A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。アングラ好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

マスク萌えだけじゃない。本気のメロディック・ハードコア・アイドル『マルコムマスクマクラーレン(MMM)』

2016年08月26日 02時52分09秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界



「マスク萌え」という言葉がある。この場合のマスクとは「タイガーマスク」や「ガスマスク」や「ジェイソンマスク」ではなく、花粉症や風邪対策の医療用マスクである。白いガーゼが基本だが、素材や色にはヴァラエティがある。どれにせよ、顔の半分を覆う柔らかい布地に憧れる。筆者もご多分に漏れず「マスク萌え」の気があり、7年前に臆面も無くマスク礼賛記事を書いていた。
マスクは素敵を演出する(2009年02月21日記)

その頃はせいぜい歯医者の治療中に薄目を開けてナースをチラ見するしかマスク欲を満たす方法はなかったが、まさか7年後にアイドルヲタとして堂々とマスク女子への想いを捧げられる現場に身を置けるとは思ってもみなかった。



その名も「マルコム マスク マクラーレン/Malcolm Mask McLaren(以下MMM)」という三人組アイドルユニット。ネクロ魔の対バンで初めて見た時は「マスク女子」ということよりも80年代バンドブームの流れを汲むビートパンクを切れのあるダンスで歌う姿に新鮮な感動を覚えた。パンク系/爆音系アイドルは数多いが、大抵振り付けはフリースタイルに近く、MMMほどダンスのセンスを発揮するグループはいない。また、これはネクロ魔も同じだが、デスヴォイスのシャウトがまったくないことも気に入った。カワイイ女の子が形相を変えて絶叫すると萎えてしまう臆病者には、飾らず無理せず自分らしく歌う娘が相応しい。
ネクロ魔/MMM(Malcolm Mask McLaren)@新宿club SCIENCE 2016.7.28 (thu)



TIF2016で観た15分のステージは、灼熱の中激しいモッシュが起こり、ライヴが中断する事態に。メンバーはマスクのせいで表情が分からないので、傍目には平然と成り行きを見守っているようにみえた。
2016.8.7 sun【或る魔ヲタの一日】ネクロ魔/MMM/絶叫/首振りDolls/メンテナンスetc.

神々しいその立ち姿に真夏の女神を見た気がして、mone、ai、naoから成るMMMのことをもっと知りたくなり、毎週水曜日に新宿レッドノーズで開催されている定期公演「メロディック・ハードコア」に8/17、24の2週連続参戦。約40分のライヴは入場SEのセックス・ピストルズ「アナーキー・イン・ザUK」でスタート。まさかパンクの神曲で手拍子をするとは15歳の頃は考えられなかった。しかしそれも笑顔で許せてしまうのは、三人の力一杯のダンスと秀逸なパンクナンバーの魅力故。誰が音楽制作をしているのかは知らないが、ツボを心得た作曲センスはただ者じゃない。第2部はユルユルのトークコーナー。三人のキャラのすれ違いが不思議なコラボを醸し出し、汗だくのライヴのあとのチルアウトを和ませる。

Malcolm Mask McLaren 「アイドル甲子園」 (2016-04-17)

公式サイト

「マスク萌え」という理由だけでMMMを推す訳ではない。「まだまだ未熟。もっともっと上手くなりたい」と語る三人が顔を半分隠して、呼吸困難に陥りながら全力で踊り歌い上げる姿に漲る『女子の本気』に心を撃ち抜かれるのである。歌のフレーズの中に強固な魂。それこそまさに「メロディック・ハードコア」精神。三人の強烈過ぎるハードコアパワーをマスクで制御しているのかもしれない。

でんぱヲタも魔ヲタも耕作員もゆふぃすとも
見ればきっと
気に入るさ

Malcolm Mask McLaren/myself(MV)


Malcolm Mask McLaren 2nd ワンマンライブ
「Melodic Hardcore 1st Anniversary ONE MAN」

【開催日程】2016年9月22日(木・祝) 開場 11:30 開演12:00
【会場】渋谷 club asia
【チケット料金】 前売り¥2,500
※3歳以上チケット必要 
※入場時、別途ドリンク代必要
※再入場不可
チケットはこちら


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【私の地下ジャズ愛好癖】トルコの有機栽培コンボ『KONSTRUKT(コンストラクト)』の新作3点

