何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

繁盛する治療院の患者の心をつかむ会話術

2011-01-24 22:05:08 | Book Reviews
「繁盛する治療院の患者の心をつかむ会話術 儲かる治療院がやっている接遇・コミュニケーションのコツ 岡野宏量・著、同文舘出版、2010年12月15日

p.45 「言葉を濁す」という言葉がありますが、たしかに日常会話においては、そこまでしっかりと語尾を言い切る必要性は感じないかもしれません。
 しかし、それはあくまで日常会話だからこそ許されることであって、治療家としての「判断」を聞きに来ているからです。
 また、相手の質問に答える際にうまく答えられないことが繰り返されると、患者さんから信頼を失ってしまいます。

p.96 逆に、相手が怒った様子で、「上司に休日出勤を命じられた」と言ってきたら、「休日出勤を命じられたんですか(つらいですね)」というように(オウム返しで)答えます。ポイントは、「つらいですね」という感情を込めることです。これがあるかないかで、相手に伝わるこちらの印象が変わってきます。

p.106 質問するときには、つい自分が聞きたいことを聞きがちですが、上手な質問とは「相手が話したいことを聞く」ものです。相手がしっかりと答えてくれなかったり、会話が途切れたりするのは、自分の聞きたいことだけを質問しているせいでもあるのです。

p.110 外見をほめる際のコツは、モノだけをほめないことがポイントです。たとえば、「その髪型いいですね」よりも「その髪型似合いますね」のほうがよいほめ方です。
 なぜなら、モノだけをほめると、ほめているのはモノであって自分ではないと感じるからです。

p.114 治療家が、患者さんとの会話の中で共感を得るためのポイントは、事実を述べるのではなく、患者さんの感情を察した言葉をかけるということです。
 「○○がだいぶ硬くなっているので、だいぶつらいんじゃないですか?」と、肩がこってつらいという患者さんの気持ちに寄り添うような表現にすると、患者さんは共感してくれていると感じるのです。

p.119 それに対して、「治療を通して、患者さんの生活を豊かにする」、あるいは「患者さんを幸せにする」という返答をする人は、患者さんの心をつかんでいることが多いようです。
 なぜかと言うと、患者さんは痛みを取ったり、治療をされるためだけに治療院に来ているわけではないからです。

p.141-2 このように、ある程度こちらが生じ得る状況を示す場合には、次の4つに関連する示唆質問をするといいでしょう。
①仕事に関すること・・・・・「このままいったら、仕事への影響はありますか?」
②趣味に関すること・・・・・「このままいったら、趣味を行う上で問題は出てきますか?」
③生活に関すること・・・・・「このままの状態だったら、生活上支障が出てきますか?」
④家族に関すること・・・・・「このままでいくと、お子さんへの影響はありますか?」

 上手な示唆質問とは、相手が絶対になりたくないという、受け入れ難い状況をイメージさせるものです。患者さんの返答が、患者さん自身で受け入れ難いものであればあるほど、示唆質問の効果は高いと言えます。

p.151 治療の利益とは、その治療によってどんな利益が得られるのかということを説明します。要は、患者さんの顕在ニーズを満たすことができるとアピールするのが、治療の利益になります。
 治療の利益を伝える際には、4つの質問の段階で、実際に患者さんが使った言葉を用いることが有効です。

p.158 患者さんを心からよくしたいというスタンスがある治療家は、4つの質問を使いこなすことができます。逆に、このスタンスのない人は、いつまで経っても表面的で、不自然な質問しかできないのです。
 なぜ、心から患者さんをよくしたいと思っていないと、4つの質問をマスターできないのでしょうか? それは、4つの質問の根本には、「患者さんをよくするために患者さんの本当のニーズを知りたい」という気持ちが必要だからです。

p.158-9 患者さんをリピートさせられる治療家は、総じて患者さんへの思い入れが強いように感じます。患者さんにその思いがしっかり伝わっているからこそ、その先生に診てもらいたいと思い、何度も通院するのでしょう。

p.214 治療家の皆さんにお伝えしたいことは、患者さんは「顧客」ではなく「クライアント」として考えることの重要性です。
 サービスを提供する側からすると、顧客とは楽な関係でいられます。なぜならば、サービスを提供するだけで結ばれているからです。一方、クライアントとの関係は、相手の結果に責任を負うのでプレッシャーも多くなります。

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