min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

ジョン・ハート著『アイアン・ハウス 上・下』

2016-02-12 15:32:04 | 「ハ行」の作家
ジョン・ハート著『アイアン・ハウス 上・下』ハヤカワ文庫 2012.1.20  第一刷 

おススメ度:★★★☆☆

マイケルは凄腕の殺し屋としてこのギャング組織のボスオットー・ケイトリンに彼の実の息子以上に可愛がられていた。そのボスは今不治の病で床に伏していた。マイケルは彼女が出来そして彼女が妊娠したことをきっかけにギャング組織から足を洗おうと決意した。ボスは理解してくれたがそのNO2である息子ステヴァンとマイケルを殺し屋として訓練したジミーは組織への裏切りだとして頑として認めなかった。
ギャング組織から抜けようとして戦う殺し屋の話はよくある話で、最近もキアヌ・リーブス主演の「ジョン・ウィック」をみたばかりで、似たストーリーかと一瞬思ったが、さすがジョン・ハート、あの映画の物語ほど単純おバカなものを書くはずがない。
ボスが死に先述の組織の二人の制止を振り切ってマイケルは彼女を連れて逃走を図るのであるが、組織のボスの息子ステヴァンの一言、マイケルの弟の身にきおつけろ、という言葉で急遽分かれて暮らすことになっていた弟の元へ赴く。
実は二人の兄弟は幼い頃捨て子になり、とあるノース・カロライナの山中にある施設に預けられた。そしてある日里子に欲しいという人物が現れ二人とももらわれて行くはずが・・・ここから運命は二人の兄弟を引き裂き、兄は前述のギャングのボスの元へ、弟は富裕な上院議員宅へもらわれていったのだが・・・
この間逃げるマイケルと彼女を追うギャング一味との壮絶なバトルが展開され、更にマイケルの弟の住む上院議員宅へ舞台がうつり更に激しい攻防戦が繰り広げられるのか!?と思いきや物語は思わぬ方向へ向かいだす。
マイケルと弟の出自を巡るミステリアスな展開は止まる所を知らないかのように読者を振り回す。下巻はあまりにもこの点に深くハマリ、一種中だるみ感を覚えたほどであったが、最後事態は一挙に走り出し、結末はかなり意外な結果となる。
作者ジョン・ハートと言えば「川は静かに流れ」そして「ラスト・チャイルド」で読ませた重厚なタッチを今回も期待したのであるが、ちょっとばかし期待が外れた気がする。

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