簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

危険な交差点

2015-05-29 | Weblog
 「バコーン」
昼下がり、乾いた衝撃音が、静かな住宅街に響いた。
「アッ!またやった」



 事故と言えば、わが自宅近くの交差点も事故が多い。
東西に延びる道路は、自宅の先で川に架かる小さな橋を渡り、越すとすぐその川
と並行する南北に延びる住宅団地の周回道路と交差する。



 この交差点、決して見通しが悪いと言うわけでも無い。
東から西に向かうと手前で橋を渡るので、先の南北に通る道路は良く見通せる。
土手に桜並木が有るが、決して視界を遮っているというほどのものでもない。



 逆方向から進入する場合、両側の角の住宅がブロック塀を構えているが、どちら
も十分な面取りがされているし、交差する道幅も結構広いので、ゆっくりと通り抜け
さえすれば見通しが悪いとは思えない。



 南北道路を通る場合も同様、片側は川沿いでそれ越しに、交差するその道路の
状況は良く見通せる。反対側は住宅が建っているが、カーブミラーも有り、交差点
の見通しが悪いわけでも無い。



 交通量が格別に多いというわけでも無い。
朝夕はともかく、日中の通行はむしろ少ないと言える通りである。なのに、どういう
わけかここでは、日中に車同士の出合い頭の衝突事故が絶えないのだ。

 幸いなことに大きな人身事故には至っていないが、それでも何度か救急車の出
動を目にしている。
大事な車を大きく損傷させていたりして、決して小さな接触事故ばかりでは無い。
詰まる所は、自分は大丈夫と言う油断、もしくは危険かも・・と言う注意さえ思い浮
かべないということなのか・・・。(続)


(写真:「博物館 明治村」 本文とは無関係)




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横断歩道で

2015-05-27 | Weblog
 前方の信号機が赤に変わったので、停止線に合わせ静かにブレーキを踏んだ。
左から中学生が、車が止まったことを確認し自転車をこぎ始めた。
ふとその時、対向車線を見ると・・何と、そこにはとんでもない驚愕の光景が!!



 車の往来の多い片側一車線の幹線道の右手には、大型スーパーが立地し、それ
を取り巻く住宅団地から延びる道路がT字形に接する交差点、朝夕は、徒歩や自転
車通の小・中学生で賑わう通学路だが、日中利用する人は少ない横断歩道でのこ
とである。



 今まさに停止線を越えて、白い乗用車が交差点に進入してきた。
ドライバーは・・と見ると、顔は明らかに前を見てはいない。
何か話に夢中な様子で、赤信号には全く気付いていないようだ。



 ヤバイッ!咄嗟に数回、断続的に、激しくクラクションを鳴らした。
ハッと気付いたようなドライバー。
激しいブレーキ音が響いて、車体を震わせながら、頭をやや中央に向け、横断歩道
の手前で停止した。危険を察知した中学生は、サドルから腰を浮かせ立ちこぎの状
態で、大きく右に膨らむように回避した。
スローモーションのような光景であるが、瞬間的な出来事である。



 停止線は、団地から延びる道路の向こう側に有り、その道幅が横断歩道までの距
離を稼でいるので事故は免れたのだ。



 「危なかったね」とでも話しているのか、女性ドライバーは同年代と見える助手席
の女性と顔を見合わせている。苦笑いなのか、少しの笑みを浮かべながら次の瞬
間何事もなかったかのように走り去っていった。(続)


(写真:「博物館 明治村」 本文とは無関係)




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清水魚市場・河岸の市 (JR乗り潰しの旅)

2015-05-25 | Weblog
 ドリームプラザから清水駅東口には、無料のシャトルバスが毎日運行されている。
およそ一時間に二本程度、休日にはさらにその倍近い本数が運行され、これは観
光者でも気軽に利用できる。



 そんなバスで清水駅に戻り、列車の待ち時間を利用して、近くの「河岸の市」を訪
ねてみた。目的はやはりそこにある「まぐろ館」で美味しいマグロを頂くことだ。



 清水港は日本では有数のマグロ水揚げ港で、国内で消費されるマグロの半数は
この港に挙げられたものだと言う。
 そんな地に立つ「清水魚市場・河岸の市」は、港の仲卸業者が寄り集まって運営
する魚市場で、ここは観光客に限らず地元の台所としても評判で、年間100万人以
上もの人が来場すると言う。



