Sightsong

自縄自縛日記

渋大祭@川崎市東扇島東公園

2019-09-18 06:58:13 | アヴァンギャルド・ジャズ

渋さ知らズ30周年記念のイヴェントが「渋大祭」として開かれた(2019/9/16)。

扇島なんて行ったこともなかったが、川崎駅から無料シャトルバスが何本も出ていて、案内もスムーズ。乗り込むときにステッカーを貰ったので、すぐにキンドルに貼った。しばらくは小雨と風で寒く、Tシャツ1枚の自分は馬鹿ではないのかと思ったが、なんとかなった。

あまりにも豪華でことごとくが愉しいという、今まで体験したこともない音楽フェス。以下備忘録として。

■ 渋さ知らズ

Hideki Tachibana 立花秀輝 (as)
Keizo Nobori 登敬三 (ts)
Yoichiro Kita 北陽一郎 (tp)
Daisuke Fuwa 不破大輔 (b)
Jun Isobe 磯部潤 (ds)
Ippei Kato 加藤一平 (g)
Dancers

オープニングは渋さチビズ的に。登敬三の循環呼吸による地べたを掻くような太いテナー、加藤一平のぎらついたソロ。しかし一方で、白塗りが、バナナが、すべての権力を無化する。立花さんのアルトは吠えるとともに意外にも硬軟取り混ぜている。ここでまた登さんのテナーが重力を引き寄せる。北陽一郎のペットは粘着するほどにエッジが立っている。

■ 渋谷毅オーケストラ

Takeshi Shibuya 渋谷毅 (p, org)
Kosuke Mine 峰厚介 (ts)
Koichi Matsukaze 松風鉱一 (bs, as)
Eiichi Hayashi 林栄一 (as)
Kenta Tsugami 津上研太 (ss, as)
Osamu Matsumoto 松本治 (tb)
Akihiro Ishiwatari 石渡明廣 (g)
Katsumasa Kamimura 上村勝正 (b)
Akira Sotoyama 外山明 (ds)

Side Slip、Ballard、Three Views of a Secret、Jazz Me Blues、Soon I Will Be Done With The Trouble Of The World。PAがしっかり効いていて、そのためもあってか、各プレイヤーの音の迫力が増幅されている。林さんのアルトはどこかに突き刺さり泡立ち凄い(横で津上さんが笑っている)。松風さんは風で音が飛ばされるからフルートはどうかなと話していたが、その通り、バリトンとアルトに専念。相変わらずしみじみと沁みてくる師匠の音。泣きのギターとホーンズ、素晴らしい。

■ 栗コーダーカルテット

Masaki Kurihara 栗原正己 (recorder, melodica, etc.)
Yoshiyuki Kawaguchi 川口義之 (recorder, sax, etc.)
Koji Ataka 安宅浩司 (recorder, ukulele, etc.)
Takero Sekijima 関島岳郎 (recorder, tuba)

近くで泉邦宏ひとりオーケストラの爆音が鳴り響くアウェーの中で、実に愉しくも可愛くもあるアンサンブル。この日はやはり風を考慮してか、関島さんはほとんどチューバを吹いた。「ピタゴラスイッチ」のテーマからはじまり、「本多工務店のテーマ」など渋さの曲も演った。いや良いなあ、アルバムも聴こう。

■ MULL HOUSE

Akihiro Ishiwatari 石渡明廣 (g)
Eiichi Hayashi 林栄一 (as)
Katsumasa Kamimura 上村勝正 (b)
Akira Sotoyama 外山明 (ds)

アルバムはもちろん聴いているのだが、マルハウスをライヴで目の当たりにするのははじめてだ。強力でペカペカ光るビート、ファンク、とにかく前に突き進む。ここでおもむろに放たれる人類60億分の1・林栄一のアルトにやはり笑ってしまう。ほとんどガンダムのソーラ・レイだ。

■ 芳垣細海伊賀吉田&元晴

Yasuhiro Yoshigaki 芳垣安洋 (ds)
Sakana Hosomi 細海魚 (key)
Wataru Iga 伊賀航 (b)
Ryuichi Yoshida 吉田隆一 (bs)
Motoharu 元晴 (as)

芳垣さんが真ん中に座ってざくざくと切り刻んでいくドラムスを繰り出し続ける。ジャズロック的に爆走するサウンドは脳を麻痺させるに十二分。執拗に同じリフを繰り返すベース、ときにラリー・ヤングのように濁るキーボード、その快感といったらない。元晴さんのケレン味たっぷりのアルト、エネルギーが乗り移ったように粘っこいソロを繰り出す吉田さんのバリトン。サウンド全体が反響していく。

■ サン・ラ・アーケストラ

Marshall Allen (as)
Vincent Chancey (french horn)
Michael Ray (tp)
Elson Nascimento (perc)
その他多数

