スターアニスの 『大和路 里の光彩』

アーカイブ中心の風景写真、趣味の書・刻字など・・いろいろと楽しんでおります。

国宝・三井寺展・・・天台密教の秘仏を見て・・

2008-11-11 19:22:38 | 出来事

▲左:入場券です。右:大阪市立美術館で催されています。会期は11月1日~12月14日まで。

西国三十三所観音霊場の第14番札所としても知られる「三井寺」が所蔵する秘仏や絵画を中心に国宝・重文約190点が、また関係する全国の寺からのものなども含めると総数249点もの美術品が、大阪市立美術館で展示されています。

何しろ、一度にこんなに多くの秘蔵物が展示されるとあっては・・・見ないわけにはいかない。
特に最近、興味を持ち始めた平安時代の仏像が観られるとあっては・・・・尚更のことで・・・。

琵琶湖を見下ろす眺望の良い長等山(ながらさん)中腹に建つ「三井寺」は、正式名称を長等山園城寺(おんじょうじ)といいます。
「三井寺」の名の起こりは、境内から湧き出る霊泉が、天智・天武・持統三帝の産湯に用いられたと言われていて、『御井(みい)の寺』から転じたと言われています。

白鳳時代686年に創建され、平安時代前期(9世紀)には唐に渡った智証大師円珍(ちしょうだいしえんちん)が天台寺院として中興したのです。

この円珍が、6年にわたる唐での修行ののち、密教の聖教類とともに、図像や法具類などを多数持ち帰ったのです。それゆえ三井寺は、日本でも有数の国宝・重要文化財を保持しているのです。
そして今年、円珍が唐から帰朝して1150年にあたり、これを記念して催されたのが「国宝・三井寺展」なのです。


▲案内パンフです。重要文化財の「不動明王立像(黄不動尊)」(鎌倉時代)が載せられています。

展示されている国宝の「智証大師坐像(御骨大師)」・・・頭の形が今までの像には見られない独特な形です。オニギリのような・・・・。
同じく国宝の掛け軸である「不動明王像(黄不動尊)」・・・千年以上の歳月を経て・・・薄くなって見づらいのですが、よくぞ今日まで残っていたなぁと・・・ため息が出ます。

他にも見応えのある図像や法具類など、美術品としても価値のあるものを、じっくり見た。
その中に、「小野道風」が書いた勅書(天皇の大命を布告する公文書)があった。「勅 慈雲秀嶺」にはじまる文・・・・さすが三蹟と言われる道風34歳の書・・・量感あふれる重厚な書体に・・・うっとり見入ってしまった。

尚、私のお気に入りの仏像は下記のとおりでした。
<いずれの写真も絵葉書から複写したものです。>


▲上の段左:重文・十一面観音菩薩立像(平安時代)、右:重文・如意輪観音菩薩坐像(平安時代)、下の段左:重文・千手観音立像(平安時代)、右:阿弥陀如来立像(鎌倉時代)。

コメント (4)
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