簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

手造りの岩風呂(JR全線乗潰しの旅)

2010-08-30 | Weblog
そんな親父がある日、丁度大人の頭ぐらいの石を沢山家に持ち込んだ。
どこかで買い求めてきたものなのか、拾ってきたものなのか、貰ったものなのか・・・
そこら当たりの事情は今となっては知る術も無い。

それから間も無く、裏の小屋の一角でセメントをこね初め、石を積み上げ、なんと自ら
岩風呂を作り始めた。
どれぐらいかけて出来上がったのか良く覚えては居ないが、兎に角岩風呂は完成した。
浴槽の脇には、ゴムの木などの観葉植物が植えられジャングル風呂の様子を呈していた。



 【写真:岩風呂(本文とは無関係)】

風呂は石を積み上げ、セメントで固めているので、背もたれがごつごつとして落ち着か
ない。
おまけに底もセメントの打ちっ放しだから、ざらざらとしていて座るとお尻が痛い。
おまけに随分と広かった(小さかったからそう感じただけかも知れないが)ので、冬など
は浴室が寒くて適わなかった。

それでも親父は、この手作りの岩風呂がいたく気に入っていたのであろうか。
当時は、まだ内風呂がようやく普及し始めたころであり、まだ銭湯に通う人も少なくない
時代だったので時には近所の人を招き入れ、風呂を勧めた。
そのたびに私は竈の前で薪くべをさせられた。
今のように温水器が有るわけではないので、誰かが入っている間中お湯を冷まさないため
に薪を絶やすことが出来ない。
そんなこんなで私はこの岩風呂が余り好きになれなかった。

それでもどこかで石を見ると、こんな器用で不思議能力を秘めた親父を思い出す。
結局、親父の命日に石屋が我が家を訪ねてきたのも何かの縁と、石の購入を決めた。

車窓から吉野川を眺めながら、しばし遠い日の思い出に浸っていた。(続)



にほんブログ村 旅行ブログへにほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

親父の思い出(JR全線乗潰しの旅)

2010-08-27 | Weblog
「玄関先にはこの石とこの石を置くと良い」
「南の庭にはこの石をここら当たりに置いて・・・」と手にした棒で肥後松の根元に丸を
書く。
そして「槙の木は主木に成るから松の奥に植え替えた方が良い」などと具体的な位置を
示し、構想を話してくるものだから、こっちもすっかりそのペースに乗せられてしまった。
「槙の木の植え替えも、真砂土の地均しもサービスで全部するからどうだ」言う。

さらに「周りにフェンスも無いから、石を入れるなら今がチャンスだ」と駄目を押す。
言われて見ればそうかも知れない。
新しく造成された10戸ばかりの団地に建つわが家は今のところ一軒家。
まだ回りにフェンスもブロック塀も構えてはいない。
周りに家が建ってしまえば、大きな石を入れるのは困難が伴うであろう。
何も無い今がチャンスと言えばチャンスだが・・・・。
しかし、石は欲しいが物が物だけに金額も嵩む、そうおいそれとOKは出来ない。

今になっては当時、石屋とどんな話をしていたのか詳しく思い出すことは出来ないが、
いつの間にか、話題はお互いの親父の話になっていた。

私の親父は決して裕福な生活をしていたわけではないが、何かと風流なことが好きな明治
生まれであった。
余りはっきりとした記憶が残っているわけでは無いが、家ではよく抹茶をたてて飲んでいた。
多少生け花の心得も有ったようで、よく花を生けていた。
私は幼い頃、そんな親父を多分に奇異な目で見ていたように思う。

偶然にもこの日は、親父の祥月命日である。
話が弾むにつれ、遠い日の親父の記憶が甦ってきた。(続)




 【写真:何れもイメージ】



にほんブログ村 旅行ブログへにほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

四国の青石(JR全線乗潰しの旅)

2010-08-25 | Weblog
この路線に並行する吉野川は、その愛称通りブルーの奇岩・怪石が川中に点在し、
その流れと共に石の醸し出す風情が車窓を楽しませてくれる。
この四国のブルーの石には、思い出がある。

