簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

ライン下りの拠点・天竜峡駅 (JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-02-26 | Weblog
 飯田線は久しぶりにその右岸に渡り、国道474号線を超えると、天竜
ライン下りの出発地のある天竜峡駅に定刻の14時13分に到着した。
ここでは3分間停車する。

 ここまで来ると標高は400m近くになり、始発の豊橋からは116.2㎞、
これまでに凡そ3時間半を要しているので、時速で言えば33㎞ほどで来
たことになる。

 観光地の駅らしく、全ての普通列車と特急列車の停車駅で、2面3線
を持つ有人駅である。
ホームには、ライン下りを模した舟の模型と、マネキンも置かれていて、
観光地らしく旅情を掻立てている。






 
 駅の周りは賑やかで、ライン下りの乗船場が有り、近くには土産物
店や観光ホテル等の建物も見える。
ここには温泉地で天竜峡温泉「ご湯っくり」もある。

 ライン下りは、ホームから見える姑射橋を渡った袂から出ている。
一日に数便の設定で、ここから先ほど通り過ぎてきた唐笠港までの間、
およそ10㎞を50分程かけて下る。
天竜峡は春の桜や新緑の頃、紅葉のシーズンが特に良いらしく、更に
こたつ舟が運航される冬の時期でも楽しめるという。







 前回飯田線に乗車した折は、この駅で乗り換えをした。
飯田線の途中駅ではあるが、当駅止まりの普通列車も多い。
長野県南部にあって、北と南方面への結節点、接続駅と成っている。

 折角ライン下りの最寄り駅にきたものの、残念ながらライン下りの
経験は未だ無い。前回も乗り換えの僅かな時間に、駅前に出ただけだ。
もう一度来る機会があれば是非ライン下りを・・等と考えている間に、
列車は次の停車駅・川路に向けて出発した。(続)




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唐笠駅と唐笠港 (JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-02-24 | Weblog

 飯田線の列車は、やがて唐笠駅に到着する。
駅の前の空き地に、二台のマイクロバスが停まっている。
車体を見ると「天竜ライン下り」の赤い文字で書かれていた。



 これはこの駅の直ぐ横には、天竜川船下りの船着き場・唐笠港があり、
川下りをした観光客を出発地に送り届けるバスのようだ。
駅近くには、観光客向けと思われる食堂のような建物も見えている。



 駅には川下り用に立派な待合室が見受けられるが、他には小さな駅舎
らしいものが有るだけで、ホームには何の施設もない。
有名なライン下り観光の拠点駅なのに、意外なほどに賑わいの感じられ
ない寂れた駅のようである。



 どうやら多くの客は、マイカーや観光バスで訪れるかららしい。
ライン下りを楽しみ、ここに上陸するとすぐにマイクロバスで、出発地
まで戻るようで、オンシーズンでも鉄道の利用者は極めて少ないと言う。
列車の本数が少なく、ライン下りの出発や到着には接続もなく、時間的
にも合わないので効率も悪いのであろう。



 左手には幾分川幅の狭まったライン下りの天竜川を眺め、相変わらず
トンネルを幾つも抜け、その先の金野、千代と停まりながら先に進む。
周辺に人の住む気配が感じられない場所で、これらの駅は、何れも一部
の普通列車さえ通過する秘境駅である。



 このように時刻表には忠実に、また律義に発・停車を繰り返す列車で
はあるが、いつの間にか駅での人の乗り降りはほぼなくなっている。
停車時間も極めて短く、扉が開いたかと思うと直ぐに閉まり、発車する。

 気が付けば車内の乗客も数えられるほどで、多くはカメラやビデオを
抱え、絶好のアングルを求め車内を行き来する、鉄道ファンらしき人達
ばかりが目立っている。(続)





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泰阜ダム湖 (JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-02-22 | Weblog


 次は温田(ぬくた)駅に停車する。
1面2線の島式ホームを持つ駅で、飯田線の駅の中では比較的利用者が
多い方の駅である。近くには警察署や病院も有り、県立阿南高校の最寄
り駅で、駅前には路線バスが乗り入れ、通学の利用が多いという。



 次の田本駅は、ホームの前後をトンネルに挟まれ、駅舎らしい建物も
なく、ホームに待合室があるだけの小さな無人駅である。
ホームの背後はコンクリートと金網の擁壁で、反対側は天竜川に面した
断崖である。