2016年08月24日 01時30分56秒 | 素晴らしき変態音楽


これまで何度か採り上げてきたトルコのオーガニックジャズコンボ『KONSTRUKT(コンストラクト)』が益々精力的に活動している。2016年頭にドラムとベースがメンバーチェンジし、今まで以上にサイケデリックで拡張的な世界を志向するようになった。エレクトロニクスやドラムマシンを使ったダークなサウンドも研究し始めた。サーストン・ムーアにアプローチしたところ、サーストンはコンストラクトのレコードをコレクションしていたらしく意気投合し、今年6月にイスタンブールでコラボレーションした。これまで共演したペーター・ブロッツマン、エヴァン・パーカー、ジョー・マクフィー、坂田明、ウィリアム・パーカー等とは明らかに異質の非ジャズ実験音楽家が、トルコ有機共同体とどんな交歓模様を描き出したのか興味深い。



秋にはUKツアー、ヨーロッパツアーも予定され、活動の幅を広げるコンストラクトの新作が同時リリースされた。録音時期・形態はそれぞれ異なるが、即興音楽をベースに活動する彼らの現在進行形のオーガニックミュージックの奥深さを味わうことが出来る。

●Konstrukt feat. Peter Brötzmann, Hüseyin Ertunç, Doğan Doğusel, Barlas Tan Özemek ‎– Eklisia Sunday
(Holidays Records ‎– HOL-095 2016)


トルコの海辺の街グムスルクの教会で2011年5月15日に行われたセッションを収めたライヴ盤。2013年にポーランドのレーベルからリリースされたCDのアナログ化。サックスのヘラクレス、ペーター・ブロッツマン、コンストラクトの4人、トルコの音楽家3人総勢8人による集団即興は、エーゲ海の風光明媚な環境の中で、リラックスし互いの生命感を讃え合う色彩溢れるポジティブワールドを展開している。

●Konstrukt feat. Graham Massey & David Andrew McLean ‎– Live At Islington Mill
(Astral Spirits ‎– AS031, Monofonus Press ‎– MF124 2016)


2015年8月13日イギリス、マンチェスターのイズリントン・ミルズでのライヴ録音、カセットのみのリリース。コラボしたのは808STATEのグラハム・マッシーとマンチェスターのサックス奏者デイヴッド・マクリーン。宇宙的な包容力のあるコンストラクトのサウンドに乗って、グラハムのギターやベースが歪みを癒す。人力テクノのグルーヴ感が、ノイズに頼らずフレーズを奏でるベースとサックスの対位法により、無視できないほど膨れ上がった。カセットの再生音域の限界が、逆に怒濤のインプロを拡張して拡散して拡大する拡声器の役割を果たす。

●Hüseyin Ertunç / Doğan Doğusel / Cem Tan / Umut Çağlar ‎– Gümüşlük Sessions: At Lon's
(Holidays Records ‎– HOL-100 2016)


2015年9月29,30日、コンストラクトのUmut Çağlarを含むトルコの即興音楽実力派4人がグムスルクに集って二日間開催されたコンサートのライヴ盤4枚組ボックス。基本はサックス、ピアノ、ベース、ドラムのカルテット編成だが、様々な楽器を使い、自由な空気の流れを塞き止めることを警戒している。自由度の高いまったり感は、スピードを目指す昭和の即興ともダンス主導の90年代DJカルチャーとも異質な統制ルールの適用に依る。4枚を通しで聴くのは試練かもしれないが、朝昼晩に各1面頭空っぽにして聴き流せれば、至福のフライングエナジーに触れることが出来るかもしれない。



Konstrukt & Friends (feat. McPhee & Brötzmann)


オーガニック
イスタンブール
ウナセラディ

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ネクロ魔(2現場)/ブクガ/TADZIO/Taiko Super Kicks/山本精一@高円寺他2016.8.21 (sun)

2016年08月23日 01時19分48秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


RYUKYU IDOL死闘10番勝負

2016年8月20日(土)東京都 新宿SAMURAI

出演 RYUKYU IDOL / BELLRING少女ハート / ライムベリー / NECRONOMIDOL / ハッピーくるくる / クマリデパート / ヤなことそっとミュート / 地球人 / あヴぁんだんど / じゅじゅ / 2&

琉ドル死闘十番勝負~六番勝負~
前売/当日 ¥2000/¥2500(入場時D代600円別途)
開場/開演 14:20/14:40
出演:RYUKYU IDOL / NECRONOMIDOL