とにかく95歳のマーシャル・アレンである。右手でアルトを下から上まで叩き、放たれる高い音は破壊力満点。カッコ良すぎる。会場狂乱。

■ 渋さ知らズオーケストラ

北陽一郎tp・石渡岬tp・辰巳光英tp.etc・立花秀輝as・川口義之as・松原慎之介as・纐纈雅代as・泉邦宏as・登敬三ts・松本卓也ss・鬼頭哲bs・RIObs・早坂紗知as・中根信博tb・高橋保行tb・石渡明廣g・ファンティルg・和田直樹g・加藤一平g・太田惠資vil・勝井祐二vil・小林真理子b・永田利樹cb・山口コーイチkey・山田あずさvib・柴崎仁志per・磯部潤ds・山本直樹ds・藤掛正隆ds・関根真理per.vo・松村孝之per・大西英雄per・渡部真一vo・玉井夕海vo・ムロダテアヤvo,fl・不破大輔・東洋・若林淳・高橋芙実・ペロ・さやか・すがこ・あすか・若林美保・陽茂弥・井上のぞみ
さらに、サン・ラ・アーケストラの面々

しばらくグロッキーになっていたがこれを見逃すわけにはいかない。リハーサルでマーシャル・アレンも登場し、期待した通り、渋さプラスサン・ラ・アーケストラ。「Naadam」が聴こえてきてさらに期待が高まる(しかし、本番では肝心の林栄一さんが居眠りして実現しなかった模様)。

登敬三の重力、辰巳小五郎のスペーシーな反響、加藤一平の大暴れ、早坂紗知・RIO・永田利樹ファミリーの見せ場、ファンテイルの存在感あるギター、川口義之のハーモニカ、若林美保のこれでもかという色気砲、すべて痺れた。そしてマーシャル翁はここでも毒物なのか花火なのかわけのわからないものを撒き散らした。最後は「本多工務店のテーマ」。

みんな狂ったように凝視し、躍り、音楽と一体化していた。最高だった。

●不破大輔
渋さチビズ@なってるハウス(2019年)
青山健一展「ペタペタ」とThe Space Baa@EARTH+GALLERY(2017年)
川下直広カルテット@なってるハウス(2017年)
川下直広カルテット@なってるハウス(2016年)
立花秀輝+不破大輔@Bar Isshee(2015年)
不破大輔@東京琉球館(2015年)
山口コーイチ『愛しあうことだけはやめられない』(2009-10年)
高木元輝の最後の歌(2000年)
2000年4月21日、高木元輝+不破大輔+小山彰太(2000年)
『RAdIO』(1996, 99年)
『RAdIO』カセットテープ版(1994年)
のなか悟空&元祖・人間国宝オールスターズ『伝説の「アフリカ探検前夜」/ピットインライブ生録画』(1988年)

●渋谷毅
平田王子+渋谷毅『Luz Do Sol*やさしい雨』(2018年)
2018年ベスト(JazzTokyo)(2018年)
廣木光一+渋谷毅『Águas De Maio 五月の雨』(2018年)
今村祐司グループ@新宿ピットイン(2017年)
渋谷毅@裏窓(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その3)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その2)
廣木光一+渋谷毅@本八幡Cooljojo(2016年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その1)
渋谷毅@裏窓(2016年)
渋谷毅+市野元彦+外山明『Childhood』(2015年)
渋谷毅エッセンシャル・エリントン@新宿ピットイン(2015年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2014年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2011年)
渋谷毅+津上研太@ディスクユニオン(2011年)
渋谷毅のソロピアノ2枚(2007年)
原みどりとワンダー5『恋☆さざなみ慕情』(2006年)
『RAdIO』(1996, 99年) 
渋谷毅+川端民生『蝶々在中』(1998年)
『RAdIO』カセットテープ版(1994年)
『浅川マキを観る vol.3』@国分寺giee(1988年)
『山崎幹夫撮影による浅川マキ文芸座ル・ピリエ大晦日ライヴ映像セレクション』(1987-92年)
浅川マキ+渋谷毅『ちょっと長い関係のブルース』(1985年) 
カーラ・ブレイ+スティーヴ・スワロウ『DUETS』、渋谷毅オーケストラ
見上げてごらん夜の星を 

●マーシャル・アレン
「JazzTokyo」のNY特集(2018/12/1)(2018年)
マーシャル・アレンへのインタビュー(JazzTokyo)(2016年)
Worldwide Session 2016@新木場Studio Coast
(2016年)
ポール・ブレイ『Barrage』(1964年)


ロサンゼルスのMOCA(GrandとGeffen)

2019-09-17 06:47:38 | アート・映画

ロサンゼルスのMOCA(The Museum of Contemporary Art)はふたつ建物があって、ひとつが本館のGrand、もうひとつが分館のGeffen。今回Geffenにはじめて足を運んだ。

■ MOCA Geffen

本館とはやや雰囲気が異なる贅沢な空間。いくつか惹かれる作品があった。

映画作家のケネス・アンガー(『ルシファー・ライジング』など)による紙の作品「Puce Women」。どうしても強い執着を見出してしまう。

河原温の「I Got Up At...」。かれの多くの作品と同様に、定期的な記録である。昔はまるでピンと来なかった河原の作品が、いまとなっては、あまりにも切実な生存証明の意志として迫ってくる。

