簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

小江戸・佐原 (JR乗り潰しの旅)

2012-01-30 | Weblog
 成田から佐原までは30分足らず、お昼過ぎに到着した。
かつて、利根川水運の中継基地として栄えた往時の面影を残す町並みが、「江戸」の
情緒を残すとして人気の町だ。荷物を預け、町中の観光に出かけて見る。



 駅を出てすぐのところに観光案内所が有る。
ここでは自転車を借りることも出来るが、町はさほど広くはないと聞いたので、1枚
20円の観光マップを購入して、徒歩で巡る事にする。

 駅から延びる道を10分ほど進むと、その先の公園に伊能忠敬の銅像が建っている。
この地は日本地図を初めて作成した、忠敬が17歳からの30年ほどを過ごした町でもある。
 像の写真を撮ろうとカメラを向けると、広場で野球をしていた子供たちが、その手を休め
広場をあけてくれた。



 そこから10分ほど歩くと古い造り酒屋が有り、酒蔵を公開していた。
店先では酒まんじゅうを売っている。
アツアツのふかし立てを頬張ると、ほのかに酒の香りが口の中に広がり美味しかった。
そう言えば、成田でお昼を食べそこなっていた。





 古い土蔵造りの商店街路の中で、“すずめ焼き”の看板を掲げた店を見つけた。
京都の伏見稲荷の門前で売られているスズメを思い浮かべていたら、違っていた。
 小鮒、モロコ、タナゴなどこの近辺で採れる川魚を串で刺し、焼いて甘辛いタレを
付けたもので、その形が小枝にとまったスズメを連想させる事に由来すると言う。(続)



(この旅行記は、「東日本大震災」発生直前に巡ったものです。)


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成田山新勝寺 (JR乗り潰しの旅)

2012-01-27 | Weblog
 成田空港は駅の改札を出ると、空港施設の敷地内と言う事で、誰もがセキュリティ
チェックを受ける事に成っていたようだ。
 首都空港として過激派の立ち入りを抑制し、テロに対する警備の強化が目的と言う。

 お昼にうなぎでも・・と思い成田で途中下車、成田山新勝寺に向かってみる。
駅を出て、叉また驚いた。駅前から少し進んだ先に左手に入る表参道が有り、その入口
にはものすごい人波が押し寄せている。



 余り広くは無い参道の両側には老舗のお菓子屋さん、佃煮屋さん、うなぎ屋さんや
多国籍料理を扱う店などが立ち並び、その間隙を縫うように色々な屋台も立っている。
 そんな屋台を覗きこむ人びとや、沿道のお店に出入りする人々、これから新勝寺に
向かう人、帰る人で、参道はスムーズに歩くこともままならない込みようである。



 特に食事時と有って、何処のお店の前にも大行列が出来ている。
うなぎを食べてみたいのだが、香ばしく焼けるうなぎの匂いに曝されながら、空きっ腹
を抱え、何時回ってくるかも知れない行列に並ぶ気にはとてもなれない。



 店先で、うなぎを割くパフォーマンスに見とれる人だかりに流れが遮られる。
どこか空いているお店でも無いか・・・と捜しながら参道を進んでみるが、進むほどに
人が増え、人に閊えて思うように前に進めない。



 結局はその人ごみに押されるように新勝寺の本殿にお参りし、押し返されるように
再び狭い参道を折り返し、食事にありつけないまま駅に戻って来てしまった。(続)



(この旅行記は、「東日本大震災」発生直前に巡ったものです。)


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成田国際空港で・・・ (JR乗り潰しの旅)

2012-01-25 | Weblog
 今回の旅では、成田線の本線と二つの支線を乗り潰す。
本線は、佐倉から銚子の一つ手前の松岸までの119.1キロである。
 支線の一つは、成田と成田空港を結ぶ路線で、その距離は10.3キロ、千葉からは
横須賀や久里浜始発の東京方面からの快速列車が、凡そ1時間に1本直通している。



 空港行きは、有名な成田山新勝寺など暫くは成田の市街地を見ながら走り、本線と
別れるとかつて新幹線が計画された名残の高架橋を行く。
 沿線は丘陵地帯で緑も多いが、高速道路やホテル、航空会社の施設などが立ち並び、
空港が近いことを実感させる。

