題名の赤と黒が何を表すか。結論=不明
Wikipediaによると赤は軍人、黒は聖職者という説が紹介されているが、赤は軍服に多いというので分かるが、黒が聖職者というのは意味不明である。仏教なら墨染の衣と言われてわかるが、キリスト教では黒が聖職者を代表する色ではない。それに、ソレルがパリの有力政治家のひきでパリに出てきたが、その周りの人間がみんな黒い服を着ているという記述があり、作者が黒で聖職者を表してたというのはいただけない。むしろ作者の言うように黒は腹黒い王政復古派の政治家ととるのが自然だろう。
ソレルは出世の道として最初は、だれでもがそうであったようにナポレオン崇拝者でもあったが、パリに出てきて政治家としての野心が出てきたという王政復古後の若者の通弊ととるのが自然だろう。
大体、作者が題名を解題していない(下巻初めまで)のも妙だ。大体このくらいまで読むと題名が腑に落ちるのが普通なんだけどね。
むしろ赤は情欲(夫人との関係)で黒は主人公が失敗して最後は死刑になることを表しているのか知れない。