穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

参考書「作家の値打ち」その後

2022-02-02 09:16:51 | 書評

 上記の書評本に出ているエンタメ系の文庫本について、池袋ウエストゲートパーク、重力ピエロについては書いた。その後クライマーズハイ、不夜城、果つる底なき、を手に取った。通読したものもあり、途中で呆れてほうりだしたものあり、だが評点をつけると
A 重力ピエロ 70点台
B クライマーズハイ 60点台 可もなく不可もなし
C 池袋WGP 五十点台
D 果てる底なき 五十点台 読み終わって「ヤレヤレ」と肩の荷が下りた安堵感あり。
E 不夜城 通読不能 四十点台 同工異曲のバイオレンス描写の連続

点数を付けるなどと言う器用な真似は出来ないが、無理をして付けるとこんなところか。
今回は「果てる底なし」について数言。文語はWPで一発変換できないので、果てる、でいく。
これはクライマーズハイにも通じるが、登場人物が多すぎてキャラ分けが不十分。組織(企業)小説、(銀行内、金融機関)小説だから登場人物が多くなるのは分かるが誰が誰だが読み進むと分からなくなる。つまり人物描写、登場人物の出し入れに工夫がない。組織小説では役職がキャラの重要な構成要素であるが、面倒くさいのか初出以外は名前だけで行くから、読み進むと誰が誰なのか分からなくなる。これは不夜城も同じ。不夜城の場合はシナ人名の紛らわしさの問題も加わるが、これについては次回触れたい。
なお、この小説に関しては小川榮太郎氏の誉め言葉にはまったく同意できない。

 


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