成分不足の睡眠導入剤「ハルシオン」自主回収を開始(読売新聞) - goo ニュース
ハルシオン0.125mg錠が回収となった。昨夕プレスリリースされたが、医療機関には22日夕刻に伝えられていた。このお知らせは「お得意様各位」であり、「先生方には多大なご迷惑とお手数をおかけして」となっている。「患者様各位」ではない。国民に向けた報道の後、医療現場で直接の混乱を受け止めてもらわねばならないので、それに先立ち伝えられたのだろう。本来謝罪すべきは服用する消費者だろうから、医療機関向けの案内とはいえ、国民への謝罪の言葉も含まれていて欲しかったと思う。
一般紙等への報道がされても、それを知った人と知らずに過ぎてしまう人がいる。薬局では、この両者に対して対応が必要だ。
それを知った人は、自分の飲んでいる薬がまさにそれに該当すると知って、驚くだろう。そこで知りたいことは次の3点。
・回収の理由など、その詳細。
・既に飲んでしまったが、大丈夫か。
・今後、どうすればよいのか。
“薬”のことだから、わかりやすく知りたい。ひょっとしたら患者さんの中には、その不具合(後述)を薄々感じていた人がいるかもしれないのである。
それを知らずに過ぎてしまう人は、次回受診時になって初めてそれを知ることになる。それまで知らずにおり、遅ればせながら知って、同様のことを知りたいと思う。
報道を見た人と違うのは、飲みきる途中で知らなかったのだから、とくに体調への不安が強いだろうということ。また今の体調という「結果」に関係なく、もっと早く知ることはできなかったか(なぜわかった時点で教えてくれなかったのか)と思うであろうこと。そして今後他の薬に対し、それ以上にその医療機関・医療従事者に対し、信頼を寄せていいものかどうか、疑問や不安を抱くのではないかと思う。
医療機関や、とくに保険薬局ではそれを調剤し、投薬した人に、報道を知っている・いないにかかわらず、すぐ連絡をとって、すみやかに状況説明をすべきだ。
ハルシオン0.125mg錠を例にとれば、11月中に投薬した人は、頓用を除いて、理屈の上では既に服用が済んでいるから既に手元に残薬はないはずである。12月に入ってから投薬した人をリストアップし、「今回の回収連絡を受け、お知らせしたのですが」と切り出し、情報提供すべきだと考える。
回収理由は、錠剤の溶出性が基準以下の製剤が含まれている可能性があるということである。不純物等が含まれていることが見つかった、というものではない。起こりうる可能性のある不都合としては、飲んでも溶解するまでに通常以上の時間がかかり、寝つきまでに時間を要する、ということである。放っておいてただちに生命に危険があるといった、副作用的な健康被害が見られるものではないのは幸いなことで、“当面の”安心を伝える必要があろう。
今後どのようなことを考えておかねばならないかの説明は、“今後の”安心を伝えるうえで患者さんにとって欠かすことのできない関心事である。
我々薬剤師だって、まず製品の復旧のメドが知りたい。ハルシオン0.125mg錠の販売再開には、半年以上かかる見込みという(これはメーカーからの「お知らせ文書」では不明、電話して知ることができた)。
そこで、考えられる代替策は、次の3通り。
●同成分0.125mg含有の錠剤なら、後発医薬品の使用を考慮する
●銘柄にこだわるなら、0.25mg錠の半錠処方を考慮する
●同成分でなくてもいいのなら、他の眠剤の使用を考慮する(超短時間型なら、アモバン、マイスリー、短時間型なら、レンドルミン、リスミー、ロラメット・エバミール、等)
注意すべきは、手持ちの0.125mg錠を持ち込まれても、薬局で交換してあげられないことだ。全ロットが回収なので、交換すべきものがない。またどの方法をとっても、いずれも他の処方になるので、受診(処方せん再発行)を必要とするからである。
回収になったとはいえ、これまで大きな不都合がなければ、今まで通り、手持ちの0.125mg錠を使い続けるのも一法だ。しかし時間の問題でそれもなくなる。その時に、これらが検討されることになる。一部の患者さんでは、精神的にどうしても本剤でないとダメという人がいるので、最善の代替策を選ぶ・試すことになろう。
薬局では、代替薬の確保にてんてこまいかもしれない。しかしそれは来局者に対してだけであって、既に渡した患者さんに対し、適切な情報提供を是非してあげてほしいと思う
