上海恋香は2004年上海タイフーンは2007年ロケ
ビザ更新から戻って、私が関わった過去のドラマと映画を再度観た。これらは、上海が右肩上がり時代に撮影された映像作品。「上海恋香」は日中戦争中の実話を元に2004年に映画化した作品で、主演は伊藤歩。ロケ地は魯迅公園周辺の日本人が多く住んでいた虹口区。今回のビザ更新時にそのロケ地を歩いたが、実際に撮影に使った場所は70%ほど当時のまま残っていた。この上海恋香は本編以外に特典映像があるが、この映像は旧城内の大境路付近で撮影した半ドキュメント風映像なので、20年前の昔の旧城内とそこに住んでいた人々と伊藤歩の絡みを観る事の出来る貴重な歴史的価値がある映像だ。今思えば、特典映像で旧城内を選んで本当に良かったと思っている。
NHK土曜ドラマ「上海タイフーン」は、2007年に上海で長期ロケした作品で、これもほとんど実際にあった話が元になっているので、当時上海に住んでいた日本人にとってはアルアル話。当時の日系企業の多くは目指せ中国時代で、その筆頭都市が上海だった。そんな時代だったので、新しく赴任した日本人企業戦士は中国の商習慣や現地の仕事の進め方を知らず悪戦苦闘し、現場を知らない日本本社のアホな上司の板挟みになり胃潰瘍で倒れた日本人も多かった。それと、日系企業の上海駐在者は出世コースでもあった時代だった。ただ、欧米企業は他民族の習慣に慣れているので、臨機応変に対応し問題が起きた話は聞いてない。
今回滞在中は、主人公の美鈴(木村多江)が住んでいた南京西路の"張園"に入ってみたが、ここはまだ当時のまま残っていた。ただ、この張園付近は超一等地なので、今後はわからない。
☆日常見慣れた風景は慣れ過ぎると何も感じなくなりスルーするのが人の常だが、映像や写真として残すと将来貴重な資料になる事もある。地味な行為だが、日常の中で残すべき事や物の先を見越して記録するのが、写真や映像に関わる人の使命とも言える。この2作品は、もうすでにレンタルでも置いてないし、NHKのアーカイブでも観る事は出来ないけどね。
☆この"上海恋香特典動画"を観ると、この20年で超アナログ社会から今の超デジタル社会になり過ぎた上海と比べると、あまりのギャップに発見も多く面白いかもね。