 周辺に大きな集落は無く、駅前を流れる川に橋が架けられていない。
直接駅に至る道路もなく、山越えの道しかないらしい。
従ってここで乗車する人は殆どいないと言う。

 どうして駅が存在しているのかと疑問に思えるほどの環境で、ここは
為栗と同様、一部の普通列車さえ通過する秘境駅である。



 豊橋からは107.9㎞、門島駅まで来ると標高は350mを越えている。
駅は昭和6(1931)年に近で着工した泰阜(やすおか)ダムの建設用
資材を輸送するためにその翌年に開設されたらしい。
当時は、天竜峡間で開通した三信鉄道の終着駅であった。
その名残か2面2線のホームを有する駅の敷地はかなり広く、空き地は
レール置き場になっている。



 駅を出るとすぐにトンネルに入るが、丁度その辺りの左側に堤高50m
と言う重力式コンクリートのダム本体が有るはずだが、残念ながら見る
ことは叶わない。
トンネルを出ると、左手に満々とエメラルドグリーンの水を湛える泰阜
ダム湖を目にする事が出来るが、一瞬のうちにまたトンネルに隠される、
車窓はそんなことをくり返している。(続)





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飯田線の難読駅 (JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-02-19 | Weblog

 良くは知らないが同じ漢字圏でも中国や韓国等は、一つの漢字の読み
は一つしか無いらしい。
ところが日本語で使われる漢字には、幾つもの「読み」が存在する。
しかも中には、その地方だけの独特の読みがあったりもする。
結果日本全国にややこしい難読地名、難読駅名が存在することになる。





 飯田線の平岡駅の次の停車駅は、為栗である。
是もそんな難読駅の一つと言われ、「してぐり」と読む。
JRの駅名は「ぐり」と濁るが、近くに架かる「為栗橋」は、「してく
り」と濁らない。
同じ所在でも、このように違うこともあるようだ。





 この為栗も難しいが、平岡の手前の鴬巣も「うぐす」とはなかなか
読めない。1面1線の単式ホームを持つ地上駅だが駅舎は無く、小さ
な待合室がホームにあるだけだ。
駅は天竜川とその岸辺にひっそりと佇む集落を見下ろす高台に有る。

 余談になるが、宮崎県日南市には同じ漢字表記で、「おおさ」と読ま
す港町があるがとても読めたものでは無い。
 真意の程は知らないが、むかし閉鎖性の強い民人が、集落に入り込む
余所者を見分ける為に、敢て難しい読みにした名残との説もあるらしい。





 これまでに通り過ぎてきた駅では、
出馬は「いずんま」、
水窪は「みさくぼ」、
大嵐は「おおぞれ」が有り、
この先にも温田は「ぬくた」、
駄科は「だしな」、
毛賀は「けが」、
沢渡は「さわんど」など、難読と言ってもいい駅名が幾つもあり、
さらに鼎は「かなえ」とよむが、書くことも中々に難しい。
この路線には、94もの駅が有るだけに、このように難読と言われる地名・
駅名も多いようだ。 (続)




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橋と駅(JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-02-17 | Weblog


 平岡の町並を眺めながら進み、家並みが途切れるとトンネルに入る。
丁度その辺りの東方に平岡ダムがあるが、車窓は暗闇が続いている。
一瞬車内に明かりが戻ると期待を持たせるが、直ぐに又トンネル入りで、
こんなことをくり返しながらの車窓は中々楽しむことも出来ない。



 地図で確認すると飯田線は、佐久駅を出た辺りからは、蛇行する天竜
川の本流を鉄橋で越えることも無く、ひたすら左岸(東岸)を忠実にな
ぞるように山際に沿って北上する。
それはこの先の千代駅を出た辺りまで続くので、車窓を楽しむならこの
間では、やはり進行方向の左側に席を占めたい。



 とは言え線路は、等高線の間隔の詰まったこんな厳しい地勢に敷設さ
れているので、長短幾つものトンネルを抜けることに変わりはない。
それだけに、トンネルが途切れ、目眩ましの後に訪れる、一瞬の開けた
風景は新鮮で、ローカル線の趣を満喫させてくれる。



 平岡の町外れで、連れ添ってきた国道は東に逸れ、変わって県道1号
線が天竜川の蛇行に沿って北上する。
左岸を行く鉄道とは反対の右岸に沿った道である。

 仲を取り持つのは天竜川ではあるが、そこに架かる橋を車窓からは滅
多に目にすることはない。
たまに橋が見えてくると、やがてそこには駅があり、列車が停車する。



 為栗もそんな駅の一つである。
嘗ては川岸に集落も有ったらしいが、平岡ダムの完成で水没し、いまで
は民家らしいものは何も無い。
この駅の乗車人員は極めて少なく、一日平均数人程度という。

 多くの場合、駅前には川を跨ぐ橋が架けられているが、この駅には、
自動車で渡ることの出来ない橋しかない。(続)





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温泉直結・平岡駅 (JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-02-15 | Weblog