ハルシオン0.125mg錠が回収となった。昨夕プレスリリースされたが、医療機関には22日夕刻に伝えられていた。このお知らせは「お得意様各位」であり、「先生方には多大なご迷惑とお手数をおかけして」となっている。「患者様各位」ではない。国民に向けた報道の後、医療現場で直接の混乱を受け止めてもらわねばならないので、それに先立ち伝えられたのだろう。本来謝罪すべきは服用する消費者だろうから、医療機関向けの案内とはいえ、国民への謝罪の言葉も含まれていて欲しかったと思う。
一般紙等への報道がされても、それを知った人と知らずに過ぎてしまう人がいる。薬局では、この両者に対して対応が必要だ。
それを知った人は、自分の飲んでいる薬がまさにそれに該当すると知って、驚くだろう。そこで知りたいことは次の3点。
・回収の理由など、その詳細。
・既に飲んでしまったが、大丈夫か。
・今後、どうすればよいのか。
“薬”のことだから、わかりやすく知りたい。ひょっとしたら患者さんの中には、その不具合(後述)を薄々感じていた人がいるかもしれないのである。
それを知らずに過ぎてしまう人は、次回受診時になって初めてそれを知ることになる。それまで知らずにおり、遅ればせながら知って、同様のことを知りたいと思う。
報道を見た人と違うのは、飲みきる途中で知らなかったのだから、とくに体調への不安が強いだろうということ。また今の体調という「結果」に関係なく、もっと早く知ることはできなかったか(なぜわかった時点で教えてくれなかったのか)と思うであろうこと。そして今後他の薬に対し、それ以上にその医療機関・医療従事者に対し、信頼を寄せていいものかどうか、疑問や不安を抱くのではないかと思う。
医療機関や、とくに保険薬局ではそれを調剤し、投薬した人に、報道を知っている・いないにかかわらず、すぐ連絡をとって、すみやかに状況説明をすべきだ。
ハルシオン0.125mg錠を例にとれば、11月中に投薬した人は、頓用を除いて、理屈の上では既に服用が済んでいるから既に手元に残薬はないはずである。12月に入ってから投薬した人をリストアップし、「今回の回収連絡を受け、お知らせしたのですが」と切り出し、情報提供すべきだと考える。
回収理由は、錠剤の溶出性が基準以下の製剤が含まれている可能性があるということである。不純物等が含まれていることが見つかった、というものではない。起こりうる可能性のある不都合としては、飲んでも溶解するまでに通常以上の時間がかかり、寝つきまでに時間を要する、ということである。放っておいてただちに生命に危険があるといった、副作用的な健康被害が見られるものではないのは幸いなことで、“当面の”安心を伝える必要があろう。
今後どのようなことを考えておかねばならないかの説明は、“今後の”安心を伝えるうえで患者さんにとって欠かすことのできない関心事である。
我々薬剤師だって、まず製品の復旧のメドが知りたい。ハルシオン0.125mg錠の販売再開には、半年以上かかる見込みという(これはメーカーからの「お知らせ文書」では不明、電話して知ることができた)。
そこで、考えられる代替策は、次の3通り。
●同成分0.125mg含有の錠剤なら、後発医薬品の使用を考慮する
●銘柄にこだわるなら、0.25mg錠の半錠処方を考慮する
●同成分でなくてもいいのなら、他の眠剤の使用を考慮する(超短時間型なら、アモバン、マイスリー、短時間型なら、レンドルミン、リスミー、ロラメット・エバミール、等)
注意すべきは、手持ちの0.125mg錠を持ち込まれても、薬局で交換してあげられないことだ。全ロットが回収なので、交換すべきものがない。またどの方法をとっても、いずれも他の処方になるので、受診(処方せん再発行)を必要とするからである。
回収になったとはいえ、これまで大きな不都合がなければ、今まで通り、手持ちの0.125mg錠を使い続けるのも一法だ。しかし時間の問題でそれもなくなる。その時に、これらが検討されることになる。一部の患者さんでは、精神的にどうしても本剤でないとダメという人がいるので、最善の代替策を選ぶ・試すことになろう。
薬局では、代替薬の確保にてんてこまいかもしれない。しかしそれは来局者に対してだけであって、既に渡した患者さんに対し、適切な情報提供を是非してあげてほしいと思う
不二家は、期限切れの材料を使っていたと知りながら、そのことをずっと公表してこなかった。健康被害の発生も苦情も来なかったからだという。これを安全性軽視と言わずして、何と言うのか。
ハルシオンの回収も、一部には問題ないのなら、黙っていて欲しかったなどという反応もあるとはいえ、次回来局時まで黙っている薬局があったとしたら、不二家のことを非難できないのではないだろうか