品を適正な価格とタイミングで発売できれば、消費者の変化はさほど怖いものではない。それによって、需要を追いかけるのではなく、消費をリードする主体性を企業が得られるからである。

p.10 「人が協力してくれれば自分は人使いの名人だと思い、商品がたまたまヒットすると商品開発のコツを体得したと思い、資金繰りに困らないとバランスのとれた人間だとうぬぼれた」

p.33 理学博士で第一次南極越冬隊の隊長も務めた西堀栄三郎氏が、創造性(新しい発想やアイデア)の発揮のしかたには二通りあるといっている。
 一つは、「これまでのモノでは不便だ」「こういうものが欲しい」という要求や切実感が、その解決策として新しいアイデアや発想を生むもの。既成のものに対する不満が創造性を促すわけである。
 もう一つは、アイデア先行型。こういうアイデアを思いついたが、これは何に使えるか、どうしたら実現できるかと考えるやり方。
 私は、これに技術力というファクターも加えたい。

p.35 小学生の女の子にお母さんがいった。「学校のベルは授業のはじまりと終わりに鳴るのよ」女の子は首をふった。「ううん。休み時間のはじまりと終わりに鳴るの」
 二人の靴のセールスマンがアフリカの未開の土地に派遣された。一人が本社に連絡を入れた。「まったく見込みはありません。ここでは誰も靴をはいていません」もう一人からも連絡が入った。「絶好のビジネスチャンスです。ここでは誰も靴をはいていません」

p.44 商品を測るものさしが客の実感でなく、つくる側の自己満足であるケースだ。こうした商品は失敗する。それが素晴らしい商品であるかどうかを決めるのは消費者であって、メーカーではないのだ。

p.45 失敗を成功の母体とするには、失敗の原因を「景気が悪いせいだ」「ライバル会社が類似商品を発売したからだ」などと他人に転嫁しないこと。失敗の要因は100%自分の側にある。「物事の原因はすべて自分にあり、改善するには自分の力を向上させる以外にない」と考えることだ(原因自分論)。

p.57-8 慶応大学の井関利明教授は『ライフスタイル全書』の中で、「企業サイドの事情や都合から商品開発をするのでなく、ライフスタイル・アプローチによって消費者の購買意識や購買態度の変化を捉え、潜在的な需要基盤を発見していくべきだ」と述べておられる。

p.75 セールスとは商品を売ることでなく、顧客に利益を売り、自分という人間を売ることである。

p.82 小さいうちならともかく、中堅以上の企業ともなれば企業はやはり社会の公器である。そこには品、といってあいまいなら社会性・公共性が要求される。

p.87 ある商品の市場力、つまり売れるか否かを決定するのは、品質、価格、(発売の)タイミングの三要素が深く関わっていると思う。

p.100 自己成長や自己啓発は、不安と自信の繰り返し、チャレンジ限界自覚自信喪失再チャレンジのプロセスそのものであり、その中から経営哲学らしきものがゆっくりと生み出されてくる。

p.100 原因自分の哲学とは、自分が成したことの結果にはすべて自分自身に原因と責任がある、とする考え方である。ことに失敗の原因は外へ転嫁せず、「内」に求める。失敗は自分に原因がある(成功はほかに要因があると考えられれば理想)、「非は我にあり」とする姿勢のことだ。
 何か失敗したり、問題が起こったりすると、誰もがその原因を「外」に求めがちである。あいつが悪い、周囲が悪い、社会が悪い、運が悪い、タイミングが悪い、といった具合に(原因他人論)。

p.107 元経団連会長の土光敏夫さんは東芝の社長に就任したとき、最初の記者会見で開口一番、「東芝の悪口を耳にしたら、すぐに教えてもらいたい。悪いことを知らせてくれた人には礼をさし上げる。ただし、誰がそれをいったかは告げないでほしい」といったそうである。

p.131 量を量で稼ぐのではなく、質で量を生み出す姿勢である。

p.133 社員教育というと、OJTなどの理論が取りざたされるが、私は教える側が「教」と「育」を混同しないことがもっとも肝心ではないかと思う。
 育てるとは、社員に知識ではなく、知恵をさずけ、自発性や自立をうながすことである。命令や指示を待って動くのでなく、暗示や指導によって応用問題が解ける人間をつくることである。

p.135 やりがいや意欲を押しつけるのでなく、自発的に醸成させるように仕向けていく。そうすることで社員みずからが向上心をもち、自己革新していけるようになること。「自主性」を養うことが人材育成の基本ではないだろうか。

p.141 感:情報×感性×達成意欲、勘:情報×知識×小さな成功体験、観:情報×本質×論理の体系化。

p.146 結果を管理するな、途中を管理(評価)せよ。

p.148 苛立ちや不機嫌は、長い間立ち通していたことからも生じる。そのような人に対しては「道理を説くよりも、椅子を差し出してやるがいい」――。

p.160 〈5C主義〉①Change(変化)、②Challenge(挑戦)、③Competition(競争)、④Creation(創造)、⑤Communication(伝達)

p.163 力を伸ばすのは技術ではなく、仕事を好きになることだ。
 仕事を「~ねばならない」義務感でとらえている限り、苦しさは消えない。義務感を消すのは「~したい」と言う「主体性であり、主体性は好きであることから生じるのだ。


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