 相変わらずのトンネルの連続でそんな中、次の鴬巣駅に停車する。
駅を出ると直ぐにまた長い藤沢トンネルに入り、抜ければ次は平岡だ。
秘境駅の多い飯田線にあっては、比較的大きな駅で、町中には天龍村役
場があり、中学校を初め、病院や郵便局、図書館などの生活インフラが
揃っている。



 この鴬巣と平岡の間の鉄道は、嘗てはもっと川岸を通っていて、短い
トンネルと橋梁の連続する区間であったが、昭和50年代にこのトンネル
を抜けるルートに付け替えられている。
車窓左側には、そんな旧線の橋梁を見ることも出来る。



 飯田線には唯一の特急「ワイドビュー伊那路」が、豊橋と飯田の間に
一日二往復設定されている。
その停車駅は、豊川、新城、本長篠、湯谷温泉、中部天竜、水窪と続き、
次がこの平岡で、その先温田、天竜峡に停まり飯田に至る。



 駅には温泉・宿泊施設である「ふれあいステーション龍泉閣」が併設
されている。駅の改札が、宿泊施設の受付と一体になっているらしい。
4階建ての立派な建物で、1階がレストラン、2階にJRの駅とホテルの
フロントがある。駅前を通る国道418号線からは、少し階段を上がった
2階に向かうことになる。



 建物の3階が客室で、4階は立ち寄り湯の出来る温泉となっている。
温泉は、近くの天竜温泉「おきよめの湯」から、アルカリ性単純温泉を
運んでいるらしい。

 立ち寄り湯の利用には、時間的な制約もあるようだが、入浴可能な時
間帯なら、他の駅での停車時間を縮め、どうせならこの駅で1時間位停
車してくれれば良いのにと残念に思う。(続)





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4分間停車・ホームでの会話 (JR乗り潰しの旅・飯田線)(2021/02/12)

2021-02-12 | Weblog


 静岡県から県境を越え、長野県に入ると、その最南端に位置するのが
中井侍駅だ。「どう読むのか・・・」と、思ってしまうが、そのもので
「なかいさむらい」と読む。
狭いホームには、コンクリートで覆われた急斜面の崖が迫っている。
そんな乗客もいない山間の駅にも、列車は律儀に発停をくり返している。



 相変わらずのトンネルの連続で、左手に流れる天竜川が時折思い出し
たように顔を出す。やがて伊那小沢に到着し、ここで4分の停車がある。
前後をトンネルに挟まれた地であるが、ここは2面2線あり、行き違い
が出来る駅である。
ホームからは対岸の国道418号線に通じるコンクリート製の水神橋を望
むことが出来る。



 豊橋を出てここまで、凡そ3時間が経過している。
是までも幾つかの駅で、長時間の停車が有り、そのたびに一部の乗客は
ホームに出て、手足や腰を伸ばしホームを行き来する姿を見せていたが、
その頃は、誰もが他人には無関心で、己の殻にこもっている風であった。



 しかし、さすがにこの辺りまで来ると停車時にホームで寛ぐ面子も限
られてくる。そうすると不思議なもので、何となく同類の仲間意識みた
いな物が芽生え、互いにその存在を意識し合い、何時しか距離が狭まり、
顔を合わせ、ごく自然に馴染んで行く。



 向かい側を見ると、道路の白いガードレールも見え隠れしている。
近くには、僅かながら人家も見えるが、人の気配は感じられない。
目の前は山並みをぬって流れる天竜川だ。

 そんな秘境とは言われぬ長閑な山里の風景を眺めながら、ホームでは
同好の見知らぬ士との会話が生まれ始めている。(続)





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飯田線の秘境駅 (JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-02-10 | Weblog
 秘境駅訪問家牛山隆信氏が公開する「秘境駅ランキング2020年度版」
によると、小和田駅は第3位(評価90点)に位置づけられている。

 周囲はほぼ無人地帯で、ホームはトンネルに挟まれ、目の前は天竜川、
背後は厳しい山の崖、駅に行き着く道路も無い(一般道から徒歩1時間
程で行くことは可能らしい)などから、「秘境度」「雰囲気」の評点は
満点である。

 ランク1位の小幌駅(室蘭本線・94点)や2位の尾盛駅(大井川鐵道・
91点)に及ばなかったのは「列車到達難易度」の評点が低いためだ。





 「秘境度」というのは駅周囲の自然環境による判定で、「雰囲気」は
駅を含めた周囲の心象風景を20点満点で点数化している。

 「列車到達難易度」は、発着する本数が少ないほど高得点を得る。
同様に「外部到達難易度」は列車以外の手段で行けるかどうかが判断材料
になっている。
更に「鉄道遺産指数」というのがあり、駅にある鉄道遺構も評価の対象だ。
この5項目は各20点の配点で、合計100点でランキングを行っている。





