何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

「ありがとう」を引き出すおもてなし

2012-03-17 23:09:41 | Book Reviews
最高の接客サービスとは何か 「ありがとう」を引き出すおもてなし』 本多正克・著、PHP、2009年3月30日

p.2 「前向きに、ひたむきに、一生懸命に何かに取り組んでいる姿は、必ずそれを見てくれている人がいる」と――。

p.2-3 現場のリーダーとなっている方々に話を聞いていくと、「“何でこんなに頑張っているのに評価されないのか・・・・・”と考えているうちは、救いの手は差し伸べられない」と口々に言います。
 そして、「その考えを改めて“自分がお客様だったらどうしてほしいかをつねに自問自答して、そのうえで自分ができることを、そのときの最高のパフォーマンスで提供しよう。見返りを求めるのではなく、お客様に喜んでもらいたいと心の底から思って対応しよう”と考えるようになってから、うまくいくようになった」と言うのです。

p.16 まず「お客様の立場に立つ」ことの定義を明確にしておきましょう。それはつまり「お客様の立場から物事を感じ、そして考える」ということです。

p.21-22 ミステリーショッパーが店舗のオーラを分析するための基準=評価項目とは、いったいどのようなものなのでしょうか。
 これらをお客様の立場に立って評価していくわけです。
(1)入店時の対応(挨拶・笑顔・言動・態度)
(2)清潔度
(3)情報・備品・店内表示
(4)基本接客
(5)おもてなし
(6)レジ対応
(7)アフターフォロー

p.26 基本接客は笑顔や挨拶などの接客担当として行うべきことが含まれており、おもてなしは、対応力を見るための視点が入っています。
 このような対応力には、正しい解答があるわけではありません。むしろ、その問いに対して、丁寧に、迅速に、そしてお客様の立場で対応したかを判断しているわけです。このあたりが、基本接客とおもてなしでは、大きく異なる点です。

p.51 「誰もがサービスの提供側になると消費者の心が見えなくなる」という前提に立つ必要があるのです。

p.55 おつりの渡し方には、そのお店のレベルが端的にあらわれます。そのスタッフだけの問題ですめばいいのですが、多くのお客様はお店全体のこととして捉えます。

p.60 一口にホスピタリティといっても、必ずしも丁寧に接客すればいいというわけではありません。お客様の立場を考え、その立場に適した最善の策を講じていくことがその本質です。
 このことを無視して単に丁寧に接するとか、親密さを出すとか、お客様の相談にのるだけでは、先ほどの例のように逆効果になるケースもあるわけです。お客様の心理を無視したホスピタリティは、反感を買ってしまうものなのです。

p.61-2 スタッフの対応が自分の気持ちにフィットしていると認識すると、相手に対するお客様の印象は一気によくなります。心理学でいうペーシング(自分を相手と同じ考え方、感情、態度に合わせること)に近いものがあります。

p.66 よい接客とは、そつなく丁寧な対応ということです。
 一方、素晴らしい接客とは、(お客様にとって)記憶に残るような体験の提供ということです。「ありがとう」、そして再来店は素晴らしい接客なくしてあり得ません。

p.68 ほとんどのお客様は体験を通して、「よい接客をするお店」と「素晴らしい接客をするお店」を明確に分けて分類しており、後者の「素晴らしい接客をするお店」だけを長く記憶に留めるものです。このため、丁寧でそつのない接客だけでは、たくさんあるうちの一つという位置づけになってしまい、結果、再来店する率は下がってしまいます。

p.71 お客様が来店する理由は、単に食事をするだけではなく、そこでの体験を楽しむためでもあるわけです。したがって、感じの悪い対応をされる店舗にそう何度も足を運ぶことはありません。
 もちろん、数字は経営の基本ですし、効率化が悪いといっているのでもありません。ですが、あまりに効率化を追い求めると、「お客様からどのように見られるか」を忘れてしまいがちです。

p.89 もう一つは、やはり接客のスキルの高い人ほど、つねに最高を目指していることです。「その差に何の効果があるのか」と考えるのではなく、「どうしたら最高のパフォーマンスを発揮して、お客様に喜んでもらえるか」ということを考えているのです。つまり、見返りを期待して何かをやるというのではなく、お客様に喜んでもらうためにできることをやっているというスタンスです。

p.93 最初の接点で、どれだけお客様に「なるほど!」と感じてもらえるかを考えてコミュニケーションをとる必要があります。お客様の知らなかった事実を伝えてあげるのです。

p.105 ここでいう回答の仕方とは、表現の仕方であったり、機転の利いた対応であったりと、知識そのものではない部分を意味しています。
 どんなに知識があっても、質問に対して素っ気ない感じで説明をしたり、そんなこともわからないのかというような説明をすると、「なんで質の低い店員だ」と判断されてしまうのです。

p.113 私が明らかにしたかったのは、知識は「知っている」だけでは意味がないということです。つまり、知識は「お客様のメリットになるように伝達」してはじめて意味を持つ――そのことを伝えたかったのです。

p.137 とくに、自分から遠い場所で起こったことに対して、どのように相手の気持ちを汲んでいくかということは、とても重要なポイントです。

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