昨日、奈良県葛城市にある當麻寺を訪ね、境内を染める紅葉の下を散策してきました。
當麻寺は、白鳳時代(今から1300年以上前)に創建され、奈良時代の三重塔を東西二基とも残す全国唯一の寺で、「當麻曼荼羅(たいま・まんだら)」を本尊とする「極楽浄土の霊場」なのです。
創建時の本尊は弥勒仏(金堂)であるが、現在信仰の中心となっているのは当麻曼荼羅(本堂)である。宗派は高野山真言宗と浄土宗の並立となっていて極めて珍しい存在なのです。
金堂と東西両塔の間には後世に中之坊、護念院などの子院が建てられ、今回は中之坊と西南院の庭園を訪ねました。
まず、中之坊です。
後西天皇が愛でた大和屈指の名園「香藕園(こうぐうえん)」や丸窓の茶室など文化財も豊富で、當麻寺1300年の伝統を最も伝える寺院として親しまれています。今の時期は、重要文化財の書院や茶室に立ち入ることができました。
庭に廻り、片桐石州が改修したことで知られる大和屈指の名園を歩きます。心字池を中心に飛び石を配し、極端に低い土塀で二段構えにして奥行きを持たせ、背後の三重の塔を映えさせています。
▲名園「香藕園(こうぐうえん)の心字池には三重塔東塔が写ります。
▲低い土塀で二段構えにして奥行きを持たせています。この景色が好きです。
次は、「関西花の寺第21番」の西南院(さいなんいん)の庭に向いました。
池泉回遊式庭園は、江戸初期に作られたものです。
文字通り當麻寺境内の西南に位置し、裏鬼門の守り寺院として創建されたものです。
見晴らし台からの眺めからは、東西の三重塔(国宝)ふたつを一度に拝むことのできる貴重なスポットです。
池に向って、しなだれかかる紅葉の枝の裏側から見る景色、そして、振り返って見る緑の中に黄色と紅色が浮かび上がる景色・・・なかなか見事です。
ここのモミジは、枯れた葉っぱも無く、見事な色合いです。
▲この心字の池にも三重塔西塔が写りこみます。
▲見晴らし台からは、東西の二つの三重塔が見られます。
▲山すその小道を登り、モミジの枝越しに下を見下ろすと・・・。
▲順路を振り返り庭園を見渡すと・・・緑の中に黄・紅色が・・・映えます。
▲庭園に咲いていた花です。テッセン、シャクナゲ、ウツギです。右上の白い花は不明です。