 今現在、小和田駅に停車する列車は、岡谷方面行きが9本、豊橋方面
行きが8本だ。
因みに北海道の小幌駅は岩見沢方面行きが2本で長万部行きが4本有り、
静岡県の尾盛駅は井川方面行き千頭方面行き共に5本の列車がある。
(2020年5月現在)





 同ランキングの50位までを見ると、飯田線では小和田駅に次ぐのが
6位の田本駅(85点)である。
「秘境度」「雰囲気」は小和田と遜色なく満点だが、唯一ホームの待合
所が新しいのが評価を下げているようだ。

 この後に、金野駅7位(80点)、
中井侍駅11位(66点)、
為栗駅14位(63点)、
千代駅23位(52点)、
伊奈小沢駅75位(26点)
相月駅92位(22点)と続いている。(続)




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恋愛成就・小和田駅 (JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-02-08 | Weblog
 左手に佐久間湖を眺めながら、と言うよりも、殆どがトンネル区間で、
それらを抜けた僅かの間に湖が見えるのではあるが、大嵐駅からは凡そ
5分で小和田駅に到着する。
ここも山深い地で、ホームの前後はトンネルに挟まれている。



 幅の狭い1面1線のだけの駅で、背後まで山が迫り、目の前はダム湖
である。かつて2面2線の駅であった名残のホームが、線路の外された
状態で山側に残されている。
駅の所在は静岡県浜松市天竜区であるが、愛知と長野の県境が目の前の
天竜川上に有る為、ホームには三県の方向を示す道標が置かれている。



 以前は駅前にも集落があったが、佐久間ダムの完成で水没し、結果的
に集落も無くなり、駅への取り付け道路も無くなってしまった。
地図で確認しても駅に通じる道路を認めることが出来ない地で、鋪装さ
れた道路まで出るには、山道を1時間ほど歩かないと行けないらしい。



 1993年当時の皇太子が成婚の折、皇太子妃の旧姓・小和田と同表記
で有ることから、村ではお祝いの提灯行列が行われたという。
そんな恋愛成就にあやかろうと、その頃は駅を訪れる人々で賑わい、駅
では結婚式が行われた事も有ったらしい。



 しかしブームも今は去り、駅は静けさを取り戻しているようだ。
ホームにはその当時使ったベンチなどが残されているらしいが、短い停
車時間ではそれを見付けられず、写真を撮ることも出来なかった。



 一体誰がどうやってこの駅を利用するのか不思議な駅である。
今では近くに住民もいず、その利用は殆どいないと言うから、この駅の
利用者は物好きな鉄道マニア位で、他にいるとすれば恋愛成就にあやか
ろうという人だけのようだ。(続)





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国定公園玄関駅・大嵐駅 (JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-02-05 | Weblog


 飯田線は佐久間駅を出ると一旦天竜川から離れ、東寄りに進路を取り、
国道152号線に出会い、併走するように北上する。
幾つかの駅を過ごし、水窪駅を出た辺りで進路を西に取り、大嵐駅の辺
りで、再び天竜川に沿って北上する。



 嘗ては佐久間駅からそのまま天竜川に沿って北上し豊根口、天竜山室、
白神という駅が有ったが、佐久間ダムの完成により水没する為、線路が
付け替えられた。
その結果、相月、城西、向市場、水窪の各駅が置かれ、長大なトンネル
の連続する区間に変貌した。



 城西を出て、第一久頭合トンネルを抜け、向市場や水窪の駅を経て、
その先で飯田線では最長の大原トンネル(5,063m)を抜けるとやがて
大嵐(おおぞれ)駅である。

 駅は静岡県に位置し、1面2線の島式ホームがあるが、その前後は
トンネルに挟まれていて、勿論無人駅である。
駅前に鷹巣橋という吊り橋が架けられていて、対岸に渡れば愛知県の
富山集落もある。



 そんな事情もあってか、失礼ながら辺鄙な山間の駅にしてはモダンな
「みんなのやすむところ」と名付けられた建物が山を背に建っている。
石と赤いレンガを用いた作りは、東京駅を模したものだといい、平成9
(1997)年に地方交付税などを使い建てられた。



 この建物はJR東海のものでは無く、正式には所有者が愛知県豊根村で
あるから、駅舎では無く、単なる休憩施設なのだそうだ。

 周辺一帯は、「天竜奥三河国定公園」で、湯の島温泉も有り、登山や
ハイキングに訪れる観光客の鉄道利用が見込めるのであろうか。
しかし、温泉までは徒歩で30分、バンガローなら60分もかかるらしく、
その為、駅には無料のレンタサイクルが用意されているという。(続)





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