ブルース・ナウマンの「Four Corner Piece」。狭い通路の四隅にモニターが置かれ、角を曲がったらそのもうひとつ先の角にあるモニターに自分の後ろ姿が見える。もっと見ようと歩くとそれは消える。作為がシンプルに過ぎるがそれゆえ面白い。

■ MOCA Grand

再訪。抽象表現主義の名作が多く、中でもマーク・ロスコの作品が集められた部屋は圧巻だ。半年ぶりに足を踏み入れたがはじめて観るような新鮮さを持っている。

それ以外のものも面白い。ジョージ・ハームスの「California Landscaping」は土地に根をおろした人間の匂いを放っている。

ノア・デイヴィスは1983年生まれの若いアーティスト(シアトル生まれ、ロス在住)。「All Those Lost to Oh Well」は地に結びついたスピリチュアルなものへの妄想がいちど浄化されたように思えた。

ジョン・ケージによる「River Rocks and Smoke」。アパラチアでのワークショップにおいて、ケージは61の作品を作った。人間の意志よりも偶然性を重視し、水彩画を焚火の上にかざして煙の色を付けたものである。自然とアートとのかかわりのなかにケージの存在が置かれている。

ジャン=ミシェル・バスキアによる「Six Crimee」。囚人たちのゲームを題材にしつつ、固いシステムの中に囚われてしまう人への視線が形になっているように思える。

●参照
ロサンゼルスのMOCAとThe Broad


香山リカ『ヘイト・悪趣味・サブカルチャー 根本敬論』

2019-09-15 01:50:00 | 思想・文学

米国に来る飛行機の中で、香山リカ『ヘイト・悪趣味・サブカルチャー 根本敬論』(太田出版、2019年)を読む。

いきなり飛び込んでくる「フーコーと根本敬の共通点」という文字列に痙攣してしまう(腑に落ちないが)。それはともかく、香山リカ氏がサブカル民であったから、根本敬と根本敬的なものへの愛憎がともに詰め込まれている感がある。

いやそうなのだ。『ディープ・コリア』について、それが書かれた時代や文化的背景を抜きにして批判することは乱暴だが、今ではありえない書物であることもまた確かなのだ。現代の自分たちが獲得しえた視点で読み直すことは、これを笑いながら読んだすべての者に迫られている作業に違いない。少なくとも今後、『ディープ・コリア』の名前を口にするのであれば。

とは言え、両論併記など他のあれこれと同じように、害悪でしかない。著者がいうように、『ディープ・コリア』はヘイト本とは根本的に異なっている。サブカル民にその違いを暴き出す力を見出そうとしていることには、少し嬉しくなってしまう。確かに根本敬自身に外部からそれを求めるのは筋違いというものだ。引いてしまうほどの異物ゆえの根本敬である。

●根本敬
根本敬『因果鉄道の旅』


マーク・ド・クライヴ・ロウ@ロサンゼルスbluewhale

2019-09-15 00:49:27 | アヴァンギャルド・ジャズ

ロサンゼルスのbluewhaleにおいて、マーク・ド・クライヴ・ロウ2デイズの初日(2019/9/14)。

Mark De Clive-Lowe (key, p, electronics)
Brandon Eugene Owens (b)
Greg Paul (ds)
Chris Woods (vln)
Tylana Renga Enomoto (vln)
Tom Lea (viola)
Heather McIntosh (cello)
Travis Flournoy (projections)
Carlos Nino (DJ and perc)

「皆さんこんばんは」から始まる日本通マーク・ド・クライヴ・ロウのライヴ。曲も日本を想ったものばかりだった。「武士道」の1と2、南禅寺をテーマとしたもの、「赤とんぼ」のアレンジ、「大江戸日本橋」、「竜宮城」。「さくらさくら」的な旋律も聴こえてきた。

それにしてもこんなに快楽が横溢しているとは予想外だった。それにはやはりストリングスの気持ちよさがあった。特に注目してしまったのはチェロのヘザー・マッキントッシュで、音がとても官能的。またこんなに悦びを顔に出して弾く人ははじめて観た。もちろんアレンジも鮮烈なもので、ストリングスの和音、その中から絶えず浮かび上がるキーボードとピアノの響き。

本人が繰り返し口にするようにブロークンビートがストリングスの快楽の隣で進行しており、それが脳内麻薬を分泌させた。グレッグ・ポールが注入するエネルギーはとても大きく、また「Niten-Ichi」はまさに宮本武蔵の二刀流を意識したようなドラミングで全員の注視を集めた。

休憩時間のカルロス・ニーニョによる選曲も、観客もオシャレ。日本でもどジャズの空間でこそこんなのを展開してほしい。

Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4


ボビー・ブラッドフォード@サンランドSun Space

2019-09-13 17:36:23 | アヴァンギャルド・ジャズ

ロサンゼルス郊外のサンランドにあるSun Space(2019/9/12)。

Bobby Bradford (cor)
Bill Roper (tuba, vo, etc.)
Brad Dutz (perc)

