今年3回目の渋谷毅オーケストラ(2016/12/30)。
Takeshi Shibuya 渋谷毅 (p, org)
Kosuke Mine 峰厚介 (ts)
Koichi Matsukaze 松風鉱一 (bs, as, fl)
Masayo Koketsu 纐纈雅代 (as)
Kenta Tsugami 津上研太 (ss, as)
Osamu Matsumoto 松本治 (tb)
Akihiro Ishiwatari 石渡明廣 (g)
Katsumasa Kamimura 上村勝正 (b)
Akira Sotoyama 外山明 (ds)
ゲスト:
Junichiro Ohkuchi 大口純一郎 (p, org)
何度観ても素晴らしいものは素晴らしい。いつも同じようで違う、違うようで同じ渋オケ。全員がためらうことなく剛速球を投げ込み続けることはいつも同じである。その凄さには笑えてしまう。ベース・川端民生、ドラムス・古澤良治郎時代からのわたしの最偏愛グループである。あの川端さんの奇怪なる手拍子のことを口走る人がいたら、それだけで握手したくなる。
ファーストセット。最近のステージではいつもそうだが、「Side Slip」(石渡)から。松風さんのバリトンと渋谷さんのオルガンの重なり合いにぞくりとする。次に「Ballad」(石渡)、「Three Views Of A Secret」(ジャコ・パストリアス)では津上さんの透き通るソプラノがいい。そして「Chelsea Bridge」(ビリー・ストレイホーン)、「Brother」(林)。
セカンドセット。渋谷さんのコルグのオルガンをなぜピアノの上から横に動かすのだろうと思っていたら、なんとゲストとして大口純一郎さんが登場した。大口さんは、最初の「もはやちがう町」(石渡)ではピアノを弾き、ちょっと違う風が渋オケに吹き込まれたなと面白く思っていたのだが、次の曲「Reactionary Tango」(カーラ・ブレイ)では、ピアノを渋谷さんが弾き、大口さんがオルガンの前に座って一休みしているはずが、大口さんはオルガンをいじくりはじめ、ついに愉しそうに弾き始めた。これがなかなか過激で、同時に、渋谷さんのオルガンはやはり渋谷毅サウンドなのだなということが逆に実感できた。松風さんのフルートも素晴らしかった。
次にディキシーの「Jazz Me Blues」(ここで大口さんは去った)、「Soon I Will Be Done With The Trouble Of The World」(カーラ・ブレイ)。「Aita's Country Life」(松風)では、松風さんの長いアルトソロ。あのこれ見よがしでない感じが良いのだ。そして「New Hymn」(カーラ・ブレイ)、最後に渋谷さんのソロで「Lotus Blossom」(ビリー・ストレイホーン)。
今回は林栄一の替わりに纐纈雅代さん。音がみちみちに詰まったアルトを披露してくれて、その出来が毎回表情にあらわれていたようで、それも愉しかった。
●渋谷毅
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その2)
廣木光一+渋谷毅@本八幡Cooljojo(2016年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その1)
渋谷毅@裏窓(2016年)
渋谷毅+市野元彦+外山明『Childhood』(2015年)
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渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2014年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2011年)
渋谷毅+津上研太@ディスクユニオン(2011年)
渋谷毅+川端民生『蝶々在中』
カーラ・ブレイ+スティーヴ・スワロウ『DUETS』、渋谷毅オーケストラ
渋谷毅のソロピアノ2枚
見上げてごらん夜の星を
浅川マキ+渋谷毅『ちょっと長い関係のブルース』(1985年)