老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

衆議院議員選挙に思うこと  ~次世代が夢を持てる国に~

2017年10月11日 19時16分13秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 いよいよ衆議院議員の選挙が始まりました。
先制攻撃したつもりの安倍総理が、希望の党の創立を促進させ、さらに民進党の解党的分裂という事態を招いたり、今後の有利な提携先を模索する公明党や維新の党などの不安定な動向など、俄に波乱含みの選挙になりました。

 最大の話題であった希望の党の小池氏の出馬はありませんでしたが、同党の保守的な傾向は日毎に強くなり、選挙後の自民党の一部と希望の党を柱とした連立政権の噂など、当初国民が抱いた希望の党への期待から大きく変わりつつあり、とに角色々な策略が飛び交う劇場型の政界の動きなど庶民にはとても理解できません。

 一応、各党の国民に対する約束である公約らしいものが出揃いましたが、それによるとやはり各政党とも基本的には、選挙目当てとはいえ、現代バイアスを基本にしたものです。

 即ち、そこには将来の世代や世界の在り方を見据えた上でより良い日本を求める理想像などは殆どなく、それよりは選挙民を引きつける為の“我々の世代さえ良ければ!”という目先の策しか読み取れません。選挙民も随分と馬鹿にされたものです。


 私たちが子供のころであった終戦直後は、国土は疲弊し大部分の国民は満足な衣食住にも恵まれない状況でしたが、非常な活気がありました。新しい憲法が制定され「自由・平等・平和」と言う事が非常に身近に感じられ、大人達も将来の民主主義的な日本に対する希望や夢というものを大事にして、新しい国造りに向かって懸命に努力をしていることを子供たちが肌身で感じていたからでしょう。

 それに比べて、現在は有り余るほどの物質文化に恵まれながらも、子供たちがそのような充実感を感じているとはとても感じられません。
経済や社会の仕組みの細かいことははっきりと判らなくても、溢れかえる情報で、この国が格差を容認する経済主導の国で、またこの国をリードすべき人たちが自分に近い人を贔屓したり、平気で嘘をついたりしており、更にある意味で恵まれた現在の生活のツケを自分達が荷負わざるを得ないという漠然とした不安を感じているからでしょう。

 この国の政治家や大人たちは、そろそろこの国の在り方を真剣に変えることに正面から向かうべきだと思います。現代バイアス的発想である“自分たちさえ良ければ!”“我々の世代さえ良ければ!”という観点ではなく,
“将来の世代や、日本全体や地球の為に…”を次の世代達に身を持って示せる政治に…

 そのような提示が出来ないからこそ、単に選挙での票獲得を目指した経済優先の小手先の方策だけを評価し、将来世代に繰り越す負の遺産をどんどん増やし、国際政治においてもその発言力はどんどんと縮小して行くのでしょう。


 こういう意見を言うと、“尻が青い世間知らず”という誹りや非難を受けることは充分に覚悟していますが、やはり政治家や大人たちは将来を見据えた上で、真に国民を守り、世界平和に貢献できるような日本の姿や夢を次世代の人に提示すべきだと思います。

 現在の国の財政状況や原発からの脱却に伴う色々な問題点など、例え不都合なことでも積極的に公開し、それに対する打開策を明示した上で、政府や大人たちが先頭に立ってその苦難を乗り切るための我が身を切る態度を示さなければ、次世代を担う人達にはとても顔向けできないでしょう。

 現に、今年のノーベル平和賞は、我が国が米国に遠慮して参加も賛成もしていない「核兵器禁止条約」の制定を目指して地道な活動を続けてきた“核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)”に授与されました。
 例え多くの大国が政治的配慮から賛同しなくても、人類の平和な将来の為には“核兵器”に対する明確な“NO”を評価したことになり、理想と夢を忘れて目先の利益ばかりを評価する現在の日本の政治の在り方に対して、はっきりと見直しを迫っているのだと思います。(まさ)

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