開演の1時間前に着いたら一番乗り。いつも地元の人たちばかりなのだろう、店主が訝しんでどこで知って来たのか、と。いや「LAjazz」で見つけたと言うと、へえこんなサイトがと驚いていた。

多くのパーカッションを入念に準備しているブラッド・ドゥッツは饒舌で一方的に話してくる。程なくしてビル・ローパーが現れ、身体をひと巻きする奇妙な楽器を組み立てた。続いてレジェンドのボビー・ブラッドフォード。そうこうしているうちに客がどんどん集まり、最終的には30人程度になり、小さいハコが一杯になった。みんな顔見知りのようでハグしたりお喋りしたり。外様のわたしにも話しかけてきて愉しい。

演奏は想定外にユーモラスだった。ローパーがMCのようにあれこれ言葉を放ってはチューバや奇妙な楽器を吹く。家は悲惨でみんな外に出てサーカスのようだとか、トランプ?ランプ肉?なんて味だ!とか、そのたびにみんな爆笑。ブラッド・トゥッツのパーカッションは、いきなり周りを否応なく巻き込んで走り始めたり、スティールドラムで彩りを付けたり。

そしてブラッドフォードのコルネットは味わい深く、音のひとつひとつが向こう側に背景を持っている。モンク曲やスタンダードの断片をみせたり、ときにデイヴィッド・マレイの曲を思わせるときがあったり。演奏の終わりころには、ジャッキー・ロビンソンやマルコムXやマダムC.J. ウォーカーなんかの名前を出して思い出話をした(横でローパーが「18世紀!」と叫んでまた爆笑)。最後まで嬉しかった。

終わってからブラッドフォード氏と話した。70年代に出したジョン・カーターとの共演盤がスイングジャーナル誌に取り上げられて、まだその記事を持っている、グラフィックが多くて良い雑誌だったと言った。

Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4

●ボビー・ブラッドフォード
デイヴィッド・マレイ『Be My Monster Love』、『Rendezvous Suite』(2009、12年)


アレックス・スナイドマン@ロサンゼルスbluewhale

2019-09-13 00:50:32 | アヴァンギャルド・ジャズ

ロサンゼルス・ダウンタウンのbluewhale(2019/9/11)。

Alex Snydman (ds)
Josh Nelson (p)
Miro Sprague (p)
Will Kjeer (p)
Michael Orenstein (p)
Jonathan Richards (b)
Henry Beal (b)
Osmar Okuma (b)

ロスのドラマー、アレックス・スナイドマンの40歳の誕生日を記念して、ピアノ4人、ベース3人が入れ替わってピアノトリオの演奏をするという趣向。アレックスはエルヴィン・ジョーンズと同じ誕生日(9/9)だそうである。

ファーストセットとセカンドセットの冒頭1曲ずつ、若いマイケル・オレンシュタインとオスマー・オークマとのトリオ。これに続く、ジョシュ・ネルソンとジョナサン・リチャーズとのトリオには驚かされた。重いパンチのようなジョナサンのベースも良いのだけれど、特にジョシュのピアノである。左右のタッチがごくわずか微妙にずらされていて、そのために和音が複雑で彩りを持ったものになっている。ずれの和音はまるでふたりの声による気持ちのいいユニゾンだ。ちょっとクリス・ヴィーゼンダンガーのピアノを思い出した。またずれたまま片方の手がこぼれるように走る。エルモ・ホープの「De-Dah」も新鮮だったし、ストレイホーン/エリントンの「Lotus Blossom」など水滴が板の上で爆ぜるようで、ため息が出てしまうほどの出来だった。

次にヘンリー・ビールとウィル・ジャーとのトリオでは「I've Never Been in Love Before」などを演った。優雅に揺れるピアノとウォーキングベースが目立った。

セカンドセットはミロ・スプレーグとジョナサン・リチャーズとのトリオにより、マッコイ・タイナーの「Blues on the Corner」から始まった。単音で意外な音を出すちょっと奇妙なピアノで、ノリを得てスピードに乗った。そして再びマイケルとオスマー、ウィルとヘンリー。素晴らしいジョシュ・ネルソンをもういちど観たかった。


アレックス・スナイドマン、ジョシュ・ネルソン、ジョナサン・リチャーズ


マイケル・オレンシュタイン


ヘンリー・ビール、ウィル・ジャー


ミロ・スプレーグ

Fuji X-E2、XF60mmF2.4


かみむら泰一+永武幹子「亡き齋藤徹さんと共に」@本八幡cooljojo

2019-09-08 10:47:40 | アヴァンギャルド・ジャズ

本八幡のcooljojo(2019/9/7)。

Taiichi Kamimura かみむら泰一 (ts, ss)
Mikiko Nagatake 永武幹子 (p)