もう30年も前になる。
新築間もない我が家を、ある日一人の行商が訪ねてきた。
「石はいりませんか?」
「??」

見れば、玄関前にはユニックをつけた2~3トン程のトラックが停まっている。
徳島ナンバーを付けたそのトラックの荷台には、大きな石が見える。
四国の青石だと言う。
言われてトラックの荷台を覗き込むと、そこには青い大きな石が数個と、同じよう
な大きさの赤い石が二個、後は大小取り混ぜて数え切れない数の石が積まれていた。
多くは青石だ。
「このまま四国に持ち帰るのも何なので、安くするから要らないか」と言う。

幾ら安くされても庭石だ、「ハイ!貰います」とは簡単には言えない。
どうやら、我が家の近くに有る、出来て間の無い500戸程の団地に売り込みに来たが
売れなかったようだ。
帰ろうと通りかかって見た我が家がまだ新しく、庭にも新しい真砂土が入れられてい
たので声を掛けたと言う。

前の年の5月に引越し、その暮れに北に面した玄関前には、門冠りの“バベ樫”と
それに並ぶように“槙の木”を植え、それらの根締めとして数本の皐月を植えていた。
一方、南側の空き地は、将来庭でも造ろうかとの算段もあり、取り敢えず真砂土だけは
入れておいた。
庭の主木にと思い植えた肥後松の他には大した樹木も無く、真砂土もダンプが下ろした
ままの状態で山積みになっていて、とても石を入れる雰囲気では無い。(続)




 【写真:イメージ】



にほんブログ村 旅行ブログへにほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中央構造線(JR全線乗潰しの旅)

2010-08-23 | Weblog
徳島からは徳島線に乗る。
この線は、内陸部の阿波池田を結ぶ路線だが、正式には徳島の次の駅、佐古から阿波
池田の一つ手前の佃まで、67.5Kmを24駅で結んでいる。
「四国三郎」と呼ばれる吉野川に沿っている事から、「よしの川ブルーライン」の愛称で
呼ばれている。

この線の最大の特徴(と言って良いものかどうか?)は、日本を横断する“中央構造線”
にほぼ沿っている事だ。
日本地図で四国を見ると、山岳地帯を表す濃い緑の表示とは明らかに違う、薄い緑色の
帯が徳島から、阿波池田を貫いている。
これが、中央構造線と言われる断層で、中には活断層も有るらしい。
しかも不吉な事にこの断層には近年の活動記録が無いと言う。
と言う事は、エネルギーが蓄積され、いつ動いてもおかしくない要注意断層と言う事に
なる。

余談になるが、淡路島に有る阪神淡路大震災の震源とされる「野島断層」を今に伝える
「北淡震災記念公園」を見学した折こんな話を聞いた。
ある地震学者は「絶対に徳島自動車道は使わない」と言ったとか。





 【写真:北淡震災記念公園】

この深く抉られたような地勢の場所には、この徳島線と、高速の徳島自動車道路、それ
に国道192号線が並行している。
これらは重要な生活インフラでも有るのでそれを使わないとは、随分乱暴な話では有る。
が、それだけ楽観出来ない状況で有るから、充分な注意を怠るな、備えをしておけとの
強いメッセージがこめられている言葉だとも思う。

そんなきな臭い話とは裏腹に、左に四国山脈、右に吉野川の流れを見ながら走る路線は
充分にローカルな雰囲気を味わえる路線でもある。(続)


にほんブログ村 旅行ブログへにほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高徳線(JR全線乗潰しの旅)

2010-08-20 | Weblog
高松と徳島、四国の二つの県庁所在地を結ぶ高徳線は、この間29駅、その距離が74.5Km
の路線である。
高松を出ると線路は中心市街地を大きく一回りするように迂回して抜けていく。
高架になるとやがて車窓には名勝栗林公園の背後に控える紫雲山が近づいてくるが、残念
ながら、車内からは、名園を窺い見ることは出来ない。
公園に行くには栗林公園北口駅で降りることになる。

左手に屋島や、ギザギザの頭を持つ五剣山が見えてくると、どこからともなく琴平電鉄の
志度線のレールが近づいてくる。
ここからしばらくは、志度線と国道11号線がほぼ併走することになる。
このあたり、カキの養殖で名高い志度の海が近い割には時々車窓から見えるのみである。
シーズンになると、鉄板の上で豪快に殻つきカキを焼く、食べ放題の店が賑わうと言う。

高松から30分余りでカタカナばかりの珍しい駅、オレンジタウンに到着する。
どうやらここらまでが高松の通勤圏らしく、ここを過ぎる辺りから住宅は途切れ、車窓は
左手に瀬戸の海を見ながらの田園風景となる。