 「いちば館」にはおよそ20もの店が立ち並び、新鮮な魚介類や海産物などが、観光
客との駆け引きも楽しく、また勢いよく売りさばかれている。
また、「まぐろ館」は、新鮮な海の幸が安価で堪能できどの店も外れが無いとあって、
メニューも豊富な食事時ともなると店先にも行列が出来るほどだ。


 
 清水の駅前に昔ながらの「清水駅前銀座商店街」が有る。
ここには各商店の店先に無料で、誰でも利用できるレンタル自転車が置かれている。
何年か前に訪ねた折にはそんな一台をお借りして、市内各所を巡ってみた。



 ここ清水港は、鬼より怖い清水の次郎長親分のお膝元である。
市内には生家や所縁の船宿などの見所があり、それらを巡るのには本当に重宝した。
再訪してみたかったが、残念ながら列車の時間が迫っている。(JR乗り潰しの旅・完)




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ドリームプラザ (JR乗り潰しの旅)

2015-05-22 | Weblog


 頭を雲の上に出した富士山に迎えられたフェリーは、定刻清水港に入港した。
接岸作業が終わり、次々と車が岸壁に吐き出され、思い思いの方向に散って行った。
車を持たない乗客の多くは、デッキを降り導かれるままに船に横づけされた「フェリー
シャトルバス」に乗り込んでいく。



 駿河湾フェリーは、港から清水駅東口まで、発着時刻に合わせて無料のシャトル
バスを運行している。このうち清水駅に向かう便は、途中「ドリームプラザ」と言われ
る複合商業施設を経由する。





 ドリームプラザとは、清水港のフェリーターミナル近くにある複合型テーマパーク
のことで、正式には「エスパルスドリームプラザ」と言う。
先ほどまで乗ってきたフェリーの船上から、清水港への接岸間近、前方に見えてい
た大きな観覧車のある施設で、サッカーの清水エスパルスの運営母体の関連会社
が営んでいる。



 静岡県内のお土産や名産品、名菓などが並ぶ専門店や、新鮮な魚介類が売りの
「清水すし横丁」、すしについて学べる「清水すしミュージアム」、更には人気アニメ・
ちびまる子ちゃんが楽しめる体験型の「ちびまる子ちゃんランド」、映画館、観覧車、
フットサル場などが揃うアミューズメント施設である。
目前にはヨットハーバーが広がり、その先湾越しには富士山を望むことも出来る。





 こんなドリームプラザにも清水駅東口との間で無料のシャトルバスが運行されてい
るので、それらを上手く組合わせれば車など足が無くてもこの施設の利用は可能だ。
そんなわけで、帰路このドリームプラザに立ち寄って見た。(続)





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駿河湾フェリー (JR乗り潰しの旅)

2015-05-20 | Weblog
 静岡県の清水港と、伊豆半島西海岸の土肥港を結ぶフェリーの最大な売りは、
何と言っても駿河湾を横断しながら望む富士山の雄大な眺望だ。
天候に恵まれさえすれば、海岸線からせり上がり山頂まで、その優美な姿を一望に
見通す絶景が期待出来る。





 定刻に、多くの車両と乗客を乗せ、土肥港を出港した。ほとんどが観光客のようだ。
お目当ては、やはり富士の絶景であろうか。
しかしこの日は時折日差しが差しあり晴れてはいるが、何となくどんよりと薄く霞んだ
ような日で、空には濃紺色や灰色白い千切れ雲が所々で重なるように浮かんでいる。



 出港して早40分ほどが経過した。
甲板では、春先の心地よい潮風を受けながら、多くの乗客が富士の姿を探し求めて
いる。既に駿河湾を半分以上は渡り終え、行く手には清水の町とその背後に聳える
山々が、一段と大きく、はっきりとその黒い姿を見せている。



 乗客が、上空にゆっくり視線を巡らしながら、青い空の中を探して求めていたその
時、どこからか「見える見える、ほら、あそこ、あそこ」と声が上がった。



 乗客の視線が一斉にその指の先に集まり、「ほんと、ほんと、見える、みえる・・」、
ダメかと思っていた矢先だけに誰もが興奮の様子だ。



 船内に飾られた写真程ではないが、山影の奥はるか上空に、雪を頂いた山頂付
近が“頭を雲の上にだし~♪”状態によく見える。
その後も富士は、航海中ずーっと付かず離れず行く手前方に姿を見せ、乗客の期
待に応えてくれた。(続)


