時々、突風が吹く昨日の夕方、ガラス戸に珍客を迎えた。
カゲロウ(蜉蝣)の成虫だ。
全長(シッポの先まで)は、7cmほど。やや白っぽい羽根を背中の上で垂直に立てている。
ガラスにへばりつき、動こうとしない。強風で飛ばされそうになり羽根をあおられながら、足とシッポで踏ん張っている。
この虫は昔、夏の夕方に何百匹もの大群が現れ、網で追いかけたこともあった。
でもここ30数年、見かけなくなっていたのだ。
渓流の水の澄んだ綺麗なところに幼虫がいるとか。
我が家の周りで見かけるということは、農薬散布が少なくなったせいだろうか。これは嬉しいことだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/57/21538ba1826711528a8d84866f1e90e6.jpg)
この虫は、渓流釣りの餌として、釣り場で飛んでいるのを捕まえるのだと聞いたことがある。
また疑似餌のモデルとされているとも・・・。
交尾・産卵をするためだけに成虫になるので寿命は極めて短かく、孵化して数時間後から2~3日で死んでしまうため、魚の餌として捕まえておくことは出来ない。
捕まえるとすぐに死んでしまって・・・かなり軟弱なのだ。
学名のギリシャ語は「1日の存在」から名づけられているとか。
日本語のカゲロウという名前は、空気が揺らめいてぼんやりと見える「陽炎」に由来するとか、またこの虫のヒラヒラ飛ぶ様子からとも、更に成虫の命の儚さからとも言われているのです。
この虫は、円筒形の体と2対の羽根、そして2~3本のシッポが特徴だ。また頭に3個の単眼とよく発達した1対の複眼があって、頭のかなりの部分を占めていて、身体のバランスが良くない。遠くに飛べない体形だ。 口の構造は退化的で、通常は摂食機能が無く何も食べず、また人に噛み付くこともしないのです。
なんというつつましい、というか、哀れというか・・・・侘びしい・・・こんなに儚い一生を送る昆虫もいるのです。