何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

経営問答塾

2012-09-02 14:16:33 | Book Reviews
「経営問答塾 一流への道 鍵山秀三郎・著、致知出版社、2008年7月17日

p.10-11 私は会社の人に有能な人になってもらおうとは思わないのです。それよりも、いい人になってもらいたい。有能な人になるのはなかなか大変ですけれども、いい人になろうと決意をするならば誰でもなれるからです。どうしたらなれるかというと、日々自分の心のあり方を見つめて問い直していく。

p.11 いい人になってもらいたいと思ったわけですが、そのためにはどうしたらいいか、と私は考えました。そのためには、自分の会社のことだけを考えていてもよくはならないのです。もっと世の中に目を向けて、そこを変えることをしなくてはいけない。

p.20-1 私は、はるか遠くにある理想に向かって、およそどう考えても近づいているとは思えないようなスピードで進んでいきました。
 よくあんな苦難に耐えてきたな、よく我慢したなと言われることがありますが、それができたのは、ゆっくりとではあっても間違いなく自分の理想に向かって進んでいるという確信があったからです。それが支えとなりました。

p.27 「チャンスという神様は準備をして待つ者を好む」

p.50 反対に、どんなに小さなことであっても、それをやれば人が迷惑する、あるいは、それを怠れば人が迷惑ということを知っていてやるということについては、私は放っておきません。

p.63 このように時々起こる難しい問題を節と呼ぶならば、その節を越えて行くために必要なのは大きな志を持っているかどうかです。これが大条件になると思います。単なる自分の欲望を満足させる程度の志しか持っていないと、苦難に耐えるような我慢はできません。しかし本当に大きな志を持っていると、今直面している難題を乗り越えていく苦労や努力が大したことないと思えるようになるのです。

p.72-3 そういう(大変な)困難に遭ったときは「なんでこんなことをはじめちゃったのかなあ」と思いました。しかし、そのたびに「理想的な会社をつくろうとしてはじめたことだ。理想に近づくためには、これくらいの困難は当たり前だ」という気持ちが湧いてきました。そして、創業のときの気持ちを思い返して、マイナスの気持ちを排除してきたわけです。

p.78 経験には一つだけ欠点があります。それは、どんなものでも一度経験してしまうと前には戻れないということです。
 だから私がいつも申し上げているのは、小さなことでもよくないことは経験しないほうがいいということです。これは子供も大人も一緒。

p.83 不安とか恐怖感というのは経営者にはなくてはいけないものです。不安感、恐怖感がない人は経営者にはなってはいけません。ですから、今、どうなるのだろうという不安があるというのは、経営者としての資格があるということなんです。

p.88 暇なときに暇にしていれば、それがますますお客様を遠ざけていくわけですね。だから、その暇なときにしかできないことを予め用意しておいて、客足が途絶えたら自然とそれができるようにしておくことが大事なのです。

p.93 もう一つ大切なのは、自分の会社だけよくしようとしてもなかなかよくならないということです。まず町全体をよくしなければいけません。
 お店の売り上げだけなんとかしようという考えではなくて、街をよくしよう、いや、そんな小さな考えにとどまらずに、日本の国をよくするんだというくらいの考え方でやっていったときに、はじめてお店が変わっていくと思うのです。

p.112 社風というのは、大事なものであるけれども、それはなかなか守り難くて育て難いものであるということをまず知っていただきたいんです。そして、自分の信念を貫く限りは大いに妥協をして、しかもその妥協に飲み込まれないようにしていただきたい。

p.131 いざというときは社長がちゃんと守ってくれるという風土が会社にできました。それが社員の自信にもつながっていくのです。

p.132 (職務のために頑張ってくれる)そのためには、まず社長が自分の会社の方々に信頼されること。信頼されなければ条件闘争になります。条件闘争が先に出るようだとしたら、信頼されていないというふうに思っていいでしょう。信頼される会社にするのは社長の使命だと思いますね。

p.135 稼ぐのは決して悪いことではありませんが、その稼いだお金の使い方で、その人間がわかります。
 心を使うことが大事なのです。そのためにお金も使うし、労力も使うし、時間も使う。そういう使い方ができるようになったときに、はじめて人間の器というものが少し大きくなるのだと、私は信じています。

p.141 お客様を感動させようとするならば、自分が感謝をする。今日お客様に感謝をすると、それがお客様の感動につながる。感動したお客様は、絶対のお客様につながっていくということですね。
 そういう善の循環に入っていくことがとても大事だと思います。給料が少なくてもやる方法を考えるよりも、社員はお客様に感謝し、お客様は感動するという感動と感謝の連鎖をつくることです。それが待遇とは関係のない世界をつくりあげていくというふうに私は思います。

p.149 経営者というのは、眠れないほど心配するのが仕事なのだろうと思います。毎晩ぐっすり眠れるようでは経営者の資格はないと思うんですね。私だって、こんな年になっても、なかなか眠れなくなることがあります。そういうときは、寝よう寝ようと思わないで起きています。

p.150-1 行動には必ずチャンスがついてきます。何も行動しないで佇んでいるだけでは、決してチャンスはやってきません。行動にしかチャンスはついてこないというふうに考えて、たとえ未熟で拙劣な行いであってもやり続けることです。私にはそれしかできなかったのです。うまい考えなんか何もありませんでした。ただ自分のとった決断に対して自分が責任をとろうと思っただけでした。

p.157-8 言い訳というものは、この波紋のようなものです。じっと黙っていれば最初の波紋は消えるのに、言い訳をしたために次々と波紋ができて広がってしまいます。

p.189 今ある商品を売る努力を怠っておいて、次の製品開発でしのごうとするのは誤りであると思うのです。今現在お持ちの商品が拒否されたから、それを一気に挽回するような製品を開発しようというのは、基本的な考えが誤っているように思います。

p.198 感動される人間になるためにはどうしたらいいか。
 自分にとって割に合わないことを次から次へと笑顔で進んで引き受けて、やり遂げればいいのです。そのときにはじめて、人は「よくもあんなことをやったなあ」と感動してくださるわけです。

p.203 壁が現われたらどうしたらいいのか。簡単に取り除ければ一番いいのですが、いつも取り除けるとは限りません。そういうときは、理想や目標を当初よりもさらに大きくして、壁の向こうが見えるくらいにしてしまえばいいのです。そうすれば、目標を失わずに歩き続けることができると思いますね。

p.204-5 日々の心がけとして、目の前に生じた不利なこと、不都合なこと、少々理不尽だと思うことであっても、なんとかそれを成し遂げられるものであれば引き受けてやっていくことも大事です。しかし、何もかも引き受けるというのではなくて、自分の中に一つの厳然たる基準を持って、その基準を超えたことに対しては、相手が誰であっても何であっても拒否するという強さも持っていただきたいと思います。

p.207 「困難と失敗とを同一視するほど危険なことはない。今は困難なだけでまだ失敗ではない」

p.208 「目標に近づけば近づくほど困難の質と量は比例する」
 逆にいうと、困難の度合いが高まれば高まるほど、実は目標に近づいているということなのです。

p.215 「お客様は議論をしたり知恵比べをする相手ではない。お客様と議論をしたり知恵比べをして勝った者は一人もいない」

p.217-8 会社を大きくするというより、質のいい会社にすると自然に大きくなってくると私は思うのです。
 今はとにかく会社の質を高めることです。それが自然に量の確保につながっていくのではないでしょうか。
 さらに言うと、教える技術やメカニックの知識ももちろん大事ですが、最大のサービスは指導員の人格を高めることに尽きると私は思います。


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