沖縄のアイドルグループRYUKYU IDOLが朝の10:00から夜21:00まで10組のアイドルグループと対バンする死闘ライヴ。何故またそんな無謀なことを!などと目くじらたてるだけ野暮。アイドルたるもの不可能への挑戦を諦めては進化しない。つき合うヲタもヲタだが、無謀こそアイドルの定め。

●NECRONOMIDOL(ネクロ魔)


勝負事なら萌えるのがアイドルヲタの定めかもしれないが、勝とうが負けようが推しであることは変わらない。「アイドルの定めをぶち壊す」のが魔の宿命だから。タイツアー帰り初めてのネクロ魔現場は、団結力の高まった5人のパフォーマンスの渦に巻き込まれるまま、気迫に満ちた刺激に全身全霊タイ式マッサージされるかのような悦楽に満ちた神現場であった。終演後の特典会は雨の中徒歩10分のビルの7階の狭いバーでネクロ魔&琉ドル同時に行われ、密着するヲタの熱気が充満する蒸し暑さで、タイツアーの疑似体験のようであった。






FORT DUM-DUM PARTY

2016年8月21日(日)東京都 東高円寺二万電圧 / 東高円寺 ロサンゼルスクラブ / U.F.O. CLUB / 満州王
OPEN&START 15:00

<出演者>
東高円寺二万電圧
トリプルファイヤー / 洪申豪(透明雑誌) / uri gagarn / TADZIO / NECRONOMIDOL / ヒャクショウイッキ / どついたるねん / クリトリック・リス

東高円寺 ロサンゼルスクラブ
突然少年 / バレーボウイズ / ペドラザ / MANGA SHOCK / Taiko Super Kicks / SUPER SHANGHAI BAND / Mammoth / Boys Age / シーツ / 水中図鑑

U.F.O. CLUB
Maison book girl / フィロソフィーのダンス / エレクトリックリボン / 仮谷せいら / DJ 掟ポルシェ / YOLZ IN THE SKY / 百々和宏 / 山本精一 / Phew

満州王
禁断の多数決(DJセット)

近年各地で開催される複数ライヴハウスの周回イベントが東高円寺でも開催。サマーソニックと被っているが、東高円寺を住処とする地下ロック系ピープルと地下アイドルヲタにとっては夏フェスなんか関係ない。筆者の地下アイドル四天王のうち2つがそろい踏みの神フェスである。天気も然程暑くなく、気持ちのいい東高円寺散策でもあった。

●Maison book girl(ブクガ)
コショージメグミの前髪カットをツイッターで知り、実物はどんなだろうと興味津々で息を飲むうちに、見慣れたUFO Clubのステージに現れたコショを見て、マリアンヌ東雲にも似た斜めカットの前髪の、卒倒しそうなほどの神々しさに心を撃たれた。サイケの聖地で聴く変質的ミニマルチューンは、他現場よりもしっくり来る。それだけにモダンダンス仕込みの優雅な踊りのユニークさが際立つ結果に。終演後の特典会では、コショージの美少女ぶりを褒め讃えることに無我夢中で、「愛の真実」について論じる時間が無くなってしまった。

●フィロソフィーのダンス

デビュー直後に何度か観たファットバットシックなアイドルユニット、フィロのスは1年ちょっとで人気を高めた。ソウルやシティポップス風味の楽曲は沸きにくい横ノリが多いが、それをコールやケチャ乱れるドル現場に転用するのはメンバーの力。しゃれ乙過ぎて推し切れないが、いいグループには違いない。

●洪申豪(透明雑誌)
路上で会ったりさちー推しの友人に推薦されて二万電圧へ。台湾のスーパーカーと呼ばれる透明雑誌のメンバー洪申豪は、力の抜けたシューゲサウンドが心地よい。

●uri gagarn

友人のおすすめはユーリガガーリンという3人組。前のバンドとは真逆のテンション高いギターロックは、70年代NO WAVEやワイアーを思わせるポストパンクに、思わず最前列でヘドバンしちる自分に気がついた。身に染み付いた激ロック志向が満たされたが身体疲労気味。

