簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

バリ島旅行記 いよいよ入国

2009-08-28 | Weblog
飛行機は実に滑らかに、自然の内にいつの間にか、滑走路の上を着地に向けて疾走していた。
やがて短い間隔でドンドンと多少の衝撃音を残し、現地時間の23時30分過ぎ無事着陸した。
関西国際空港からは7時間ほどのフライトだ。

 【写真:デンパサール国際空港】

機内で行き成り渡されても横文字ばかりの書類だ、書けないだろうと自宅で何回もガイドブックを見ながら
練習を繰り返した上書き上げてきた出入国カードと税関申告書をバックから取り出す。
ビザ取得用の10ドル紙幣と合わせパスポートに挟みいよいよインドネシアに入国だ。

どうやって入国するのかは、ガイドブックを何回も読み、頭に叩き込んできた。
通過するゲートの順番と空港の見取り図は頭に入っているから、間違える事も無いだろう。
それでも初めての外国への入国は、やっぱり緊張する。
取りあえずここは、間違えないように人の流れに付いていこう。
ゆっくりと座席を立ち、狭い通路を人の流れの後ろに従った。

バリは今乾季で、気温は余り高く無いと言うから涼しいだろうと思っていた。
それが以外にも暑い。
到着フロアではエアコンが余り効いていないのか、肌にベチャッと湿気がまとわり付くような感じがする。
機内の冷房が効いていただけに、何とも蒸し暑く感じる。

ビザカウンターに並び、ビザを取得する。
何か聞かれはしないかと、内心ビクビクしながら、用意してきた10ドル紙幣をカウンターに黙って差し出す。
先方も心得たものだ。何の会話も無く実に素早く、機械的にビザチケットを差し出してきた。
何て事は無い、実に簡単。先ずは第一関門を無事通過。



 【写真:入国ビザを取得】

次は、入国審査だ。
取得したビザチケットと帰りの航空券をパスポートに挟み、長い行列の後ろに並ぶ。
行列はなかなか前に進まない。
入国審査官が全ての席に居る訳ではない。居ないカウンターも幾らか有る。
こんなに待っているのだから係官を増やしてくれれば・・・と思うが、係官にはそんなことは関係ないらしい。
行列がどんなに長くても、審査は実にマイペースでのんびりとした(ように見受けられる)ものだ。
午前零時を過ぎているというのに、まだ大勢の旅人が入国審査を待っている。(続)
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バリ島旅行記 機内にて

2009-08-25 | Weblog
機は順調な飛行を続けている。
窓の外は雲の向こうに沈む太陽が真っ赤に燃えている。



ドリンクサービスのウイスキーを飲み終える頃、機内食による夕食が始まった。
ビールを飲みながら、親子どんぶりを楽しむ。
当初は、気分が悪くなって、機内では何も食べられないのではないかと危惧していたが
全く心配する事は無かった。
ウイスキーを飲み、機内食を食べ、ビールを飲み、更にその後、りんごジュースとコーヒーを
飲み、持ち込んだスナック菓子をつまみ・・・・。
離陸してから此方、口だけは休んでいないので有る。
あの心配は一体何だったンだろうか?



 【写真:機内より日没を見ながら】

すっかり寛いでいると突然シートベルト着用のサインが点灯し機長のアナウンスが流れる。
「機は只今フィリピンの上空を通過中」
「この先に非常に発達した雲があり、その中を通過するとき機体が揺れる恐れが有る」
と言う。
「出来るだけ揺れないように安全なルートを通るので心配は要らない。
15分から20分ほどで通過できるであろう」
と告げ放送は終わった。
客室乗務員が慌ただしく座席を廻り、乗客のベルトをチェックして周り、やがて自らも席につき揺れに備える。

やがて機体が小刻みに揺れだした。
ビリビリトした揺れが絶え間なく伝わってくる。
時折、機が少し落ちているのではないかと思えるような不快感も有る。
このとき、ふと先日事故の起きたフランス航空機の事が頭をよぎる。
いやいやそんなことは無い。
不吉な妄想を断ち切ろうと、取り留めの無い会話を家人と続け気を紛らわせる。

幸い大きな揺れも無く、15分ほどしてシートベルト着用のサインは消灯した。
乗客も安堵したのか、トイレに経つ姿が続く。
正面のモニターには、あと2時間半ほどでデンパサール空港に到着すると表示が出た。(続)
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バリ島旅行記 初めての国際線

