老いの途中で・・・

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植物と人間のつながり-Ⅰ “植物と数学”           その2  ~フィボナッチ数列・黄金比~ 

2017年01月04日 20時26分34秒 | 園芸福祉・植物とのつながり
 まずは、フィボナッチ数列との関係です。

 フィボナッチ数列とは、イタリアの数学者フィボナッチ(1170~1250)による「ひとつがいのウサギが、産まれて2ヶ月後から毎月ひとつがいずつのウサギを産むとすると、何つがいの兎になるか?」という問題から出てきた数列で、1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, 610, 987, 1597, 2584, 4181, 6765……となります。(最初の二項は1,1と定義され、以後どの項もその前の2つの項の和となっています)

 この数値が有名なのは、隣り合うフィボナッチ数の比(例89:144、610:987、987:1597など)は黄金比 (Φ≒1.618)に収束することで、この黄金比は非常にバランスが良い比率と言われており、ピラミッド、パルテノン神殿といった西欧や地中海文明の歴史的建造物や数多くの絵画、彫刻などの中にも見出すことができるといわれています。


 一見、植物とは関係のなさそうな数列なのですが、植物とも色々な関係が指摘されています。まず挙げられるのが葉序です。

 葉序は植物の茎に対する葉の付き方をいいますが、一般的には、効率よく日光を受ける為に茎からラセン状に周りながら葉が位置をずらして様々な方向に出る互生が多いようです。
この互生葉序の場合に、基準の葉を決めてその真上にくる葉を探して見ます。まず基準の葉から真上の葉まで何回転しているか(X)、そして、基準の葉から真上の葉まで何枚の葉があるか(Y)を観察し、X/Yを葉序といいます。

 例えば、一つ上の葉との角度が180度(開度180°)であれば葉序1/2(1周して2枚目が重なる)、開度120°であれば葉序1/3、開度144°なら5枚目ごとに葉序2/5(2周して5枚目が重なる)、開度135°なら葉序3/8(3周して8枚目が重なる)となります。
下の写真はヒマワリで、3/8葉序の例です。3周して8枚目が基本の0と重なっています。(Pukiwiki版「科学的逍遥」より引用させていただきました。)
このように葉序には上に挙げたフィボナッチ数列が関わっている場合が多いのです。

 ご存知のように植物は葉で光合成をしますので、茎が直立に近い場合はこの葉序のXが小さいほど上と下の葉が近くで重なるので光合成の効率は悪くなり、逆にXが大きければ各葉の日当りが良くなることになります。理論上では開度が黄金角<360°÷ (1.618+1)≒137.5°>なら上下の葉の重なりは無いようです。

 このようなことからも「植物は数学を知っている」と言われる所以になったようですが、この葉序が問題になるのは、茎が直立に近い場合で、横に伸びる場合は余り関係がないようです。

 また、葉だけでなく花びらの数や果実(ヒマワリや松ぼっくり、パイナップルなど)の並び方にもフィボナッチ数列が見られるとの観察も多いようです。


<余談①>
昔、教わったことがありますが、黄金比(φ≒1.618)が英語で黄金数(Golden Number)と呼ばれのは、
Φ x Φ ≒ 2.618 (Φ+1)
1 ÷ Φ ≒ 0.618 (Φ-1) というような面白い数字でもあるからです。

<余談②>
日本では黄金比よりも白銀比<1:√2(≒1.414)>が好まれているようで、法隆寺などの建築だけでなく、最近ではドラえもんやキティちゃんなどもこの白銀比でデザインされたとのことです。
また、日常使うA版とかB版と呼ばれる用紙もこの比率になっていますが、この用紙は半分に折ることを何度繰り返しても原紙の形から変わりません。(まさ)



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