 やがて地下に潜ると空港第2ビル駅、そこから3分ほどで終点の成田空港に到着する。
さすがに国際空港の玄関口、大きなトランクを押し、出口に向かう旅行客の姿も多い。





 改札を出て驚いた。
チョッとしたゲートが有り、係員からいきなり身分証明者の提示を求められたのだ。
 旅行者は一様にパスポートを提示しているが、乗りテツにはそんなものはない。



 咄嗟に「自動車運転免許証を・・」と思い、財布の中を捜してみるが、乗りテツ
旅行には必要が無いので持ってきてはいない。
 あせって、首から下げている“18キップ”を見せるが、笑われてしまう。
ポケットや財布の中を弄りながら、やっと健康保険証を思いだし、提示してやれやれ。
 いきなりの予期せぬ出来事に、すっかり気勢を削がれてしまい、早々に折り返しの便で
空港を退散する。(続)



(この旅行記は、「東日本大震災」発生直前に巡ったものです。)


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ダム湖と温泉と (JR乗り潰しの旅)

2012-01-23 | Weblog
 この駅に近い亀山湖は、千葉県最大のダム湖で、総面積139万平方メートルを誇る。
気候は比較的温暖で、周囲にさほど高い山が有るわけではないが、緑の多い、自然
豊かなところである。
 湖はダム湖らしく地形が複雑に入り組んでいるので、その周回道路には橋が多く、
それが自然に溶け込み景色の一つに成っている。



 山々を赤や黄色に染め上げる紅葉の秋が良いらしく、染まった山々と、それを映し
た湖面をボートに乗って眺めるのが特にお勧めとか。
 また冬は、湖面から立ち上る朝靄が幻想的な世界を創り出すそうだ。



 この湖は、ヘラブナやブラックバス釣りなどの名所としても知られている。
今日泊まった“コテージつばきもと”は、そんな釣り目的の人々が集う宿でもある。



 朝早くから大勢の釣り人が湖面に船を浮かべ、釣り糸を垂れている。
湖面を行き交う船の数の割に、辺りは意外なほどに静かである。
 不思議に思い釣り人に聞いてみると「釣り船の船外機は、全てエレキモーター駆動」
だからと言う答えが返ってきた。



 少し先の湖畔に有るホテルには温泉が湧いていて、日帰り入浴が出来る。
ヨウ素や臭素を含んだチョコレート色をした食塩泉で、少し滑り気の有るのが特徴だ。
 地下にマグマ溜まりの無い千葉県は温泉が少ない県のようだが、ここは温度こそ
低いものの正真正銘天然温泉である。(続)

(この旅行記は、「東日本大震災」発生直前に巡ったものです。)


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タブレットの受け渡し (JR乗り潰しの旅)

2012-01-20 | Weblog
 この路線は全線が単線で、途中の横田と久留理が交換可能な駅と成っている。
単線区間では、列車同士の衝突を防ぐために、閉塞区間を決め、その区間内には
同時に2つ以上の列車が入らない様、安全の確保がされている。
 その時にその閉塞区間の運行を許された列車が持つのが「タブレット」である。

 久留理では、列車が行き違い停車し、駅員の手によって上りと下り列車の間で、
昔ながらの珍しい「タブレットの受け渡し」が行われる。





 久留理を過ぎ、すっかりと暗くなってしまい、車窓からは殆ど灯りらしいものも
見えなくなった。線路際に山塊が近づいているようだが良くは解らない。
 木更津から32.2キロ、1時間余り擁して到着した久留理線の終点上総亀山は、
標高がおよそ100メートル、房総半島のほぼ中央に位置する。

 連絡をしておいた宿の迎えの車が一台だけ、駅前の道路脇に停まっていた。
亀山ダム湖畔に有る今晩の宿までは、車で5分ほどである。

 到着したその日は暗くて、終着駅の雰囲気も良く解らなかったが、翌日目にした
駅の周辺はいかにもローカル線の終着駅らしい。
短いホームが切れると、その線路の先には束ねた枕木が置かれ、その先に錆びた
車止めが有る。駅前には店らしいものは無く、道路脇にひっそりと小さな木造の駅舎
が建っていて、山峡の鄙びた風情はなかなかのものであった。(続)