2009-08-21 | Weblog




6月の某日、デンパサール行きJL715便は、ほぼ定刻、関西国際空港を飛び立った。
滑走路に入り、ほんの1~2分機体は動きを止めた。
恐らく管制塔からの離陸許可を待っていたのであろう。
やがて轟音を轟かせたかと思うと、機は動き出し、瞬く間にそのスピードを上げる。
「離陸するぞ」と思う間も無く、機がふわりと浮かぶ感覚が座席に伝わってくると、
そのままグングンと上昇を続けているのが体感出来る。
高速エレベータを、更に早くしたような感じで、まるで”はらわた”だけ地上に
置き去りにしてきた・・・、そんな不思議な感覚で・・・、こんなのはどうも好きではない。



 

以前札幌への出張で、伊丹空港を往復した時は気分が悪く成った。
行きの便では離陸時、若干気分が悪くなったものの、何とか持ちこたえた。
しかしあの離陸時の恐怖心が脳裏に残っていた性か、着陸では酷く酔った。

まるで飛行場の上空から、行き成り垂直に降下しているのでは無いかと思うような恐怖心が襲った。
すうーっと、吸いこまれるように落ちていったかと思うと、暫く水平に飛行する。
そうかと思うと、またすうーっと、吸込まれるように落ちていく。
そんなことを何度も何度も繰り返しながら着陸しているようで、完全に気分が悪く成ってしまった。

空港で、昼飯をかき込む同僚たちを尻目に、何も食べられず青い顔をして、一人冷水をチビチビと
舐めていたあの時の記憶は今でも鮮明に残っている。

そんなことがあって、飛行機は苦手な乗り物としての先入観が有った。
しかし、今回は思ったよりも悪くはならなかった。
昇っているという感覚は伝わってくるものの、酔うほどのことは無かった。
街中の空港と違って海上に造られて空港は、そんなに急激に高度を上げなくても大丈夫なのかも
知れない。

シートベルト着用のサインも消え、ドリンクサービスで貰ったウイスキーを舐めながら、窓から見下ろす
余裕も生れていた。
先ずは一安心。(続)

 【写真:何れも関西国際空港にて】
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バリ島旅行記 パスポート

2009-08-18 | Weblog
俄かに海外旅行の話が現実化してきた。
こうなると、もう落ち着けない。
何せ、同行する家族全員が海外旅行の経験が無いのだ。
何を、どう準備したらいいのか全く見当が付かない。

取敢えずバリの“観光情報誌”を2冊ほど本屋で購入した。
巻末に旅の準備を紹介するコーナーが有り、親切に解説をしてくれている。
それによると先ずパスポートを取得する必要が有る。

 【写真:情報誌】

早速、最寄りの役場に赴いて申請書類を入手する。
パスポートには、有効が5年間のものと10年間のものが有る、ということをこの
書類で始めて知った。

「娘たちは、まだまだ先が有るので10年で良いだろうが、我々は老い先も短い、
これから先、そう何回も海外へ出かけるとは考えられないから5年で良いだろう」
「しかし、僅かな金額の違いなら10年でも良いのでは・・・・」
「だけど、二人で一万円も余計にいるのだぞ。旅行でお金もいる事だし・・・」
「でも、一度行ったら、案外海外に嵌まるのでは?」
パスポート一つでこの騒ぎ。

 【写真:パスポート】

ホームセンターの店先でパスポート用と指定して写真を撮り、擦った揉んだで、
結局5年用の書類を認めて役場に申請に赴く。

窓口嬢が本人確認や書類確認を済ませると、最後に各自が持参した顔写真の
確認を始めた。
引き出しから、おもむろに物差しを取り出して、写真の縦や、横、顔の長さを計っている。
「この写真、駄目ですねぇ~」
「えっ!」
「顔の大きさが2ミリほど足りません」

言われて写真を覗き込むと、女房の写真をもう一度計りながら、
「やっぱり、駄目ですね」と言う。
「そんなはず無いだろう。同じ場所で、同じ日に撮影したのだから・・・」
と粘って見るが、
「2ミリ顔が小さいです。これでは申請が通りません」
「この近くに写真館が有るので、そこでパスポート用と言って撮り直して下さい」と
突き放されてしまった。
2ミリ小さいとどんな支障が出るのか解らないが、決まりだから仕方の無いことなのだろう。