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海上県道223号(JR乗り潰しの旅)

2015-05-18 | Weblog


 土肥金山の出口付近には、こんもりとした盛り土にアロエが沢山植えられていて、
赤い花が咲いていた。
アロエは12月の中頃から1月にかけて花を咲かせるようで、この時期に成ると半島の
あちこちで見られ、早い春を楽しむことが出来るらしい。



 暖かい土肥温泉では、梅の花に混じって、早咲きの桜も咲いていて、いかにも温
暖な地らしい。
しかし温泉街には桜並木は無いというから、何とも勿体ない気がしてしようがない。



 2013年6月、日本を象徴する「富士山」がユネスコの世界文化遺産に登録された。
以来登山は勿論のこと、周辺各地の富士を望む眺望の地が、何かと話題になりマス
コミなどがしきりに取り上げているが、ここも密かな穴場とし知られ始めているらしい。



 それは静岡県の清水港と伊豆半島西海岸の土肥港を結ぶフェリーの航路で、ここ
には駿河湾フェリーが一日四往復就航していて、この間約31キロ、65分の船旅が楽
しめる。
その最大な売りは、何と言っても船上から望む富士山の眺望で、これが俄かに脚光
を浴びていると言う。



 そんな中、静岡県は「海上県道223(フジサン)号」を開通したと発表した。
これは清水港と土肥港を結ぶフェリーの航路を、観光目的で海上の「みち」として県
道に認定し、新たな観光資源として期待しょうとするもので全国でも珍しいことらしい。



 伊豆地域と駿河湾を隔てた静岡市周辺が、一体となって観光の交流を図り、周遊
ルートなどの開発を進めようとする狙いが有りそうだ。(続)



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土肥金山(JR乗り潰しの旅)

2015-05-15 | Weblog
 温泉街の中心にある松原公園の横には、漂泊の詩人と言われた「若山牧水」の
銅像が建っている。着物に帽子を被った姿は、当時の旅装であろうか。



 牧水は、この土肥の地をこよなく愛したのだそうだ。
定宿を持ち、再三この地を訪れていて、その宿泊数は延べ100泊近くにも及んだと
言われ、多くの旅情溢れる作品を残している。
 この碑には「花のころに 来なれて よしと思へりし 土肥に来て見つ その梅の
実を」と刻まれていて、大正14年の作という。





 ここから500mほど温泉街を歩いたところに「土肥金山」が有る。
1370年代から金の採掘がおこなわれた歴史を持ち、かつては日本有数の金の産
地として知られ、江戸・慶長年間に第一期の黄金時代を、その後明治から昭和
にかけては第二期黄金時代を迎え、佐渡金山に次ぐ生産量誇ったという。



 その後昭和30年代には採掘すべき鉱石が枯渇、終に昭和40年に閉山し、昭和
47年に坑道を公開し、観光施設に生まれ変わった歴史を持つ。



 公開されている坑道の長さは凡そ350m、途中には電気仕掛けの等身大人形が、
江戸時代の採掘の様子を再現していて、30分ほどで見て回ることが出来る。



 坑道を抜けると、山で作業中の坑夫と親方の怪しげな会話が聞こえてくる・・・と
思ったら、どうやらこの地の方言による会話らしい。



 併設された黄金館には、ジオラマで再現した江戸時代の様子や、金鉱石、金
製品の展示があるが、中でも見ものは重さ250Kgの金塊、時価10億円を超える
と言うからため息が出る。(続)




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土肥温泉(JR乗り潰しの旅)

2015-05-13 | Weblog


 伊豆半島の西海岸に位置する土肥は、駿河湾に面し、土肥山川の川岸に開け
た温泉と金山の町である。
気候の温暖な地で、二毛作に適した肥沃な土壌を持ち、良く肥えた土の場所であ
ることから「土肥」という地名が付けられたとか。



 目の前に広がる駿河湾越しに、南アルプスの山々や富士山、さらに温泉町を取
り巻く天城山系を望む雄大な景色の美しさには定評がある。



 海岸美と山岳美、これらの自然環境を茜色に染め上げて沈む夕日の美しさも格
別で、温泉街にある松原公園や、恋人や夫婦連れなどには「恋人岬」、ファミリー
向けには「旅人岬」などが、その絶景スポットとして知られている。