(この旅行記は、「東日本大震災」発生直前に巡ったものです。)


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証城寺の狸囃子に送られて (JR乗り潰しの旅)

2012-01-18 | Weblog
 木更津から房総半島の深部に入り込むように延びる久留理線は、沿線途中に有る
雨城の城下町、久留理に因んでいる。



 この路線は千葉県内のJR線では唯一の非電化路線であるため、上総亀山行きは
2両編成のキハ38形などのディーゼルカーが運行している。
 列車は市内に有る證誠寺に伝わる伝説、童謡「証城寺の狸囃子」のメロディーに
送られて出発した。



 本線と別れ東に進路を変えると、富士山が左手後方に位置を変える。
車窓は、低い丘陵の広がる田園地帯にベットタウン化した住宅街が広がっているが、
どこか懐かしい、のどかなローカル線と言った感じなのは、電車には無いディーゼル
カー独特の響きが有るからかも知れない。



 東横田を過ぎ、進路を南に取ると、線路は徐々に標高を上げて行く。
ここら辺りは、いわゆる房総丘陵と言われる地勢で、付近にはゴルフ場も多い。
 東京や横浜から、アクアラインを使えば1時間足らずで来る事が出来るアクセス
の良さからか、鉄道と並行する道路脇には“イチゴ狩り”の看板が多く立っている。

 丁度下校時間と重なって、車内が学生たちのおしゃべりで賑やかに成った。
しかし、ロングシートに座る学生も、列車が駅に停まるたびに下りて行く。
変わりに乗り込んで来る乗客もいないので、久留理に着く頃には、車内の乗客は
僅かに成ってしまった。(続)



(この旅行記は、「東日本大震災」発生直前に巡ったものです。)


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月の沙漠の故郷 (JR乗り潰しの旅)

2012-01-16 | Weblog
 安房鴨川から途中大網を経て千葉までの93.3キロが外房線。
内房線とこの路線で、房総半島を大きく一回りしている。

 房総半島の東に位置する小さな町、御宿とその先の大原辺りでは伊勢エビ漁が盛んで、
その水揚げは、日本でも有数の量を誇っているとか。



 御宿の駅を降り、町中の商店街の通りから住宅地に入り、それを抜けると10分ほどで御宿
海岸に到着する。
この海岸は約2キロにわたって広がる白い砂浜で、抒情歌「月の沙漠」の舞台と成ったところだ。
 その海岸には、月の沙漠を行く2頭のラクダの像と、「月の沙漠」の記念碑が建っていて、
海岸にはどことなくエキゾチックな雰囲気が漂っている。





 その像の先には、メルヘンチックな形をした「月の沙漠記念館」が建っていて、作詞者で
ある「加藤まさお」の作品や資料を展示紹介している。
 「加藤まさお」は、大正から昭和にかけて、主に少女雑誌で活躍した挿絵画家で、幾つかの
抒情詩も残している。
「月の沙漠」も、挿絵と共に少女雑誌に発表されたものだ。



 海岸の近くには天然温泉「御宿の湯 クアハウス」が有る。
入浴料は1,000円と少し高いが、寝湯・打たせ湯・気泡湯など、多彩なスタイルで温泉を
楽しむ事が出来る。
湯は源泉かけ流し、ナトリュウム一炭酸水素低張泉のとろみのある黒湯で、入浴後は肌が
すべすべになる。(続)



(この旅行記は、「東日本大震災」発生直前に巡ったものです。)


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東京湾に沿って内房線 (JR乗り潰しの旅)

2012-01-13 | Weblog
 舞浜から京葉線の終点蘇我までは30分程だ。
高層住宅群に混じって、大型ホテル、幕張メッセやロッテの本拠地球場などが
要塞のように建ち、その大きさや容を競っている。
込み合っていた車内の乗客は、海浜幕張で殆んど降りて行った。



 蘇我から安房鴨川までの119.4キロが内房線、そこから千葉まで延びる外房線
で房総半島を一回りしている。

 蘇我を出ると、東京湾に接した京葉工業地帯の工場群が見える。
木更津の手前で、対岸の川崎に向けて東京湾を横断する「東京湾アクアライン」
を潜る。



 木更津では多くの乗客が下りて行った。
大きな製鐵所の有る町、君津で殆どの乗客が下りると、車内の雰囲気も、そして
単線に成った沿線風景もローカル線らしく一変する。
上総湊辺りからは、海の向こうに微かに霞む小さな富士の姿を見ることもできる。