確かに、4枚の写真を見比べて見ると女房の写真の顔は一回り小さく見える。
写真撮影の時、ボックスの中の座る位置が悪かったのだろうと納得させ、言われた通り、
役場近くの写真館に行き写真を撮り直す。
1,200円の出費だ。
結局、たった一枚のパスポート写真に1,900円もかかってしまった。(続)
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バリ島旅行記 魅惑の島

2009-08-14 | Weblog
長男が「相談したい事が有る」と、久し振りに帰ってきた。
何事かと問えば、「結婚式を挙げたい」「両方の家族だけで、出来れば海外で・・・」と言う。

お互いの誕生日の過ぎるのを待って、長い交際に終止符を打ち、新生活を始めていた長男夫婦は、
入籍はしたものの結婚式は挙げてはいない。

 【写真:バリ・ブルーポイント】

「何も海外でなくても・・・、もっと近場でも良いのでは・・・」とは言ってみるものの、
二人には秘めたる思いが有るらしい様子に、さし当たっての日にちを決め、「行き先は、二人で決めたら
良い」と一応親父らしく、度量の広いところを見せて見る。
しかし内心では「沖縄位でしてくれれば・・・」と思わずにはいられない。

そんなことがあって暫くして、息子から電話がかかってきた。
「バリに決めたから」
「・・・・バリ?それ、どこ?」
「インドネシアのバリ島」
「・・・・そう」

 【写真:HISのパンフレット】

こんな会話を追いかけるように旅行会社から「企画/手配旅行参加申込書」とパンフレットが
送られてきた。
それによると航空券と滞在するホテルは既に手配が済んでいる。
後は、結婚式当日以外の日の行動をオプションから決めろと言う事らしい。

インドネシアのバリ島は、島そのものがバリ州で、典型的な亜熱帯気候の島だ。
州都は、国際空港の有るデンパサール市。
日本との時差はマイナス1時間だから時差ぼけの心配は殆ど無いらしい。
独特のヒンドゥー教文化の島で、アジア屈指のリゾートとして近年人気が高まっていると言う。



 【写真:バリ・アヤナリゾート&スパ】

特に自然素材を生かした伝統的なスパが若い女性たちの圧倒的な支持を得ているらしい。
しかも緑濃い豊かな大自然、息づく伝統文化、洗練されたホテルやレストラン、多彩な
民芸雑貨が旅人を待っている。

と、パンフレットは謳っている。
どうやら、バリは、“魅惑の島”らしい。(続)
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バリ島旅行記 海外より国内

2009-08-11 | Weblog
自慢じゃないが、生れてこの方、海外旅行などしたことが無い。
今までに、国内は随分と方々に出かけ、結構色々と人並み以上に
知っているつもりでいる。
しかし、事、海外旅行と成ると経験は勿論、知識もトンと無い。

だからと言って海外に全く興味が無いかと言うとそうでも無い。
テレビや雑誌で世界的な歴史遺産や自然遺産の地を見れば、「何と素晴らしい」と、
人並みに感動もする。
日本では見られないような光景を見れば、この目で実際に見てみたいと思うことも有る。
日本では口に出来ないような珍しい食べ物も、時には味わって見たいとも思う。

そんな風に思うことが有っても、まだ一度もどこへも行った事が無い。
それは、自分の中では、価値観の優先順位が海外旅行より国内旅行の方がはるかに
上であり、まず国内旅行との想いを実践してきたから。
「国内を知らずして、何で海外を・・」と言う事になるのだが、それは表向きの話。
実を言えば、外国に対して臆病だから・・・これに尽きると自分では思っている。

 【写真:セントレア(本文とは無関係)】

何よりも言葉の壁を痛感する。
外国語などチンプンカンプン、全く理解が出来ない。
風俗習慣も違う異民族の中に入って、言葉も話せないのだからコミュニケーションなど
取れる筈が無い、行く先々で困るだろうと思う。

それに通貨の違い。
レートで換算しないと日本円との比較が出来ない。
計算に疎いから俄かに判断が出来ないし、換算すること自体、これが煩わしい。
だから、外国の紙幣を持って自由に買い物など出来るはずが無いと思う。

風俗・習慣の違いに戸惑うだろう。
当然のことながら国によっては、風俗・習慣が日本とは大きく違う。
これも最低限の知識が無いと、現地でとんでもない間違いを犯してしまうかも知れない。

