笹本稜平著『恋する組長』光文社刊 2007.5.25
オススメ度 ★★★☆☆
東京近郊のS市で探偵事務所を開いている主人公の俺。女子事務員ひとりだけの典型的な日本の探偵事務所なのだが、顧客に特徴がある。
事務所の売り上げの大半を占めるのが、S市を牛耳る3つのヤクザ組織からの依頼物件であり、中でも山藤組が最大の顧客である。
若頭の近眼のマサを通して持ち込まれる山藤組組長の橋爪からの依頼内容は、大抵が奇妙で無茶苦茶なものが多いのだが、断ればS市の港の魚のエサになりかねない。
山藤組の他の2つのヤクザ組織ともちゃっかり仕事をもらう探偵であるが、ここに強烈なゴリラという渾名の地元刑事が探偵を悩ます。ゴリラはがっちりこれら地元ヤクザと通じているからだ。何かと探偵にからんでくるのだ。
探偵事務所の女子事務員もまた強烈なキャラを持っており、これらの登場人物が織りなすドタバタ喜劇とも受け取れる物語が進行する。
さて、本編はいくつかの物語を持った短編なのであるが、著者笹本稜平氏は元々骨太な長編冒険小説を上梓していた作家である。
代表作には『グリズリー』『太平洋の薔薇』『極点飛行』などがあり、国際的なスケールを持った僕のお気に入りの作家である。
その後『マングースの尻尾』などで短編を披露したのは記憶に新しい。
だが、探偵物でかつこのようなタイトルがつくと、僕なんかは穿った見方をするので「ああ、ネタ切れでこんな路線に走ろう、ってぇ魂胆か」と引いてしまう。
この作品の存在は知るものの、なかなか手を出さなかったのであるがたまたま図書館にあったので読んでみたわけだ。
結論としては、「さすが、笹本さんだ!」と認めざるを得ない?出来映えだ。
肩肘張らず、小説を純粋に楽しむにはとても満足できる作品ではないだろうか。
蛇足:この作家も最近「警察物」に走っているようだが、みなさん、あまりにも傾向が同じ、というのはなんか嫌だなぁ・・・
オススメ度 ★★★☆☆
東京近郊のS市で探偵事務所を開いている主人公の俺。女子事務員ひとりだけの典型的な日本の探偵事務所なのだが、顧客に特徴がある。
事務所の売り上げの大半を占めるのが、S市を牛耳る3つのヤクザ組織からの依頼物件であり、中でも山藤組が最大の顧客である。
若頭の近眼のマサを通して持ち込まれる山藤組組長の橋爪からの依頼内容は、大抵が奇妙で無茶苦茶なものが多いのだが、断ればS市の港の魚のエサになりかねない。
山藤組の他の2つのヤクザ組織ともちゃっかり仕事をもらう探偵であるが、ここに強烈なゴリラという渾名の地元刑事が探偵を悩ます。ゴリラはがっちりこれら地元ヤクザと通じているからだ。何かと探偵にからんでくるのだ。
探偵事務所の女子事務員もまた強烈なキャラを持っており、これらの登場人物が織りなすドタバタ喜劇とも受け取れる物語が進行する。
さて、本編はいくつかの物語を持った短編なのであるが、著者笹本稜平氏は元々骨太な長編冒険小説を上梓していた作家である。
代表作には『グリズリー』『太平洋の薔薇』『極点飛行』などがあり、国際的なスケールを持った僕のお気に入りの作家である。
その後『マングースの尻尾』などで短編を披露したのは記憶に新しい。
だが、探偵物でかつこのようなタイトルがつくと、僕なんかは穿った見方をするので「ああ、ネタ切れでこんな路線に走ろう、ってぇ魂胆か」と引いてしまう。
この作品の存在は知るものの、なかなか手を出さなかったのであるがたまたま図書館にあったので読んでみたわけだ。
結論としては、「さすが、笹本さんだ!」と認めざるを得ない?出来映えだ。
肩肘張らず、小説を純粋に楽しむにはとても満足できる作品ではないだろうか。
蛇足:この作家も最近「警察物」に走っているようだが、みなさん、あまりにも傾向が同じ、というのはなんか嫌だなぁ・・・