穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

「宇宙消失」(3) 

2021-11-14 08:28:50 | 書評

多元宇宙物は収穫なし

インターネットを漁って出てきた「多元宇宙物」のリストで市場(新刊本)で見つけたのは「宇宙消失」のみ。市場性がないのだろう。あるいは、こういう言い方をしてもいいのか、まともなものは書けないと。
もっとも、ある人によるとベスターの「虎よ虎よ」も多元宇宙物だという。この本はどこの本屋にも大体ある。へえ、そうだったの、と大分前に読んだ内容を思い返そうとしたが出来ない。ただつまらない小説だという印象は残っている。

ということで、多元宇宙物を書くなら量子力学ブルのはうまくいかないと思った。そうすると、どこにタネをもとめるか。今のところ考えているのは、幕末の国学者である平田篤胤の「霊の真柱」くらいだ。それと戦前の国粋主義者である川面凡児くらいかな。

量子力学は立派な実績のある分野らしいが、SFをひねり出すのは無理があるようだ。すぐにいかがわしい「シュレディンガーの猫」という『思考実験』を援用するようじゃ駄目だ。

次回はメタ・メタに見た量子力学、ちょっとSFからは離れます。

おことわり;平田篤胤や川面凡児が出てきてびっくりさせたかもしれません。

それがSFなのかよ、といわれそうです。ま、似非科学的な意味ではSFではありません。しかし、未来ものなんですね、そうするとSFなのかな。ま、ジャンルはなんでもいいんですがね。

 

 

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