min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

晴れ、ときどきサバンナ

2008-04-28 07:53:39 | ノンフィクション
滝田明日香著『晴れ、ときどきサバンナ』冬幻舎文庫 H19.2.10 533円+tax

オススメ度 ★★★★☆

本屋の店頭でこの文庫本を手にした時、「もしも安直な旅行記であれば、やめよう」と思い、中身をパラパラとめくってみた。
どうも無鉄砲な日本の女の子の旅行記ではなさそうだ。先ず、彼女の履歴に目がいった。
父親の仕事の関係で6才の頃からシンガポール、フィリピンと渡り歩き、この本の出だし部分はアメリカの北部の大学で、教室と図書館の往復を繰り返「猛勉強」の最中であった。
それが父親からの電話一本が彼女の人生の運命を大きく変えることになる。

彼女はアメリカの大学在学中に8ヶ月ほどアフリカ、ケニヤのマサイ・マラ国立公園のロッジ(ホテルと思えばよい)で働く機会を得た。
彼女は元々生物学、動物学に興味を持って勉強してきたのであるが、机上で学ぶことと現場で学ぶことの落差に驚く。
彼女はケニアのサバンナの中で、動物保護のあり方、地球環境の問題、などの難しさに触れるとともに、漠然と将来はアフリカの大地に住んでみたいと思う。
一時帰国し大学に戻ったものの「重度のアフリカ病」に罹患してしまったことを自覚。気がついたときはボツワナ行きの切符を手にしていた。

彼女は現在マサイ・マラにてマサイ族の人々のために獣医として活躍している。本編は彼女が再びケニアにたどり着くまでの4度に渡るアフリカ行について記されている。
浮ついた気持ちではなく、自分の目標をしっかりと見据えて人生に立ち向かう彼女の生き様は読んでいて気持ちがよい!