●Taiko Super Kicks


D.A.N関連でYouTubeで見つけて以来、気になっていたリゾート感覚ロックバンドを観にロサンゼルスクラブへ。練習スタジオを併設したこの会場は若手バンド中心のラインナップで客筋も若い。タイコスーパーキッズも見るからに若そうな4人組。ドラム女子に頬を弛めるオヤジ一名。とりわけ個性的とは思えないのに何故か耳からは慣れない。眼鏡男子のヴォーカルの艶のあるハイトーンは、例えば草野正宗を初めて聴いたときと同じ違和感ショックを感じる。もう少し聴いていたかったが、3曲聴いてTADZIOに会うため二万電圧へ。

●TADZIO(タッジオ)


二万電圧に着いたら既にセトリ半ば。ピンクヘアーのリーダーのエロかわいさを観ると、アイドル畑にハマる前のバンド女子萌え時代を思い出し何ともいえない郷愁に狂う。もし太もものタトゥーに触れていたなら、えいたそやコショージやネクロ魔に心奪われることは無かったかもしれない。そう考えるとバンド女子のツンデレぶりに感謝したくもなる。前回観てから2年経って、暴虐サウンドに磨きがかかった二人を陰ながら見守って行きたい。

●NECRONOMIDOL(ネクロ魔)


元カノTADZIOのあとに今の溺愛相手ネクロ魔が登場。郷愁とか心の愛とか言っている場合じゃねえ、とばかりに物見遊山のバンドファンを尻目に全力応援モード。二万電圧を圧倒するネクロ電圧が大音量でPAを震わせる。前日に増して強烈なパワーのパフォーマンスは、アイドルよりも大きな相手を迎えて5人の力が引き出された証拠であろう。敵がでかいほどネクロ魔の戦力がアップする。シン・ゴジラにも負けないパワーで目にもの見せてくれ。次のヒャクショウイッキという女装アイドルのステージが延びたため、バタバタの中行われた特典会は、戦地に向かう恋人との最後の逢い引きを思わせる、刹那的な接触だった。

●山本精一


UFO CLUBに戻って山本精一。思ったより客が少なくて、前方の列でよく見えた。千住宗臣をドラムに迎えたデュオ編成で、時にリリカルな爪弾き、時に暴力的なディストーションと変幻するギタープレイがエモーションを掻き立てる。それより胸に迫るのは朴訥と諧謔が入り交じった歌の世界。単純な構成にも拘らず歌い方で多様な意味を含ませる、持っての他の精一ワールドが展開された。また全曲カヴァー曲のライヴも聴いてみたいものだ。

6時間立ちっぱなしで流石に疲れ切って、最後のPHEWは見ないで帰路についた。心のポケットに推しとの甘い時間をそっと仕舞ったままで。

暗黒の
中心円の
その中心

Taiko Super Kicks - 釘が抜けたなら (Live Video)
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グンジョーガクレヨン/インキャパシタンツ/ドットエス@六本木SuperDeluxe 2016.8.20(sat)

2016年08月22日 00時54分03秒 | 素晴らしき変態音楽


グンジョーガクレヨン「グンジョーガクレヨン」リリースライブ

開場 19:00 / 開演 19:30
料金 予約3000円 / 当日3500円 (ドリンク別)

ポスト・パンク、インダストリアル、エレクトロ、ノイズ、ジャズ……。すべての言辞を置き去りにして疾走する、硬質な音群……。

今、最も創造的な場として、静かに浸透しつつあるエクスペリメンタル・ミュージック・シーン。そのシーンの中に異形のアイコンとして君臨する、組原正(g)の即興の強度。結成37年にして強力に甦る、グンジョーガクレヨンの新たな次元。

日本のフリー・フォームなノイズ・ミュージックの嚆矢グンジョーガクレヨン、22年ぶりのニュー・アルバム『グンジョーガクレヨン』の発売記念ライヴ。

出演:
Gunjogacrayon:宮川篤(ds)、組原正(g)、前田隆(b)、中尾勘二(sax, etc.)
INCAPACITANTS:T.美川 (electronics, vo), コサカイフミオ (electronics, vo)
.es:橋本孝之(alto sax, guitar)+ sara(piano, others)



六本木SuperDeluxeにて筆者の地下音楽四天王のうち三組がそろい踏みの神イベ。とは言っても当然ながら筆者を喜ばす為に集められた訳ではなく、日本大衆芸能の末裔たる軽音楽に分類されながらも、音も精神も存在も耐えられない重さを持つ闇音響の地下水流が、何の気紛れか六本木の地下に存する<超絶豪華>倶楽部に流れ込み、冠水したトリプル極端音楽の人工災害に対しては、トリプル台風の自然災害と違って注意を促す警戒警報は発令されなかった。

