簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

なまこ壁の町(JR乗り潰しの旅)

2015-05-06 | Weblog


 那珂川の畔に建つ「明治商家 中瀬邸」の前には、面白い形をした「時計塔」が
建っている。
この地に数々の作品を残している建築家の石山修武氏の作品で、「ありえない時刻
にこの松崎の風景を、前を流れる川面に映し出す」と言うものらしいが、この奇抜な
デザインの趣旨も、氏がどういう人物かも理解できていない凡夫の身が残念だ。



 そしてその前の川に架かる橋が「ときわ大橋」で、これらは何れも松崎の文化を
象徴する独特の雰囲気を醸し出しているという。



 町中の生活道路に架かるごく普通の「ときわ大橋」ではあるが、なまこ壁をイメー
ジした白い欄干はくり抜かれた部分の黒とのコントラストが特徴的で、さらにブルー
地を背景に鮮やかなピンクの桜が描かれていて、そこにツバメが舞っている。
これらは漆喰で丹念に描かれたもので、漆喰・なまこ壁の町らしい。



 この辺りには「なまこ壁通り」が有り、懐かしい明治の雰囲気を楽しめる。
建物正面の丸いステンドグラスが印象的な「旧松崎警察署」、我が国の薬学界の
権威と言われる「近藤兵三郎博士の生家」や、旧呉服屋の建物「伊豆文邸」など、
松崎を代表するなまこ壁の美しい建物の景観はどれも見応えが有って素晴らしい。



 「旧松崎警察署」は観光案内所として、また「伊豆文邸」は無料休憩所として内部
が公開されていて、当時の商家の面影を偲ぶことが出来る。
建物わきには「小さな公園」が有り、足湯が設けられている。(続)







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西海岸・松崎町(JR乗り潰しの旅)

2015-05-04 | Weblog




 再び歩いて大沢温泉口まで戻るつもりであったが、この野天風呂前のバス停に
少しすると松崎行きのバスが来ると教えられ待つことにした。
 運よく日に5本程度しか入ってこないバスに巡り合えたようだ。
これからそのバスに乗って半島西海岸の松崎を目指す。30分ほどの行程である。



 伊豆半島南西部、いわゆる西海岸に位置する松崎町は人口七千人余りの小さ
な町である。
那賀川下流域に開けた平野が広がる町のキャッチフレーズは「花とロマンの里」。
 町内では田圃を使った花畑での花摘みや、町を取り囲む山々のツツジやシャク
ナゲが知られていて、立ち寄った大沢温泉の周辺は、桜の名所の一つらしく、他
にも桜の名所がいくつかあるらしい。
 そんなことからか、桜餅に使われる塩漬け桜葉の生産シェアは全国一で、七割
を超えているというから驚かされる。



 町中には松崎温泉があり、他にも雲見温泉、石部温泉や立ち寄った大沢温泉な
ど豊富ないで湯に恵まれたちころでもある。
 また町の中心部には、懐かしい明治の面影を残す町並みが有り、中でも見もの
は、なまこ壁を張り巡らした古い家屋敷や漆喰を使った鏝絵で、これらは町中のい
たるところで目にすることが出来る。



 那珂川の畔に建つ「明治商家 中瀬邸」は、明治の初期に建てられた呉服商の
建物で、今では町の観光案内や資料館などインフォメーションセンターとなってい
て、観光の拠点となっている。(続)






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奥伊豆の秘湯・「山の家野天風呂」

2015-05-01 | Weblog
 奥伊豆の山の中にある秘湯「大沢温泉山の家・野天風呂」を訪ねてみる。
下田の駅前から、堂ヶ島行のバスに揺られる事40分余り、大沢温泉口でバスを
降りる。





 池代川の土手に植えられた桜並木のつぼみはまだ固い。
鳥のさえずりに耳を澄まし、瀬音を聞きながら渓流沿いの道を歩くこと15分ほど、
山際を流れる川に架かる時代掛った木造の橋が見えて来る。



 橋の向こうには、木立に埋もれるように、赤茶けたトタン葺の建物が建っている。
300年の歴史を持つ自噴温泉、天然掛け流しの秘湯「大沢温泉山の家・野天風呂」
である。



 橋を渡り、管理するおばちゃんに入浴料(500円)を払い風呂に向かう。
石段を上がると小さな木造りの申し訳程度の脱衣所が有る。入口に掛けられた男
女別の暖簾をくぐるともうすぐ目の前は野天で、風呂が目に飛び込んでくる。



 天然の岩盤と河原の大小の玉石を組んで作られた湯船には、湧き出る無色透
明のお湯が満々と満たされている。
癖のない弱アルカリ性のお湯で、肌を美しくすると言われる「化粧の湯」だ。



 以前は一つの浴槽で混浴であったようだが、今は中央に竹で拵えた仕切りが男
女を分けている。
湯船に浸かると目の前には急峻な山肌が立ち上がり、大小の雑木や山草が手の届
く位置まで迫っている。翻ると目の下を池代川の清流が流れ、その向こうの道路まで
何もなく見通せる。何とも開放的で野趣あふれる風呂である。

 川を見下ろす畳敷きの部屋で、湯上りに、休憩がてら飲む冷えたラムネが何とも
美味で有った。(続)





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