この日の顔合わせは「亡き齋藤徹さんと共に」と付けられた。企画はcooljojoの長谷川さん。このcooljojoで、テツさんと永武幹子さんの唯一のデュオが行われたのは昨年のことである。またテツさんとのデュオを積み重ねていたかみむら泰一さんも、その前月にここでのデュオを演っている。それらは何か大きなもののせめぎ合いから予想外に創出された音楽だった。そしてこの日は、テツさんとの邂逅を意識しつつ、それぞれの自然体の音楽を提示するものとなった。

冒頭はショーロを2曲。ソプラノは弱弱しくはじまり、音を集めて濃度を高めてゆく。テナーもまた周辺の空気に溶けるようで、それが音のダンスとなった。ピアノとテナーとが相互に浮上した。3曲目は、先日亡くなった浜村昌子さんのアレンジによる「Skylark」。ピアノのイントロから消え入りそうに入ってくるテナーは、ゆっくりと、自身の時間意識の文脈に取り込んでいった。永武さんのピアノはその間隙から光を呼び込んでいるように聴こえる。

続いてセロニアス・モンクを2曲(テツさんと永武さんのデュオではモンクやエリントンが選ばれたのだ)。「Four in One」におけるかみむらさんのテナーはまったくアクロバチックに聴こえない、この有機的な積み上げ方がかみむらさんの音である。ピアノは和音をまるで束のように集めてふわりと大きな流れを創った。「Ugly Beauty」でもかみむら魔術は止まらない。あやしくよれる和音が蛇行する。

セットはミルトン・ナシメントの曲で締めくくられた。ピアノとソプラノとが作る音色の含み持つものの向こう側に、なにか愉しくしている人たちの姿がみえる。ピアノはきらきらとした反射光のようで、それが喜びの共有になった。

セカンドセットは、エリントンの「I Let a Song Go Out of My Heart」からはじまり、続いてなんとオーネット・コールマンの「Round Trip」。一緒にはじめたがいきなりずれていくテナーがオーネット的。永武さんは自身の流れやリズムをまずは創出するためか、左手でベースラインを作り、速度を可変的なものとし、右手で発展させた。

かみむらさんは、テツさんの音をはじめて聴いたときに「胸をわしづかみにされたようだった」と言った。そして即興。フラグメンツを撒いては自身の中に取り込んで一連の流れにしようとするかみむらさん、一方の永武さんは自身のフレーズによって別のかたちを作り上げていった。

続いて、テツさんの「エドガーの日常」。酒井俊さんが歌うときの伴奏で聴いたことはあったものの、永武さんのピアノ主体の演奏ははじめて聴く。これが清冽な湧き水のようで素晴らしい。こんな「エドガーの日常」があったのか。かみむらさんのソプラノは再び弱さを提示し、それゆえ音楽が強さを持っていた。

ジョビンの「A Felicidade」に続き、アンコールは「The Things We Did Last Summer」、テナーのかすれるヴィブラート。

Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●かみむら泰一
クリス・ヴィーゼンダンガー+かみむら泰一+落合康介+則武諒@中野Sweet Rain(2019年)
徹さんとすごす会 -齋藤徹のメメント・モリ-(2019年)
かみむら泰一+齋藤徹@喫茶茶会記(2018年)
かみむら泰一+齋藤徹@本八幡cooljojo(2018年)
かみむら泰一+齋藤徹@本八幡cooljojo(2018年)
かみむら泰一session@喫茶茶会記(2017年)
齋藤徹 plays JAZZ@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
かみむら泰一+齋藤徹@キッド・アイラック・アート・ホール(2016年)
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2015-16年)
かみむら泰一『A Girl From Mexico』(2004年)

●永武幹子
酒井俊+青木タイセイ+永武幹子@本八幡cooljojo(2019年)
古田一行+黒沢綾+永武幹子@本八幡cooljojo(2019年)
蜂谷真紀+永武幹子@本八幡cooljojo(2019年)
2018年ベスト(JazzTokyo)
佐藤達哉+永武幹子@市川h.s.trash(2018年)
廣木光一+永武幹子@cooljojo(2018年)
植松孝夫+永武幹子@中野Sweet Rain(2018年)
永武幹子+齋藤徹@本八幡cooljojo(JazzTokyo)(2018年)

永武幹子+類家心平+池澤龍作@本八幡cooljojo(2018年)
永武幹子+加藤一平+瀬尾高志+林ライガ@セロニアス(2018年)
永武幹子+瀬尾高志+竹村一哲@高田馬場Gate One(2017年)
酒井俊+永武幹子+柵木雄斗(律動画面)@神保町試聴室(2017年)
永武幹子トリオ@本八幡cooljojo(2017年)
永武幹子+瀬尾高志+柵木雄斗@高田馬場Gate One(2017年)
MAGATAMA@本八幡cooljojo(2017年)
植松孝夫+永武幹子@北千住Birdland(JazzTokyo)(2017年)
永武幹子トリオ@本八幡cooljojo(2017年)


タイガー・トリオ『Map of Liberation』

2019-09-08 10:15:48 | アヴァンギャルド・ジャズ

タイガー・トリオ『Map of Liberation』(RogueArt、2018年)を聴く。

Tiger Trio:
Joëlle Léandre (b)
Myra Melford (p)
Nicole Mitchell (fl, alto fl, piccolo)