パスポートも持ってはいない。
恥ずかしい話、パスポートの事もビザの事もそれがどう言う性質のものなのか良く解らない。

更に極めつけは、何よりも飛行機が嫌いなのだ。否、正直言えば飛行機は怖い。
短時間なら兎も角、長い時間あんな重い鉄の塊の中に入って、空高く飛ぶなんてとても
耐えられない。
それに座席も狭い。
左足に血栓症の既往症のあるわが身には、エコノミークラス症候群は恐ろしい。

そんなこんなで、興味は有っても今まであまり行って見たいと切実に思うことが無かったのだ。(続)

 【写真:セントレア(本文とは無関係)】
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バリ島旅行記 お隣の国

2009-08-07 | Weblog
会の仲間が、仕事仲間と韓国に旅行に行ったと言う。
久々の会の集まりで、そのときの話を得意気に聞かせてくれる。

飛行機でも近いし、福岡から船で行く事も出来るから、韓国は便利だ。
料金も国内旅行に比べれば格段に安く行けると言う。
それに食べ物も日本人の口に合うし、日本語も結構通じるので心配無いと。

 【写真:セントレア(本文とは無関係)】

得得と韓国を語り、しきりに「良かった!良かった!」を連発する。
観光もさることながら、食べ物が美味しいとか。
その他にも「良かった!」事が有ったらしく、余程良い思いをしたらしい。
しかし、何がそんなに良かったのかはなかなか具体的に話そうとはしない。

話しぶり、話の内容から、何となく想像は出来なくは無いが、敢えて口に出して
聞くことも無いだろうし、もし想像した事が違っていたら、やはり気恥ずかしい。
そんな気恥ずかしいことを想像している。
会のメンバーも同じ様な事を考えているのか、誰もがその話題には乗ってこない。

「皆で韓国に旅行しないか・・・。」としきりに誘い水を向ける。
もう一度、その「良かった!」体験を再現したいらしい。
しかし、近場の行楽地なら兎も角、いかに安くて近いからと言って、海外旅行だ。
そう俄かに「皆で行こう。」と言う話にはならない。

やがて話題は他に移り、散会となり韓国行きの話は宙に浮いたまま、
立ち消えになってしまった。

外務省のホームページによると、日韓間の人の往来は484万人に達し(07年)、
訪日韓国人数が約260万人、訪韓日本人数が約224万人だったという。
他の国と比較して多いのか少ないのか知る芳も無いが、結構な数の人が
訪れていると言う事だけは海外事情に疎い者にも解るような気がする。(続)


 【写真:セントレア(本文とは無関係)】
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四国遍路 第18番札所恩山寺

2009-08-04 | Weblog
徳島の市街地を抜け、国道55号線を南下、南小松島を過ぎたあたりで右に折れ、
山に向うと「義経ドリームロード」の看板が目に付く。

 【写真:義経ロード】

山裾に「源義経上陸之地」と書かれた立派な石碑が立っている。
その昔、屋島を攻める義経一行は、暴風雨をついて摂津の国渡辺の浦より船を出し、
ここに上陸したらしい。
と言う事は、その頃はここまで海が入り込んでいたのだ。
今は豊かな田圃が広がり、バイパスが貫いている。
しかし、ここで背伸びしても海は望めない。

この先に大きなわらじの掛かった古い山門がある。
今は、すぐ脇にアスファルトの道が出来ているが、昔はここをくぐって山道を行ったのだろう。

 【写真:恩山寺山門】

山門を潜る古い道が残っている。
ここから約500m上がった山の中腹に第18番札所恩山寺が有る。
境内には大師堂があり、大きな修行中の弘法大師の像が見下ろしている。
石段を上がると本堂が有り、ここのお参りが済めば今回の遍路は終わる。

 【写真:恩山寺】

後はJRの南小松島駅までの約3キロを歩くのみだ。
暫く国道を歩き、適当に見当を付け国道を逸れ、街中の道を行くと踏切があり、
それを渡ると右手に小さな駅がある。

 【写真:南小松島駅】

無人駅かと思ったが有人で、若い女の駅員さんが詰めていた。
20分ほど待つと徳島行きの2両編制の列車が来た。

 【写真:徳島行き電車】

その時突然、曇り空から一粒、二粒と雨が落ちてきた。
「あぁ・・良かったぁ。」
お互い顔を見合わせながら、心地良い、とてつもなく大きな満足感を背負い、
急いで車中の人となった。(第二回 四国遍路旅 完)
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