老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

トランプ大統領の訪日・訪韓について

2017年11月10日 19時12分30秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 米国のトランプ大統領が初の東南アジア訪問をされていますが、その内の訪日・訪韓に関して気になった点を記します。

 まず訪日関係ですが、両首脳の『(北朝鮮対策に関して)完全な一致を見た』との得意満面の発言に象徴されるように、日本は米国の行動に対して100%の支持を与えたようです。

 それぞれ支持率40%に満たないにも拘わらずまるで全国民の支持を得ている様に振る舞う両首脳が、具体的にどのような話し合いをしたのかは殆ど報道されていませんし、ゴルフをしながら通訳を通じずに二人だけの密談など、正式な議事録等も作成されないでしょう。危なくてしかたありません。

やはり、国と国の方針を決める重要事項に関しては、関係者を交えて正式な文書として残し、検証可能な形にしておくのが正常な外交ではないでしょうか。


 更に危惧するのは、“完全な一致を見た”と自慢そうに話した、日本の首相の発言の今後の波紋です。
・予測不能で思い当たりの政策を打ち出すトランプ政権に対しては、米国の支持率もジリ貧傾向ですし、ロシア疑惑の広がりもあり、欧州を中心にして懸念が広がっています。

・このようなトランプ大統領に対して、安倍首相を初めとする政府首脳はまるでご主人様に使えるポチ丸出しの接遇でしたし、他国から見れば“日本はトランプとの心中を覚悟した”と判断されても仕方ないでしょう。

・従来も両国の間には非常に親密な関係がありましたが、少なくとも日本にある憲法9条のお陰で、こと軍事面については同一の行動を拒絶できる関係にあり、それにより日本独自の外交策を採ることで、ある程度世界の平和に貢献できることが出来たと思います。
それが、このような従属関係を嬉々として表明することにより、世界から日本はアメリカの属国のような判断をされ、今後は独自の外交展開等は期待できないでしょう。



 更に、トランプ大統領の訪韓を巡る日本のマスコミ(特にTV関係)の報道の在り方に対して大きな疑問を感じました。
即ち、多くのTV(と言っても昼間のバラエティ風の番組ですが)の取り上げ方は、トランプ大統領の安倍首相との仲の良さと、文大統領への対応の違いを、まるで日本の外交の勝利のように扱ったり、韓国での晩餐会への元慰安婦の同席や、竹島付近で採取されたエビが供されたことに対する過大なまでの批判的な報道をしていたように感じました。

 元慰安婦問題は既に政治決着済みとか、後者のエビ問題は領土問題に絡むだけに色々な意見があるでしょうが、こと北朝鮮の脅威に対して共同で対応しようとしている時期だけに、報道機関としてはもっと別な捉え方があるのではないかと思います。即ち、

・まず韓国と北朝鮮は同じ民族で構成されていることを考え、更に万が一の場合には韓国が戦場になりえることまでを考慮した上で、韓国独自の北朝鮮に対する微妙な考え方をある程度理解することの大事さ。

・距離的にも近いだけに、日本/韓国の間には古くから色々な交流がありますが、経過はどうあれ明治以降のある期間にわたり、日本が韓国を支配下に置いていたことは事実で、その間において庶民レベルでは日本に対する不信感を募らせるような事柄があったのも事実でしょう。
このような身に浸みた屈辱感は金銭賠償とか国家の条約により簡単に消えるものではなく、日本サイドも「解決済み」というような一方的な断定ではなく、例え政治的には一応の決着があったにせよ、かって被害を与えた側であるという心情的な謙虚さがない限りは両国間の真の理解は進まないことを再認識すべきだと思います。(まさ)

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