幽玄にも祝祭的にも聴こえる音楽。

音価の長いニコール・ミッチェルが時間の流れを支配しているように思えていたのだが、いやそうでもない。三者が三様に出てきて、互いに尊重しあって、その都度時間の流れを創出している。それゆえ響きも一様ではない。ジョエル・レアンドルの融通無碍な音も、マイラ・メルフォードの強さの出し入れも良い。

●マイラ・メルフォード
マイラ・メルフォード(Snowy Egret)『the other side of air』(2017年)
マイラ・メルフォード+マーティ・アーリック@The Stone(2015年)
マイラ・メルフォード Snowy Egret @The Stone(2015年)
マイラ・メルフォード『Live at the Stone EP』(2015年)
ロイ・ナサンソン『Nearness and You』(2015年)
マイラ・メルフォード『Snowy Egret』(2013年)
マイラ・メルフォード『life carries me this way』(2013年)
『苦悩の人々』再演(2011年)
マイラ・メルフォード『Alive in the House of Saints』 HAT HUTのCDはすぐ劣化する?(1993年)
ブッチ・モリス『Dust to Dust』(1991年)

●ニコール・ミッチェル
ニコール・ミッチェル『Maroon Cloud』(2017年)
「JazzTokyo」のNY特集(2017/9/30)(ミッチェルへのインタビュー)
マーク・ドレッサー7@The Stone(2017年)
マーク・ドレッサー7『Sedimental You』(2015-16年)
ニコール・ミッチェル『Mandorla Awakening II: Emerging Worlds』(2015年)
ニコール・ミッチェル『Awakening』、『Aquarius』(2011、12年)
ジョシュア・エイブラムス『Music For Life Itself & The Interrupters』(2010、13年)
「JazzTokyo」のNY特集(2017/7/1)
「JazzTokyo」のNY特集(2017/5/1)

●ジョエル・レアンドル
イレーネ・シュヴァイツァーの映像(2006年)


呉充功『隠された爪跡』、関東大震災96周年/韓国・朝鮮人犠牲者追悼式

2019-09-08 09:19:01 | 韓国・朝鮮

1923年の関東大震災直後、多くの朝鮮人や中国人がデマに扇動された民間人によって虐殺された。かれらが殺された場所のひとつである荒川河川敷では、毎年追悼集会が開かれている。今回はじめて足を運んだ(2019/9/7)。

集会に先立って、呉充功『隠された爪跡』(1983年)の上映があった。

映画に出てくるアボジは、震災の直前に植民地朝鮮から仕事を求めて渡ってきており、虐殺事件を目の当たりにした。もとより朝鮮では、コメ不足の日本に送るための朝鮮米を増産させ、農民をさらに貧窮に追いやった。日本に来た多くの労働者たちにとって、自由渡航とはいえ、それは積極的な選択による自己責任を伴う自由などではなかった。東京のここ墨田区でも、亀戸や向島では工場労働者の需要があった(それが亀戸事件にもつながっている)。

映画で示される当時の状況は、悪い冗談のように現在に重なってくる。上からのデマ、植民地主義のために在日コリアンを「不逞」扱いしていた官吏、虐殺への直接的・間接的な関与、市民が率先してのヘイトと行動、後日の隠蔽工作。荒川河川敷では犠牲者の遺骨を掘り起こす作業がとらえられているが、実は、遺骨はその前に既に軍によって別の場所に遺棄されていたのだった。

エンドロールには地域別の犠牲者がリストアップされる。わたしの自宅の近くでも3人。時間も土地もすべてつながっている。

(ところで、荒川を撮った場面では、2回、板橋文夫「グッドバイ」が流された。これが収録された『渡良瀬』は映画製作前年の1982年である。)

映画の上映後、河川敷まで歩いて移動。件当時の四ツ木橋は既に撤去されている。追悼式の会場はそれがあった場所の少し下流にある木根川橋の下である。また旧四ツ木橋の少し上流には新四ツ木橋がある。平和運動の大木晴子さんとも久しぶりにお会いできて、いろいろお話をした。

ここで、李政美さんが歌い、竹田裕美子さん(アコーディオン)、矢野敏弘さん(ギター)、Swing MASAさん(アルトサックス)が伴奏した。ぢょんみさんの歌声は透き通るようで濡れた情がある。彼女の名曲「京成線」では、「低い鉄橋の/その下には/埋もれたままの/悲しみ眠る」と歌われている。

MASAさんの地を踏みしめるブルースも素晴らしい。MASAさんを東京で観る機会はさほど多くないが(あとで話すと、呼ばれればね、と)、もっと多くの人に体感して欲しい。

Fuji X-E2、XF60mmF2.4

●関東大震災
伊藤ルイ『海の歌う日』
藤原智子『ルイズその旅立ち』
『ルイズその絆は、』
亀戸事件と伊勢元酒場
加藤直樹『九月、東京の路上で』
藤田富士男・大和田茂『評伝 平澤計七』
南喜一『ガマの闘争』
田原洋『関東大震災と中国人』
植民地文化学会・フォーラム「内なる植民地(再び)」
山之口貘のドキュメンタリー(沖縄人の被害)
平井玄『彗星的思考』(南貴一)
道岸勝一『ある日』(朝鮮人虐殺の慰霊の写真)
『弁護士 布施辰治』(関東大震災朝鮮人虐殺に弁護士として抵抗)
野村進『コリアン世界の旅』(阪神大震災のときに関東大震災朝鮮人虐殺の恐怖が蘇った)

●李政美
板橋文夫+李政美@どぅたっち(2012年)
李政美『わたしはうたう』(1997年)

●Swing MASA
山谷夏祭り(ジンタらムータ、Swing MASA、中川五郎)(2017年)
Swing MASA 爆音JAZZ(JazzTokyo)
(2016年)


ウェイン・ショーター『At Village Vanguard 1965』

2019-09-07 10:15:20 | アヴァンギャルド・ジャズ

ウェイン・ショーター『At Village Vanguard 1965』(So What!、1965年)を聴く。

Wayne Shorter (ts)
Herbie Hancock (p)
Art Davis (b)
Tony Williams (ds)

つまり当時のマイルス・デイヴィスのバンドからマイルスから抜けてウェイン・ショーターのリーダーになった形。ただしベースはロン・カーターではなくアート・デイヴィスである。曲は、Eye of the Hurricane、Just in Time、Oriental Folk Song、Virgo(ショーターは前年にエルヴィン・ジョーンズらと演奏している)、In Your Sweet Way - Closing Theme。

話には聞いたことがあったが確かにこれは凄い。ウェイン・ショーターはうねりながらも力強いソロを繰り出している。アート・デイヴィスはかれならではの固く推進力あるベースを弾く(ハービー・ハンコックやラヴィ・コルトレーンを入れた90年代のリーダー作『A Time Remembered』はその点で好きだった)。

しかし何よりもトニー・ウィリアムスである。まるで特撮番組で荒野のあちこちが爆発し続けているようなドラミングである。録音の音質は悪いが心の耳で聴かなくてもわかる凄みだ。トニーのライヴはいちど晩年に観たけれど、その30年前にここまでのポテンシャルを抱えていれば、その後自分自身の再生産をしていたのだとしても批判することはできない。そしてハービーも低音を駆使して野心的なピアノを弾いている。

この年の1月にマイルスバンドで『E.S.P.』が吹き込まれているが、それは本盤とは対照的に抑制的な美学に貫かれている(あらためて聴いたけど良いね)。マイルスは腰痛で入院し離脱。8月に本盤のライヴ。そして12月には復帰しプラグド・ニッケルでのライヴ。

●ウェイン・ショーター
『A Tribute to Miles Davis』
(1992年)
ラリー・コリエル『American Odyssey』(1989年)
デイヴィッド・サンボーンの映像『Best of NIGHT MUSIC』(1988-90年)
『Tribute to John Coltrane』(1987年)
ミシェル・ペトルチアーニの映像『Power of Three』(1986年)


市田良彦『ルイ・アルチュセール ― 行方不明者の哲学』

2019-09-06 08:11:54 | 思想・文学

市田良彦『ルイ・アルチュセール ― 行方不明者の哲学』(岩波新書、2018年)を読む。

「出来事」、あるいは廣瀬純氏によれば革命。無数のそれらが偶然の出逢いや偶発時のように並行し、雨のように降っている。

スピノザはすべてを神の創造する世界として見た。しかしアルチュセールはスピノザを「ねつ造」し、その認識という過程をスピノザとは別のあり方で差し挟んだ。デカルト的な認識ではない、われわれは互いに雨粒なのだから。ここに無数のアーカイヴの可能性を説いたフーコー(『知の考古学』)への影響があるという。

また、誰もが行方不明者であり無数の一であるがゆえに、我はと声をあげる者は狂っており、「出来事」であり、ひょっとすると「革命」である。その「出来事」や「革命」も本質的に固有名詞付であり、だから存在とは本質的に狂っている。どのような歴史の語りも狂っている。われわれは皆狂っている。

そのようにこの狂った書物を読んだ。

●参照
廣瀬純トークショー「革命と現代思想」
ジル・ドゥルーズ『スピノザ』スピノザ『エチカ』


チャールス・ロイド(Kindred Spirits)@ブルーノート東京

2019-09-06 07:34:00 | アヴァンギャルド・ジャズ

ブルーノート東京(2019/9/4、2nd set)。

Charles Lloyd (ts, fl)
Gerald Clayton (p)
Julian Lage (g)
Reuben Rogers (b)
Eric Harland (ds)