この三者の交歓日記をを筆者のブログより紐解くと、
① 2012年7月21日に南池袋ミュージック・オルグで開催された組原正『inkuf』レコ発ライヴで、組原+T.美川+前田隆、組原+宮川篤志+中尾勘二の二つのセッション。
組原正 レコ発@南池袋 ミュージック・オルグ 2012.7.21 (sat)
② 2012年9月1日大坂ギャラリーノマル、9月2日難波ベアーズで.esとT.美川の共演ライヴが開催(その音源は香港のRe-RecordsからCDリリースされた)。
【特集 .es(ドットエス)】Part 1~T. Mikawa & .es 『September 2012』ディスク・レビュー
③ 2013年7月7日八丁堀七針で組原とT.美川がデュオ共演。
FUMICS PYOSHIFUMIX 展:組原正+美川俊治/三浦モトム+小川直人@八丁堀 七針 2013.7.7(sun)
④ 2013年12月14日新大久保Earthdomに於ける.es [dotes] LIVE IN TOKYO 2013東京ツアーで.esとインキャパシタンツが対バン。
.es(ドットエス)/インキャパシタンツ/魔術の庭@新大久保Earthdom 2013.12.14(sat)
⑤ 翌日12月15日池ノ上GARI GARIではT.美川 & .esで出演、コサカイフミオのTangerine Dream Syndicateも対バンで出演。
T.美川+.es(ドットエス)/Tangerine Dream Syndicate/浦邊雅祥/冷泉@池ノ上GARI GARI 2013.12.15(sun)
⑥ 2014年7月23日阿佐ヶ谷Yellow Visionにてグンジョーガクレヨン(組原、前田)+橋本孝之の共演。
グンジョーガクレヨン+橋本孝之(.es)@阿佐ヶ谷Yellow Vision 2014.7.23(wed)
⑦ 2015年9月3日西麻布BULLET'Sにて橋本+コサカイがデュオ共演。
橋本孝之/コサカイフミオ/ふぅちくぅち/KO.DO.NA&人魂@西麻布BULLET'S 2015.9.3(thu)

こうした野合の如き蜜月期間を経て産み落とされたのがグンジョーガクレヨン22年ぶりの新作『Gunjogacrayon』であったが、蓋を開けてみれば橋本孝之唯一人が羊の皮を被った野獣三匹の責め苦に恍惚と喘ぐ結果となったのである。長らく不適切なほど親密な関係にあったにも拘らず、証拠となる音盤を残せなかったセフレ(Session Friends)を懐柔する慰みものとして今宵の六本木の緊縛の夜が企画されたわけではなかろうが、体液のように生暖かい湿り気を帯びた地下音楽の深みに嵌まり込むには絶好の真夏の夜の夢であった。


【DISC REVIEW】"脱ロック37年"グンジョーガクレヨンの新作『Gunjogacrayon』
JazzTokyo CD/DVD Disks #1311 『グンジョーガクレヨン / Gunjogacrayon』

●.es:橋本孝之(alto sax, harmonica)+ sara(piano)

(ライヴ写真の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

.esのパフォーマンスは昨年あたりから東京でも年に何度か観られるようになった。そのたびに印象が異なるが、演奏する場に応じて変幻するのではなく、場をも演奏に取り込んでしまう食虫植物並みの能力を持つことに気がつく。これまで観た会場の中では最も広いSuperDeluxeでは、No Mic/No PAの完全アコースティック生演奏。ハーモニカのリップノイズ、掌で撫で回す鍵盤のスクラッチ、楽器を持ち変える直前の躊躇にも似た間隙、途切れた音を置き去りに飛び去る時間の風速。聴こえない音も聴こえる筈の無い音も聴いてはいけない音も聴こえさせられてしまう。背後で鈴をつけた猫が徘徊しているのか、と思ったらsaraが仕込んだ弦の振動の仕業だった。

●INCAPACITANTS:T.美川 (electronics, vo), コサカイフミオ (electronics, vo)


