min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

名残り火(てのひらの闇Ⅱ)

2007-10-21 16:03:24 | 「ハ行」の作家
藤原伊織著『名残り火(てのひらの闇Ⅱ)』文芸春秋 2007.9.30 1619円+tax

オススメ度 ★★★★☆

藤原伊織氏の最後になってしまった作品。あの『てのひらの闇』の続編である。

親友である柿島の死をめぐりその真相究明に乗り出した堀江雅之。
今はひとりで経営する堀江企画の代表であるがかって属したタイケイ飲料宣伝部課長時代、彼を慕い強力にサポートした元部下大原真理子女史が再登場し、更にドカティをぶっ飛ばすナミちゃんも顔を出すにいたって読者はニンマリとし前作の記憶を懐かしく思い出すしかけになっている。
一匹狼で真相を探る堀江の前には新たに三上という容貌魁偉な社長が登場し、あんに反し彼の強力な助っ人となり、警察側にも極めて味わい深いキャラを持った関根という刑事が登場し脇を固める。
コンビニ業界の裏事情とその経営を巡る思想の違いがやがて殺人事件に至る紐解きはある意味意外性がありながら現実性に乏しい面もさらける。
だが、そんな枝葉末節な事を忘れさせる著者のストーリーテリングの巧みさはさすが!と唸らざるを得ない。
彼に続いた打海文三氏といい、同世代作家の中でも抜きん出て好きな作家のあまりにも早すぎる逝去にただただ残念としか言いようが無い。合掌。

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