 浜金谷はその昔は石の切り出しで栄えた町、今では温泉が出て、何軒かの旅館や
民宿が東京湾の海の幸を売り物に人気を集めている。
背後には、329メートルの鋸山が控えていて、山頂へはロープウェーが通じている。



 五年前、ここに泊まり、翌朝港から出るフェリーで、対岸の三浦半島の久里浜まで
渡った。夜中に足早に通過した低気圧の影響で、フェリーは欠航の心配も有ったが、
荒れ模様の東京湾を40分ほどで横断した。
 湾の向こうに浮かび上がる富士山や、鋸山を眺めながらでは有ったが、船は大揺
れで、すっかり船酔いしてしまった。(続)



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リゾートの玄関駅 (JR乗り潰しの旅)

2012-01-11 | Weblog
 ユックリは出来ないが、折角だから舞浜で降りてみる。
当地に来たのは、子供たちがまだ小さかった頃だから、もう20年ほども前の事である。



 到着した電車からは、大勢の人々が吐き出され、それは塊となって駅を出た。
深緑色のモダンなゲートウェイデッキが、ディズニーランドの正面入り口に向け延びていて、
そこを歩く人々は、いたるところに込められた演出を見つけては歓声を上げ、それぞれに
期待感を高めながら、誰もが足早に同じ方に向いて先へと急いでいた。



 しかし今回目にした駅前風景は、当時とは随分と変わっていた。
駅の左手には、イクスピアリと言うショッピングセンターが出来ている。
その遥か先には、新たにディズニーシーもオープンしている筈だ。



 目の前をディズニーリゾートラインと称するモノレールが走っている。
路線は単線で、反時計回りに進む単方向で運転され、一周5キロを跨座式の車両が
約13分で各施設を結んでいると言う。 乗って見たい衝動が込み上げてきたが、
それほどの時間も無く今回は残念ながら見るだけだ。



 ランドの正面に向かうゲートウェイデッキの途中には、ボン・ヴォヤージュと言う、
国内最大級のディズニーショップも出来ていて多くの買い物客で賑わっている。

 20年ぶりの駅前には施設が増え、人の流れが変わっていた。
広いデッキの上を、多くの人々が不規則に交錯しながら、雑踏の中を泳ぐように、
それぞれの目指す先へと急いでいる。(続)



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武蔵野線から京葉線へ  (JR乗り潰しの旅)

2012-01-09 | Weblog
 5分ほどの接続で武蔵野線に乗る。
武蔵野線は、千葉県の西船橋までの71.8キロだが、多くの列車はそこから京葉線に入り東京まで
運行されている。



 この路線、首都圏近くを走っているのに、意外なほどにトンネルや切り通しが多い。
府中本町を出るといきなりトンネルに入り、その先、西国分寺から新秋津にかけても長い
トンネルが有る。それを抜けると、住宅地の中に僅かに残った雑木林なども見える。
 武蔵野と言うから、小高い台地と、雑木林が続くのかと思っていたので、イメージ通りでは無いが、
それでも所々に思い描いた風景を見ることが出来る。
 ここら辺りは、首都圏のベットタウン化した宅地に、田園が混然と混じり合うのどかな車窓風景が
展開する。



 西船橋から南舟橋、南舟橋と市川塩浜、市川塩浜と西船橋の間は、所謂「三角線」で、これらは
京葉線に属しているから、これを一回りしてくれる列車が有れば良いのだが、そんな列車は有る筈も
無く、ここは地道に一辺ずつ乗り潰すより仕方がない。





 先ず西船橋から南舟橋に行き、そこから同じ路線で再び西船橋に戻る。
ここから市川塩浜に向かい、さらにその先の舞浜までを目指す。
 京葉線は東京と蘇我を54.3キロで結ぶ路線で有るが、ここは以前ディズニーランドに来た時に、
舞浜までは乗っているので、今回はそこから先、終点の蘇我まで行けば完乗となる。(続)



(この旅行記は、「東日本大震災」発生直前に巡ったものです。)


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