何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

口コミ繁盛店のつくり方

2012-03-02 23:29:32 | Book Reviews
お客さんがお客さんを連れてくる! 口コミ繁盛店のつくり方 花谷博幸・著、アニモ出版、2012年1月30日

p.3 口コミは商品や技術という目に見えるものから起こるのではなく、信頼感や好印象という目に見えないものによって発生するのです。そして、お客さんが感じる信頼や好印象を、お店の側が目に見える形にして提供できるかで、口コミ繁盛店になれるかどうかが決まります。

p.4 口コミ繁盛店は売上げ中心の店ではありません。売上げをあげるために口コミシステムを作るのではなく、口コミを増大させるために口コミシステムを作ると売上げは自動的にあがるという考え方です。

p.24 実際は、口コミが起こらないのは「口コミ紹介の方法が解らない」からです。そしてリピートが起こらないのは、お客さんと接触不足による「次に行くきっかけと理由がない」「忘れていた」が、そのほとんどの理由です。

p.26 口コミ紹介のない飲食店は「おいしい、安い、多い、きれい」という商品の話までしかされませんが、口コミ紹介される店は、必ず「人」まで語られます。したがって、「商品」を磨くことは当然ですが、「人」をどんなふうに話してもらえるようにするか事前環境を整えることが必要となります。

p.29-30 画一的なサービス対応ではなく、オーダーメイド的なサービス対応と言ってもいいかもしれません。オーダーメイド対応により優越感を感じられれば、口コミはウンチクとなって広がっていくのです。

p.31 たとえば、人は紹介する際に「大切な友人に口コミ紹介したいけど、ちゃんと接してもらえるだろうか? 嫌味な態度やぞんざいな扱いをされないだろうか? 本当に友人は喜んでくれるだろうか?」といろいろ心配になります。
 そうした心配を払拭する信頼感は、お客さんがそのお店で何を感じたかによって判断されます。つまり、「このお店はしっかりしているな」と感じてもらえるかどうかです。

p.31-2 口コミは店外で起こります。お客さんがお店から出たときにどんな印象を持ったかで、口コミ発生率は変わるのです。

p.35 まず最初は、店側が「自己開示」をします。
 こちらから先に自己開示しなければ、お客さんだって自己開示をしません。その結果、口コミ紹介するに値するほどの信頼感を提供できないことになるのです。

p.38 あなたから「自己開示」することから始まる「共感のコミュニケーション」が、お客さんとスムーズにコミュニケーションできるスイッチになる。

p.39 実は、口コミは「情と興奮」を媒介として、人から人へ動いていきます。「情とはなにか」というと、それは「愛情」であり、「友情」「情熱」「情報交換」です。

p.60 たとえ新規顧客を失っても、もともと来なかったと思えばいいだけですが、既存客を失えば、また最初からお客さんとの関係を作っていかなければならないのです。これは100倍大事さが違うと認識してください。同じ1人のお客さんではないのです。

p.62-3 口コミ紹介の阻害要因は「どう口コミしていいか解らない」ですから、メニューの数が多いと、その店を簡単に紹介することができなくなります。
 「この店に初めて来た人に食べてもらいたいのは、どのメニューですか?」

p.65 多くのお店が陥りがちな勘違いが、リピートシステムより集客システムを優先させてしまうことです。でも、いままでのお客さんがすべてリピートしてくれたら、そんなに集客にこだわる必要はないはずです。
 一見すると、毎日新規客が来店するのはいいことのような気がしますが、実は、そのお店の足元は弱いということなのです。

p.71 昨日入社したアルバイトの新人さんも、お客さんにとっては店員であり、新人であるかどうかは関係ありません。
 よく言われることですが、そのお店のスタッフのチームとしての完成度は、新人の能力で判断できます。新人の能力が高くなることでチーム全体の評価は高まっていきます。
 お店側は自分の店の「売り」をアピールして評価してもらいたいと思います。そこが得意であり、好きな部門だからです。ところが、お客さんの視点は逆にあります。最低の部門を評価して、その点数をお店の点数とするのです。

p.73 たとえば、「ラーメン屋さんはラーメンを食べさせる場所だ」と思ってラーメン店を営んでいると、「うまいラーメンを食べさせればいいだろう」という思考に陥ります。でも、うまいラーメンが出せれば、それだけでいいのでしょうか?

