簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
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伊豆の長八美術館(JR乗り潰しの旅)

2015-05-08 | Weblog
 松崎の文化とも言えるなまこ塀や漆喰、それを用いた鏝絵を知るには「伊豆の
長八美術館」が良い。
地元で生まれた左官職人・入江長八の作品を集めた美術館で、多くの芸術的な
作品を間近で見ることが出来る。



 何よりもまず建物が目を引く。
敷地内にある建物は、全国から集まった腕自慢の左官職人によるもので、江戸や
明治の面影を伝える中で、近現代的な展示館の建物が異彩を放っていて、その対
比が面白い。



 入館すると「ルーペ」を手渡される。
一瞬訝って担当者に聞くと「これで作品をじっくりと鑑賞してください」とのことだ。
「大げさな・・」と高をくくっていたが、数々の鏝絵を見て驚かされる。





 鏝絵と言うから大きな鏝で大胆に塗りたくっているのかと思ったが、そうではなく、
想像を絶するような細工が施されている。
糸のように細く伸ばされ、幾重にも重ね立体的に盛り上げられていて、まるで極細
筆で丹念に線を引いたようで、どれも緻密で繊細に描かれている・・と言った表現が
良いのかどうか。





 描かれた作品は、彩色されてはいるが、平面的な絵画とは違い、塑像と言った方
が良いのかもしれない。
こんな鏝絵は、左官の技の域を超え、まさに完成された一体の芸術作品である。

 美術館とは道路を隔てた反対側に、長八の菩提寺・浄土真宗の「淨感寺」がある。
ここは「長八記念館」となっていて、「雲龍・飛天の図」「八方睨みの龍」など長八の
天井絵や漆喰の細工物などの作品を見ることが出来る。(続)






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