 
【写真:高徳線の特急うずしおとアンパンマン車両】

引田を過ぎ、海から離れ、大きく南に進路を変える辺りで20パーミルを超える山越えが
有り、徳島県に入る。
やがて急坂の峠を下ると大きくカーブし、再び東に進路を変えると平地が開ける。
四国遍路の一番札所霊山寺の最寄り駅、坂東を過ぎると、再び線路は大きく南に進路を
変えて四国三郎・吉野川の長い鉄橋を渡る。
遠くに市街地が見えてくると終着の徳島が近い(続)

 【写真:徳島駅】



にほんブログ村 旅行ブログへにほんブログ村


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

四国の玄関・高松駅(JR全線乗潰しの旅)

2010-08-18 | Weblog
四国の玄関高松駅は、本州と四国を結ぶ宇高連絡船が廃止された後、高松港一帯が
「サンポート高松」として再開発されたのに合わせ、海から少し離れた場所に新しく
建て替えられた近代的なターミナルであり、駅前には広い幹線道路(国道30号線)
を隔てて、国史跡高松城(玉藻城)のある「玉藻公園」が広がっている。

「ローカル線」と言うイメージで捉えると、JR四国の各路線は正にそれが当てはまる
が、この駅は、およそ「ローカル線」の発着駅と言うには違和感がある。
ここからは、四国の各県庁所在地を結ぶ特急列車も多く出ていて、都市間連絡列車と
「ローカル線」の列車と言う二つの顔を持った列車が発着する。
大阪・東京方面を結ぶ唯一の寝台特急「サンライズ瀬戸」の始発駅でもある。



予讃線、土讃線、瀬戸大橋線、高徳線の列車が発着する賑やかな駅である。
ものの本で調べてみると、その発着本数は、日に360本程度、乗降客数は1万3千人
余りと言うからこれはJR四国の中では最多、文字通り四国を代表する玄関駅である。

各線路はすべてこの駅で行き止まりになる終着駅のため、ホームはすべて“頭端式”と
言われるホーム構造になっているので駅のコンコースからホームにかけて段差が無い作
りになっている。
したがって、改札を抜けると1番線から9番線までが広く開けて見えるので、目的の
番線を探しやすいし、各列車の入線状態も見通せることから乗り換えのし易い駅と言う
印象を持つ。



 【写真:何れも高松駅で】

なによりも面白いのは、各番線に列車が到着すると、乗り換える乗客も、改札を出る
乗客も大きな長い列となって皆一様に同じ方に向かって歩き出すことだ。(続)


にほんブログ村 旅行ブログへにほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久々のご対面

2010-08-16 | Weblog
「少し時間をくれ」と言われたその1時間後、再びカウンターを訪ねる。
「番号の付いたフォルダーが一杯出てきました。多分大丈夫かと・・・」
それだ、間違いない、データが戻ったのだ。

早速売り場にあるパソコンに接続し、データの確認をする。
見慣れた、懐かしいフォルダー群と久々の対面だ。

私は、文書ファイルや写真などを保存するとき、その関連するフォルダーに保存する。
フォルダーを作るときは、それを自分の意図する順番に並べたいので、必ず意味付けした
三ケタの数字を先頭にふって、その次に適当な名前を付けて作る習慣にしていた。
彼は、そのフォルダー群を目にしたのだから、もうデータは間違いがないであろう。

どれか中身を確認して下さいと言うので、
「“312秋田山形の旅”を開けてみて」と返す。
間違いない、問題無い。
見慣れた写真が画面いっぱいに並んだ。
「念のためもう一つぐらい・・」との声に促され、“110佐渡弥彦の旅”を開けてみるが、
もう改めるまでも無い。

 【写真:イメージ】

データは甦った。
僅かな作業手数料と3000円余りの部品代のみで、諦め切れなかったデータが帰って来た。
早速自宅に持ち帰り、新しいパソコンにデータを移行する。
新たに増えたデータは、外付けHDDに保存をし、同期を取った。
これで、バックアップデスクとして残すことが出来る。

こうしてデータは99パーセント甦った。
ただ一つ、メールアドレスのファイルだけを未だに探しあぐねている。(完)



ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

HDD外付けケース

2010-08-13 | Weblog
今日も何か良い方法は無いものかと、駅前の大型家電量販店のパソコンコーナーを見て
歩く。
その時、ふと中古パソコンのコーナーに並んでいるパソコン本体が目に留まった。
そこには数千円から、数万円もするものまで種々のものが並んでいた。

「安い本体を購入し、そのHDを入れ替えれば何とか読み出せるのでは・・・」と考え、
近くにいた店員に意図を告げると「HDを入れ替えると再セットアップが必要になるので、
データが失われる可能性がある」
「それよりもこんな方法もあるがどうだ・・・」と言いながら、陳列棚から大きな弁当
箱大の箱を取り出し、説明を始めた。

 【写真:イメージ】

「これは、ハードディスクを、USBで外付けのHDDにするためのケースだ」
「壊れたパソコンからハードディスクが取り出せるなら、この方法が一番だ」

光明が見えた。
何とか成りそうだ。
もうデータの修復が出来たような気がしていた。

早速自宅に戻り、ハードディスクの取りだしにかかる。
以前にノートパソコンのハードディスクは取りだした事が有る。
壊れたこのパソコンのメモリーは、以前、自分で増設した。
だから、ハードディスクの取りだしも簡単に出来ると考えていた。

ところが、どっこい、そうは簡単に問屋が卸さない。
底板を外し、メモリスロットを外すところまでは問題ないが、その先が良くわからない。
何本かのビスが有るがそれを外していいものか解らない。

どうせ、再び使う当てが有るわけではないので、壊してしまっても一向に構わないが、
HDに、もしもの事が有っては・・・と思い、結局件の大型家電量販店に取り出しを依頼
することにした。(続)



ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

データ修復サービス

2010-08-11 | Weblog
どうしても諦めきれない。
何とかなるものなら、何とかしたい。
何とか成らぬものか、と何時も思っていた。
パソコンが立ち上がらなく成り、新しいものに買い替えたのは良いが、前のパソコンの
ハードディスクの中身を何とか取りだしたいとの思いは日に日に強く成っていた。

ネットでデータの修復サービスを調べてみると、実にたくさんのサイトがヒットする。
多少はその名前を聞いたことが有る会社から、まったく聞いたことも無いような会社まで
実に様々。
どこをどう選ぶかは甚だ難しい。



 【写真:何れも本文とは無関係】

問題の第一は情報。
作業の性格上全く無防備に、個人情報のいっぱい詰まったハードディスクを先方に渡す
わけだから、本当に信用のおける企業で無いと困る。
もしものことを考えた時、自身のものだけならまだしも、住所録やメールアドレスなど
他人の情報が漏れたとなると事は重大。

第二はその費用。
おおよその目安金額の表示が有るところはまだ良いが、無料見積りをしてからとの事で
表示の無いサイトも多い。
参考金額を見る限り、数万円は覚悟しないといけないようだし、確かな見積りで弾いた
金額では無いので、果たして本当にそれで収まるのかとの懸念もある。

また、見積もりの段階で現物を引き渡すことで、情報の漏えいも心配だ。
そんな事を考え出すとなかなか決断が下せない。(続)



ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

暑い夏だから

2010-08-09 | Weblog
今年の夏は本当に暑かった。
せめて見た目の涼しさを・・・・と言うわけで、過去直近4回(今回を含め)は、
本文とは全く関係のない写真を掲載してきました。
(と言うよりも、本文をイメージする適当な写真が無いので苦し紛れに・・)
みなさん、どこだか解りましたか?







 【写真:本文とは無関係 暑いので湖の写真】


正解は、

8月2日投稿 暑いので海の写真
一枚目 能登半島内海の海岸
二枚目 能登半島外海の海岸
三枚目 犬吠埼の海岸
四枚目 山陰浦富海岸

8月4日投稿 暑いので滝の写真
一枚目 軽井沢・白糸の滝
二枚目 志賀高原・澗満の滝
三枚目 奥日光・龍頭の滝
四枚目 日光・華厳の滝
五枚目 中伊豆・浄蓮の滝

8月6日投稿 暑いので山の写真
一枚目 奥日光・戦場ヶ原
二枚目 草津・万座道路
三枚目 清里・
四枚目 六甲山・牧場
五枚目 阿蘇・草千里

そして今回
一枚目 信州・諏訪湖
二枚目 奥日光・湯の湖
三枚目 奥浜名・浜名湖
四枚目 四国・早明浦ダム湖




ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする