何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

緊急安全性情報は出されないらしい

2009-08-11 11:35:23 | くすり雑感
 一昔前まで、緊急安全性情報は、不定期に出されるとはいえ、年に1~2回発出されていたが、近年はほとんど見られなくなった。単に、発出に値するほどの内容がなかっただけのことだろうか。

 先週、使用上の注意改訂指示(8/7付)で、チャンピックス錠(バレニクリン酒石酸塩)において「警告」欄が新設されたことがわかり、久しぶりに緊急安全性情報が出るのではないかと思ったのだが、どうもその気配がない。

 メーカーに聞いてみると、当局よりそのような指示がないのだという。
 
 「緊急安全性情報の配布等に関するガイドライン」によると、作成の原則として、まっ先に「警告欄の新設等(=警告欄の新設又は重要な改訂)」がその理由として掲げられている。
 
 てっきり警告欄が新設されたのだから、それに伴って緊急安全性情報が出されるものとばかり思っていた。しかしそれに該当しても、緊急安全性情報の発出は必須であるとの規定がなく、指示書が来ない限りメーカーでは作成されない。
 
 「警告欄の新設」以外にも、安全性に関して緊急かつ重要な内容に対して緊急安全性情報が出されるのであるが、どうやら中央薬事審議会では配布の必要性があるとの判断はなされなかったようだ(もしくは安全課による予備的な検討において不要との判断であったのかもしれない)。

 いずれにせよ、“このような時に緊急安全性情報が出される”という理解において、「警告欄が新設」されただけでなく、かつ配布の必要性があると判断された場合、というふうに認識を改めなければいけないことがわかった。
 
 「緊急安全性情報」と「使用上の注意改訂」では随分、医療従事者側で印象が異なる。チャンピックス錠における今回の改訂は、国内の事例が少なく、FDAが警告を発出したことに伴うもののようであるが、緊急安全性情報が“出されない”状況はもうしばらく続くことになる。

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1 Comments

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出さない理由は? (お疲れ)
2009-08-11 13:46:58
 「警告」内容の中で、思考の変化、精神障害、気分変動、攻撃的行動、敵意、といったものは、それまで記載されていなかった。

 重要な基本的注意から警告への格上げ、新規の注意内容、にもかかわらず、緊急安全性情報にしないのはなぜ?

 服薬の背景が、禁煙補助剤であり、疾病治療薬でないからか。服薬中止が容易だから? でも「本剤中止後もこれらの症状があらわれることがある」との追記もあるのだが。

 今後症例が急増や重篤化でも見られない限り、新規性はないということで、さほど取り上げられないだろう。話題性だけにとどまってしまいそうだ。
 最初の注意喚起だから慎重になったのか。インパクトのある注意喚起のほうがその後の安全使用につながると思うのだが。
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