p.79-80 言い方を変えると、「治すために治療をする」のではなく、「口コミをしてもらうために治療をする」のです。そのためには「信頼と好印象を感じてもらえる治療をする」と切り替えます。
 そう考えていくと、あなたが口コミ繁盛店をつくるためにやるべきこと、学ぶべきことのすべてが変わってきます。

p.80 その最初の一歩は、自分の商品・技術・サービスを通してお客さんから信頼と好印象を得ることをシステム化しなければならないのです。

p.85 すべてのインフラは売上げをアップさせるものではなく、「絆の時代」にマッチした口コミをサポートするためのインフラに仕上げていくのです。口コミをしやすいインフラをきちんと用意して、店内で「信頼と好印象」を作ることで口コミ環境が整うのです。

p.95 当然、ホームページの内容は集客目的ではなく、信頼づくりをベースに構築された口コミサポート目的でなくてはなりません。
 口コミの順番は「商品→人」になりますので、ホームページでの商品の説明も口コミ紹介者が語っているようにしておくと、2回同じことを言われた錯覚によって行動までのあと押しになります。

p.98 紹介はしてみたものの、行った人はどうなったのか? それをお店と行った人の両方から確認したいのです。お店がその点に気付いてくれたら、紹介者も安心するはずです。ここから生まれるのが「信頼と好印象」です。

p.104 お客さんは、店内での行動に関して「えっ」「あのー」と疑問や不安を感じると、そのひとつひとつがお店へのマイナス評価と無意識レベルでカウントしてしまいます。

p.107 「お店というのはファンクラブの集会所」ですから、どうしたらVIP扱いとなるのか、そのルールが明示してあると、一部の人たちはVIPになろうと行動を起こします。それがファン心理というものです。

p.117 口コミが起きなくなるのは、お客さんが「忘れていく」からです。それが、半数以上だと思ってください。

p.119 つまり、口コミ繁盛店をつくるには、この忘却対策である「きっかけ」をお店で用意することが必要になります。そして、忘却を補完する方法はひとつしかありません。チラシ、メール、ニュースレター、ハガキ、DM、なんでもいいので、定期的な接触を図るのです。定期的な接触がお店を思い出すきっかけづくりになります。

p.142 VIP顧客になる人にはあるパターンがあります。それは、「濃い人」「手間のかかる人」「寂しい人」です。こうしたお客さんは、一般に面倒なタイプと言われます。ただし、この面倒なタイプのお客さんを親切に受け入れると、VIP顧客となるのです。なぜなら、このタイプの人たちはほかのお店ではキャパシティーオーバーだった人だからです。

p.155-6 このお店は自分が紹介した人の期待に応えることができると、お客さんが判断したときに、初めて口コミ紹介が発生します。そして、口コミが口コミを呼ぶという好循環が生まれるのです。

p.156 当院のような高齢者の多いお店が考えなければいけないのは、その患者さんが1人で暮らしていれば、入室時の「おはよう」が、その日に初めてしゃべった言葉かもしれないということです。しかも、その日に誰かと話す唯一の機会かもしれないのです。
 そんなときに、自分を受け入れてくっるお店の存在は実に貴重です。そのお店がなくなったら困るのは、そのお客さんのほうなのです。だからこそ、寂しいお客さんほどVIP客になって、口コミ紹介をしてくれます。

p.173-4 多くのコンサルティングを通して私が見つけた、チームが出来上がらない会社の特徴があります。それは、社長が従業員を道具と思っている会社(お店)です。人と思わず、自分のための道具と思っているのです。

p.182-3 経営者の視点が目先の売上げばかりに向いていると、いまここで絞りとっておこうみたいなことが起こります。何度も言いますが、口コミ増大を目的とするお店づくりこそが、繁盛店につながるのです。

p.191 お客さんがなぜ、そのお店に何度も来るのか? そこにはいろいろな理由がありますが、ひとつの共通項は、気持ちを埋める作業として来店していることです。
 お客さんがモノを買うかどうかは、その人の気持ちが決めます。治療効果の実感も、リピートするかどうか、口コミするかどうかもお客さんの気持ちが決めます。

p.192 同じ仕事をしていれば、飽きることもあります。このマンネリ感と戦うのが商いです。実は、マンネリ感とは悩みを避けることで成長がとまっているために起こる現象です。

p.203 お客さんは社会の変化に反応して、購買の方法を変えていきます。

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