何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

処方鑑査の質を上げるには

2009-10-28 22:23:46 | くすり雑感
 処方鑑査を行い、処方中の目の付け処を押さえることができるにはさまざまな知識や経験が不可欠だが、それらを持ち合わせていても、念入りに、きめ細かく、丁寧に、確実に実施されなければ意味がない。
 つまりそのように適切に実施されるよう、薬剤師を動かすのは使命感や責任感であり、積極性や主体性であると考えられる。強制的に、仕方なしに行なうようでは、形式的な部分を越えて、臨機応変、柔軟な安全管理を望むのは期待薄である。

 患者さんの安全を守ろうとすればそこには限度がないので、常により質の高さを追求しようとする文化が必要になる。それらは言われて行なわれるものではなく、薬剤師の内面から生まれる。すなわち薬局に、自主性や主体性を尊重し、育む土壌があるかどうかがカギを握り、それによって質が追求され、患者さんの安全確保が果たされることが期待される。

 
 一方、患者さんの安全確保を否定することはないものの、薬局側の事情を考慮する意見も聞かれる。薬局で調剤事故を起こしたら、自分たちの信頼や評判を落とし、ひいては顧客離れや売り上げ低下を懸念するものである。

 自分たちの都合が根底にあると、責任を逃れようとするから、これをやっていればよいと、ある行動を規定して強制的に行なわせようとする動きが生まれる。
 患者さんを意識するのではなく、保身的に、内部のハードルをクリアすることを目的として、行動をを迫るものである。

 言われてやるものと、主体的に行なうもの。どちらがモチベーションを高く維持することができ、持続性があり、安全確保につながるか、質的な向上が望めるかは言うまでもない。
 このような行動をすればよいと、意味も考えずに行動をする体制と、患者さんに関心を持って薬剤師として精一杯守ろうとする文化と、どちらが薬物療法の要点に目が向けられ、追求がなされるかは言うまでもない。
 さらには、そのような行動をとることで、どちらが薬剤師の成長につながり、生き生きと活動が行われるか、そこも明白である。

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