何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

ヒヤリハットしているか(1)

2007-09-12 13:50:08 | 思いつくまま
 調剤エラーに関連し、調剤過誤、調剤事故、インシデント事例に区分されている。インシデント事例はヒヤリハット事例であり、「患者に健康被害が発生することはなかったが、“ヒヤリ”としたり、“ハッ”とした出来事。患者への薬剤交付前か交付後か、患者が服用にいたる前か後かは問わない。」と説明されている。

 インシデントでなければ調剤事故だが、そこは健康被害の有無で判断される。わかりやすくて、一見明確なようだが、健康への影響があるかどうかは、自覚症状を感じるかどうか、それなりの影響が及んだと思うかどうかだから、実は主観的でもある。たいしたことはない、と判断されたら、「健康被害ではない」と軽く考える向きもある。

 さてヒヤリハット事例は調剤事故と比べれば健康被害には至らなかったのだから、結果としては安堵できるものだが、その報告を見ていると、どうも事務的というか、“報告を出す決まりになっているから出しました”的なものが目立つ。

 結果的にインシデントで済んだにせよ、その発生に係わったということで、責任追及を心配しているのかもしれない。言外に不可抗力とは言わないまでも、やむをえない、情状酌量的余地を訴えるようなものもある。

 だから責任追及と原因追求は別だと言われる。インシデントの原因を明確にして反省の材料として、再発防止を図るべく、今後に活かすことが大切だ。その動機が“ふぅー、大事に至らなくて良かった、ひとつ間違えればタイヘンなことになっていた”といったような、ヒヤリとしたりハッとする思いだ。冷や汗をかいているか、後から思い出してもゾッとしているかが、次からは気をつけようという意識の源泉だと思う。

 どうも報告書を見る限り、冷や汗や青ざめた様子がたいして伝わってこないものが多い。とにかく書いて提出さえすれば一件終了、喉元すぎればナンとやら、である。
 なんか、ヘンじゃないか、何のためにインシデント事例を報告しているのだろうか。どうしてこんなふうになってしまったのだろうか。(続く)

Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« レバレッジ・リーディング | TOP | ヒヤリハットしているか(2) »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | 思いつくまま