 温泉は6本の源泉からカルシウム・ナトリウム硫酸塩、塩化物泉などが湧き出て
いて、それを町が集中管理し、各旅館に配湯しているのだそうだ。
 そんな温泉街には四つの共同湯や足湯、50軒を超える旅館・ホテル・民宿・ペン
ショプなどが有り、その規模は西伊豆では一番大きい。



 温泉街の中心に位置する松原公園には、巨大な花時計がある。
温泉のシンボルとなっていて、直径が31m、長針が12.5m、短針が8.8mも有る大き
なもので、ギネスに世界一と認定されたものだ。
時計は五千株を超える季節の花々で飾られていて、正午には電子チャイムのメロ
ディーが流れるらしい。
またその周りは小石を敷き詰めた歩道に成っていて、裸足で歩けば足裏マッサー
ジが出来る。(続)





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駿河湾の景観(JR乗り潰しの旅)

2015-05-11 | Weblog


 大した予備知識もないまま訪ねた「長八美術館」ではあったが、数々の素晴らし
い鏝絵の作品に圧倒され、その余韻を残しながらバスで今晩の宿を取っている
土肥温泉に向かう。



 下田から半島西海岸に向かうバスの多くは、ここ松崎かその先の堂ヶ島が終点
である。
その先の土肥温泉や修善寺温泉方面に向かうには、ここで修禅寺行や三島駅行
のバスに乗り換えることに成る。

 松崎の町並みを抜けたバスは、左手に駿河湾の碧い海を見下ろしながら、国道
136号線を北上し、20分ほど走ると車窓から堂ヶ島の景観を望むことが出来る。





 断崖や浸食された岩々が造りだす多島美で知られたところで、「伊豆の松島」と
もたとえられる景勝地だ。
付近には温泉も有り、大きなホテルも幾つか立地している。
島めぐりの遊覧船も出ていて、西伊豆を代表する観光地ではあるが、残念ながら、
途中下車するだけの時間的な余裕もないので、ここは車窓から眺めるだけだ。



 地図を見るとバスの進む先、北の方角の駿河湾を隔てた先に世界遺産の富士
山が聳え立っていることが解る。
車窓から駿河湾越しの富士山が見えるのではないかと目を凝らしてみるのだが、
そのあたりと思われる方向には真っ白な雲が幾つも垂れ込めていて、その姿を
隠している。



 「富士さんは、富士さんは?」とヤキモキしながら途中、夕陽を眺めるスポットとし
て知られる黄金崎、恋人たちが集う恋人岬などの名所をやり過ごし、バスは一時間
足らずで土肥温泉に到着した。(続)




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伊豆の長八美術館(JR乗り潰しの旅)

2015-05-08 | Weblog
 松崎の文化とも言えるなまこ塀や漆喰、それを用いた鏝絵を知るには「伊豆の
長八美術館」が良い。
地元で生まれた左官職人・入江長八の作品を集めた美術館で、多くの芸術的な
作品を間近で見ることが出来る。



 何よりもまず建物が目を引く。
敷地内にある建物は、全国から集まった腕自慢の左官職人によるもので、江戸や
明治の面影を伝える中で、近現代的な展示館の建物が異彩を放っていて、その対
比が面白い。



 入館すると「ルーペ」を手渡される。
一瞬訝って担当者に聞くと「これで作品をじっくりと鑑賞してください」とのことだ。
「大げさな・・」と高をくくっていたが、数々の鏝絵を見て驚かされる。





 鏝絵と言うから大きな鏝で大胆に塗りたくっているのかと思ったが、そうではなく、
想像を絶するような細工が施されている。
糸のように細く伸ばされ、幾重にも重ね立体的に盛り上げられていて、まるで極細
筆で丹念に線を引いたようで、どれも緻密で繊細に描かれている・・と言った表現が
良いのかどうか。





 描かれた作品は、彩色されてはいるが、平面的な絵画とは違い、塑像と言った方
が良いのかもしれない。
こんな鏝絵は、左官の技の域を超え、まさに完成された一体の芸術作品である。

 美術館とは道路を隔てた反対側に、長八の菩提寺・浄土真宗の「淨感寺」がある。
ここは「長八記念館」となっていて、「雲龍・飛天の図」「八方睨みの龍」など長八の
天井絵や漆喰の細工物などの作品を見ることが出来る。(続)






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