チャールス・ロイドのプレイを観るのは同じブルーノートで2年半ぶりであり、その分たしかに老いた。ロイドのコアは、その後に続く「だが」の部分である。装飾音を抽出して中心に据えてしまった過激さが、それだけを悠然と演ることでさらに進んでいる。自分よりもかなり若い腕利きプレイヤーたちの演奏を楽しみ、歩き回り、その辺のソファに日常生活のごとく座っていたりする。あまりにも自由だ。そして佇まいがそのまま音である。

初めてナマで観るジュリアン・ラージにはかなり驚かされた。尖ってばりばりと技巧を見せつけるのかと思いきや正反対。周りに溶け込むのに鮮やかさが傑出しており、その都度、みごとな絵画を見せられるような演奏だ。ブルースもみごと。

いままで良い印象がなかったジェラルド・クレイトンは、ピアノならではの存在感を示した。エリック・ハーランドは持ち時間でバスドラムから色彩を増してゆくソロで魅せた。リューベン・ロジャースはまろやかな音、演奏後には感極まって涙を流していた。

本当に素晴らしいステージを堪能した。ここまでコミュニティとして高みにのぼることができる音楽とは。

●チャールス・ロイド
チャールス・ロイド@ブルーノート東京(2017年)
チャールス・ロイドの映像『Arrows into Infinity』(2013年)
マイケル・ラドフォード『情熱のピアニズム』 ミシェル・ペトルチアーニのドキュメンタリー(2011年)
原将人『おかしさに彩られた悲しみのバラード』、『自己表出史・早川義夫編』(1968、70年) 


トム・ウェイツ『Nighthawk at the Cafe』

2019-09-03 07:54:43 | ポップス

トム・ウェイツ『Nighthawk at the Cafe』(1975、76年)を観る。

1975年のシカゴと1976年のコペンハーゲン。前者は画質が悪く、後者はなぜか映像がフリーズしまくるが、最高であることは間違いない。サックスはルー・タバキンなのか?(よくわからない)

何にしても、やはりトム・ウェイツを音だけで楽しむのは間違いというものだ。映像でのトムの傑作は、『Fishing with John』において釣った魚をパンツに入れるとジョン・ルーリーと話すトム、『Red Hot +Blue』において「It's Alright with Me」を歌い踊りまくるトム(最初に観たとき爆笑が止まらなかった)。後者はジム・ジャームッシュによるクリップだった。もうVHSを手放したがまた観たいな、と思ったらYouTubeにあった(>> リンク

●参照
ジム・ジャームッシュ『コーヒー&シガレッツ』(2003年)


三上寛+JOJO広重+山本精一『Live at Koenji Show Boat, 2005.8.12』

2019-09-03 07:30:10 | アヴァンギャルド・ジャズ

三上寛+JOJO広重+山本精一『Live at Koenji Show Boat, 2005.8.12』(Alchemy Music Store、2015年)を観る。DVD 51分。

Kan Mikami 三上寛 (vo, g)
JOJO Hiroshige JOJO広重 (vo, g)
Seiichi Yamamoto 山本精一 (vo, g, ds)

いやもう素晴らしいとしか。

●三上寛
三上寛、遠藤ミチロウ、日本マドンナ@紅布(2017年)
三上寛+石塚俊明@アケタの店(2017年)
三上寛『YAMAMOTO』(2013年)
三上寛+ジョン・エドワーズ+アレックス・ニールソン『Live at Cafe Oto』(2013年)
どん底とか三上寛とか、新宿三丁目とか二丁目とか
中央線ジャズ
三上寛+スズキコージ+18禁 『世界で一番美しい夜』(2007年)
三社『無線/伊豆』(2006年)

●JOJO広重
JazzTokyoのクリス・ピッツィオコス特集その2(2017年)
クリス・ピッツィオコス+吉田達也+広瀬淳二+JOJO広重+スガダイロー@秋葉原GOODMAN(2017年)

●山本精一
山本精一+橋本孝之@大久保ひかりのうま(2018年)


大前チズル『Royal Folks』

2019-09-02 22:28:02 | アヴァンギャルド・ジャズ

大前チズル『Royal Folks』(mille Grues Records、2017-18年)を聴く。

Chizuru Ohmae A Piece of JAZZ quartet: 
Chizuru Ohmae 大前チズル (p)
Tsutomu Takei 武井努 (sax)
Norihide Nakajima 中島のりひで (b)
Takehiro Shimizu 清水勇博 (Drums)
Guests:
TeN (vo)
Yasuhiro Yoshigaki 芳垣安洋 (ds)
Taisei Aoki 青木タイセイ (keyboard harmonica)

もうずいぶん前に、関西の友人から、大前チズルさんが東京で演奏するから観てと推してきたことがあった。そのときは行けなかったし、どんな編成だったかもまるで覚えていない。その友人とも連絡していない。最近大前さんのCD(初リーダー作)が出ると聞いて思い出した。

そんなわけで予感があってこれを買ってみた。なるほど、下から突き上げるようにグルーヴしていて、オシャレでもあって、生音の響きが大切にされていて、とても良い。ステキとはこのようなことを言う。青木タイセイさんのピアニカも気持ちいい。

ああ、関東でのレコ発ライヴは終わったばかり。観たい。