穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

書評家の上前をはねる番外編;中国人名表記の問題

2022-02-03 08:30:55 | 書評

三体、宇宙消失、不夜城。三題噺ではないが、何を連想しますか。
共通点1:多数の中国名人物が登場する小説。
共通点2:数十ページから百ページ未満で通読不可となる。
 さて、今回は小川榮太郎先生ご推薦の不夜城(84点)を読書放棄した時点でいやでも気が付いたことがある。いずれも中国人が多出する。そして読んでいくうちに誰が誰だか分からなくなる。主要人物が二、三人なら、どんなに描写が下手でも混乱することは無いでしょう。上記の作品はどうしてこんなに次から次に出てくるのかと、嫌になってしまう。そして判別できればまだいいのだが、A=B=C=D、以下同じに見える。読書放棄となる。
 人名表記の問題もあるようだ。ほとんどが漢字三文字で表記されるが、これが馴染めない。日本人名も漢字だがこれは馴染んでいる漢字だからいい。
もう一つ不思議なのは台湾人ならともかく、本土人には略字と言うか簡字体というかが、あるでしょう。人名にも新字体を使うのではないか。よく知らないが。ところがみんな旧来の字体だ。これって翻訳者が簡単字体からわざわざ本来の字体に、日本人読者用に戻しているのかしら。
 ま、どっちでもいいが、なじみのない字が多く、また本字は画数が多い。それが小さな活字で印刷されていると読むのに苦労する。みんな同じの黒い塊に見える。それにご親切にルビが振ってあるが、当然超細微なフォントになるから虫眼鏡で見なければならない。エンタメ本を読むのにルーペを脇において読みますかね。それでもキャラの出し入れに工夫があればともかく、芸もなく次から次へと繰り出されては、勘弁してよ、となる。



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