老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

市川昆監督の戦争映画  その①  ~「ブンガワンソロ」~

2017年08月25日 19時38分29秒 | その他
(ここのところ、目まぐるしくタイトルが変っていますが、暫く映画の話題にお付き合い下さい)

 毎年終戦記念日である8月15日前後には、戦争に関する映画が放送されることが多いのですが、今年は市川昆監督の戦争映画が一挙再放映されましたので、その内の3本を収録の上、その後空いた時間を利用して観ていましたが、先日観終えることができました。

 市川昆監督と言えば、独特のアップ撮影を好まれる手法で、嫌われる方も少なくないようですが、人間性をはっきりと捉える方法として、私が好きな映画監督の一人でもあります。

 この3本の戦争映画については、戦争を扱いながらも軍隊の上層部の葛藤などではなく、東南アジアの第一線に放り出され無我夢中で“命”と向き合わざるを得なくなった兵隊たちがテーマになっていますし、カラーではなくモノクロなのが余計に戦争の悲惨さを余計に感じさせてくれました。

 この3本の映画は、映画好きの方ならご存知でしょうし、私も何れも以前に何回か観ているのですが、このように纏めてみると市川昆監督の戦争に対する姿勢が改めて感じられました。
少し長くなりますが、3本の映画を紹介しておきましょう。


ブンガワンソロ  (1951公開  新東宝)
 金貝省三の原作を市川崑が和田夏十とともに脚色し監督した戦争悲話
三人の日本軍脱走を、池部良、森繁久弥、伊東雄之助が演じており、他に久慈あさみや藤田進などが共演しています。
 
 因みにブンガワンソロとは、ジャワ島中部を流れるジャワ島で最長の川であるソロ川のことで、有名な「ブンガワンソロ」という音楽は、グサン・マルトハルトノ(Gesang Martohartono)という音楽家が1940年頃に作曲したもので、インドネシアの大衆音楽・民謡として有名です。

 また、余談ですが、私は仕事の関係で1970年代ごろにインドネシアに行く機会が多く、その時に列車からソロ川を見る機会がありましたが、「ブンガワンソロ」の日本語の歌詞にある“清き流れ”ではなく、茶色に濁った川で少しがっかりしたのを覚えています。(まさ)