ピアノを片付けた空間がぽっかり空いたフロアの奥に、巨人と小人の二人の男子が最初は慎ましやかに、徐々に昂奮して野蛮に、さらに持ち場を離れて暴れ太鼓を叩くが如し。その間音量を上げたり、不協和音も協和音もない二重唱を高めたり、電圧を浪費する電子機器を追加したりといった素振りはない。最初の5分で機能することを諦めた聴覚を視覚が支配して、脳内シナプスを在り得ないほど刺激し続ける。人間の知覚容量の限界を極める音響版ロールシャッハ・テスト。客席前のスペースをフル活用して狼藉を見せつけた挙句の機材テーブル破壊は、星一徹のちゃぶ台返し以来のローテクノロジースーサイドのエクスタシーだった。

●Gunjogacrayon:宮川篤(ds)、組原正(g)、前田隆(b)、中尾勘二(tb)+橋本孝之(sax)


RIO五輪のシンクロナイズドスイミングや新体操とシンクロした組原のメイキャップは、奇を衒ったものではなく、65年の月日を重ねた年輪から滲み出る樹液の馨しさ。ソロギターが電気系統の断線で中断された真空地帯に生じた聴き手の飢餓状態を、ラズウェル・ラッド五重奏団を彷彿させるクインテットは、如何様な前衛ジャズや現代音楽とも断絶した白熱時代の集団投射を提示するように思われた。しかし此処にあるのは唯只管音を出すことでしかお互いの存在を知覚し得ない片輪者の鳩首協議ではない。中でも宮川の60年代山下洋輔トリオの森山威男を思わせる容赦のないドラミングは、ポストパンク世代に分類されて居心地悪そうな面持ちのグンジョーガクレヨンの本質を垣間見せる。アルバムに続きゲスト参加の橋本のサックスと新加入の中尾勘二のトロンボーンの非楽器感が際立つ。両脇から駆け込もうと触手を伸ばす前田のベースと組原のギターも迂闊に手を出さない。そんなやり取りは勿論のこと筆者の後付け妄想に過ぎない。

三者三様
録らぬ音楽
皮算用


(Facebook Sara Dotesさんの投稿より転載)
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新世代ガレージ・ロック・バンド、ザ・パロッツが「Let's Do It Again」のMV を公開!

2016年08月20日 01時32分59秒 | ロッケンロール万歳!


D.I.Y.かつローファイなガレージロックを掻き鳴らす新人トリオ、ザ・パロッツ が9月14日(水)に発売されるデビュー・アルバム『ロス・ニーニョス・シン・ミ エド~恐れなき子供たち~』から「Let's Do It Again」のミュージックビデオ を公開!

映像についてメンバーは以下のように語っている。
「この曲は友情と忠誠心について歌ったものだよ。ある夜にコンピューター・ウ イルスに感染したかのように馬鹿な事をしたくなって、翌日その事をすごく恥ず かしく感じるみたいな。笑」

彼らが語る通り本ミュージックビデオでは、ビールを片手に仲間たちと過ごす楽 しい夜が描かれている。お酒を飲む人では誰もが経験するであろう、ひどい二日 酔い…昨晩のことはよく覚えていないけれど、最高だったのはハッキリ覚えてい る。ヴォーカルのディエゴがしゃがれた声で歌う「Let's Do It Again(もう一度 やろうぜ)」。

何にも縛られずに自由を謳歌する彼らを象徴する1曲となっているので、ぜひ聞 いてほしい。

The Parrots - Let's Do It Again (Official Video)


The Parrots - No me gustas, te quiero (Official Video)




■リリース情報
アーティスト:The Parrots(ザ・パロッツ)
タイトル:Los Niños Sin Miedo(ロス・ニーニョス・シン・ミエド~恐れなき 子供たち~)
レーベル:Heavenly / Hostess
発売日:2016 年9月14日(水)
品番:HSE-3862
価格: 2,100円+税
※日本盤はボーナストラック2曲、歌詞対訳、ライナーノーツ付

<トラックリスト>
1. Too High To Die
2. Let’s Do It Again
3. No Me Gustas, Te Quiero~好きじゃなくて、愛してる~
4. A Thousand Ways
5. Jame Gumb
6. Casper
7. E.A. Presley
8. The Road That Brings You Home
9. Windows 98
10. Los Ninos Sin Miedo~恐れなき子供たち~

*日本盤ダウンロードボーナストラック
1. I Am A Man
2. I Did Something Wrong

■バイオグラフィー
スペインはマドリード出身の3人組ガレージ・ロックバンド。大学在学中に意気 投合しバンドを結成。メンバーは、ディエゴ・ガルシア(ヴォーカル/ギター)、 アレックス・デ・ルーカス(バス)、ラリー・バルボア (ドラム)。 2015年、リ ヴァプールのギターポップバンド、フートン・テニス・クラブとツアーを実施。 2016年5月にはUKの大型フェスティバル、The Great Escapeに出演。9月にデ ビューアルバム『ロス・ニーニョス・シン・ミエド~恐れなき子供たち~』をリ リースする。

スペインの
ガレージロックは
トロトロロ

The Parrots - Tenement TV
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【真相解明】二次元のその先へ。暗号化する女子・でんぱ組.incに学ぶ理想郷への野望

2016年08月18日 02時37分51秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


アイドルからシンボルへ。暗号化する女子たち。

以前女子二次元化現象について考察したが、もはや単なる二次元化では満足できず、その先を目指す女子が出現した。その代表例が二次元女子の象徴的存在のでんぱ組.incである。その巧妙に計画された野望への策略を2015年夏以降のシングル盤の変遷から詳らかにして行こう。
【時事放談:女子二次元化問題】でんぱ組/大森靖子/ネクロ魔/Perfume/じゅじゅ/やくしまるえつこ
【追跡!女子二次元化現象】えいたそ☆成瀬瑛美/でんぱ組/スピリッツ/おそ松さん/酸欠少女さユり

【13th】おつかれサマー!

【発売日】2015年6月17日 【オリコン最高位】3位

夏歌・タオル曲・バカソングの三要素を備えたポジティブヒット曲。ジャケットにはこれまでヲタク女子からリア充前進、キャラ思いきり作って夏ガールに変身したデーハーな写真を使用。大胆な変身ぶりもコスプレの応用編だと考えれば左程理解不能ではない。


でんぱ組.inc「おつかれサマー!」MV Full


ポケムヒもったでんぱ組.incと、ハローキティ『ムなさわぎのヒみつ⁈』


【14th】あした地球がこなごなになっても

【発売日】2015年9月16日 【オリコン最高位】2位

二次元を愛する女子にとって最大の憧れのひとつが、漫画の世界のヒロインになること。しかも人気漫画家の手で二次元化するとなれば、満願成就・昇天確実に違いない。人気漫画家浅野いにおがジャケットはもちろん、作詞とギター演奏でコラボしたこのシングルを出したことで、彼女たちの二次元願望は絶頂を迎えた。これ以降シングル盤のフィジカルリリースが途絶えたことは、フィジカル(肉体的)な関係よりも、デジタル(電脳的)な刺激を求め始めたことを意味している。


でんぱ組.inc「あした地球がこなごなになっても」MV Full


でんぱ組.inc「アキハバライフ♪」MV Full


【愛踊祭】でんぱ組.inc『とんちんかんちん一休さん』(short ver.)


【Digital 1】永久ゾンビーナ

【配信開始日】2015年10月9日

デジタルリリース第1弾は季節ソング。ハロウィンという輸入文化を萌えジャパンに取り入れることで、世界の祭りを呑み込まんとする貪欲性の発露である。2.5次元伝説りさちーこと相沢梨紗のペンになるジャケットは、二.五次元による二次元化という小数点以下切り捨てメタモルフォーゼ。消え失せた0.5次元のエントロピーの方程式は、動物や悪魔の歌と謎多き歌詞の中に隠されている。


永久ゾンビーナ でんぱ組.inc 高音質


【Digital 2】Dem Dem X'mas

【配信開始日】2015年12月18日

定番のクリスマスソングも、非リアのヲタ女にとっては火の蓆(むしろ)。その煉獄を乗り越えたでんぱ組は「似合わなくない?」と自問自答しながらもまんざらではなさそう。再び0.5次元を燃やして相沢画伯が描いたアートワークは、実はクリスマス衣装のデザイン画を元にしたもの。つまり「二.五次元が三次元用に描いた二次元」という三重螺旋構造となっている。凡人には到底思いもつかないコンプレクシティ(複雑さ)は、心の底にコンプレックスを抱えたでんぱ者にしかわからない。


【でんぱ組.inc】Dem Dem X'mas


【配信3】破!to the Future

【配信開始日】2016年1月8日

クリスマスまでは順調に模範的二次元化の道を歩んで来たでんぱ組に大異変が生じたのは2016年の正月明け。3ヶ月連続デジタルシングル第一弾に於いて、最早人間の形は必要ないと捨て去り、虫や石やコケシや餅に身を窶(やつ)し、日本昔話の戯画化されたアニメにしか見られない抽象的なフォルムを持つに至った。タイトルロゴ(future)から零れ落ちたアルファベット(シンボル)に見間違えないように注意すべし(これが後述する秘密の解明の大きなヒントとなる)。


でんぱ組.inc「破! to the Future」LIVE Ver.


【Digital 4】ファンファーレは僕らのために

【配信開始日】2016年2月5日

前作から一ヶ月という短いタームでリリースされたデジタルシングル曲。このインターバルの短さはフィジカル(肉体)では実現不可能。以前から標榜していたスピードへの拘りを前作で極限まで突き詰めた彼女たちが次に向かったのが肉体からの離脱であったのは必然だった。物理的(フィジカル)な限界を捨て去り、二次元のそのまた先の地平を目指すこと、その布石として世に問われた本作のジャケットは、一見子供が書いた動物のように見えるが、それは単に人間の脳が騙されて意味ある形に錯覚しているだけで、実際は一本の線が蛇行しているに過ぎない。


でんぱ組.inc【ファンファーレは僕らのために ZEPP TOKYO】


【Digital 5】STAR☆ットしちゃうぜ春だしね

【配信開始日】2016年3月4日

三ヶ月連続デジタルリリースのラストは、色鉛筆の蕩けた造形の中に同化してメンバーを識別することすら不可能なシュールな世界へワープしてしまった。メンバーカラーも薄れてパステル化。これは即ち2013年10月発売のシングル「W.W.D II」で歌われた「One For All, All For One(ひとりはみんなの為に みんなはひとりのために)」という<万物同一の法則>に基づく行動であり、さらに「Dempa For All, All For The World(でんぱはみんなの為に みんなは世界のために)」という<全世界でんぱ主義運動>の実践である。2年半前に提唱した理想郷を現実のものにする時が遂にやって来た。


でんぱ組.inc「STAR☆ットしちゃうぜ春だしね」MV Full


【Digital 6】Ψです I LIKE YOU

【配信開始日】2016年8月8日

その理想郷実現の為の方法論として姿を現したのは、二次元を超えたメタモルフォーゼ、即ち『暗号化』であった。描かれたギリシャ文字「Ψ, ψ(プシー、プスィ、プサイ)」は心理学 (psychology), 超能力 (psychic ability/power) をあらわす記号でもある。アニメの主題歌とはいえ、サイコな記号もしくはシンボルへと姿を変えたでんぱ組の野望は最早誰の目にも明らかであろう。それはアイドル(偶像)からシンボル(象徴)へのアウフヘーベン(止揚/統合的発展)である。かつてでんぱ組のプロデューサーであったもふくちゃんこと福嶋麻衣子は「でんぱ組は概念になるべきだ」と語ったが、喪服の手を離れたでんぱ組が目指すのは、<概念>を撹拌し凝縮し実体化した<象徴>という神の領域なのである。


Ψです I LIKE YOU #えいたそ

野望の実現に突き進む彼女たちの座右の銘は、灰野敬二の「人間という形を捨てて 魂という暗号になれ」(暗号)という言葉に違いない。


Fushitsusha - 暗号 (Cipher)

アイドルの
形を捨てて
シンボルに

▼シンボル化のライバルはネクロ魔しかいない。
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灰野敬二 Solo@下北沢Lady Jane 2016.8.14(sun)

2016年08月17日 00時07分38秒 | 灰野敬二さんのこと


明日は敗戦71年目
灰野敬二 (g, vo, etc) Solo

start 7:30 pm 2 stages
charge:¥2,900 (予約¥2,400)+ Drink Fee

向日葵が咲き乱れあぶら蝉が鳴き続けているというのに、8月15日の暦には「月遅れ盆」とあっても「敗戦」の文字は無い。



2014年12月以来1年半ぶりに灰野敬二が下北沢Lady Janeに登場。しかも初のソロライヴ。会場的に爆音を出せない状況で約2時間どのような演奏を聴かせるのか興味は尽きない。2000年以降に灰野のライヴに通い始めた筆者にとって、爆音ではないソロライヴと言えば西早稲田のジェリージェフと新宿ゴールデン街のバー裏窓が思い浮かぶ。



ジェリージェフに灰野は2002年〜2004年の間10回以上すべてソロで出演した。殆どがギターと歌だけの演奏で、サンプラーを多用した音のレイヤーの中で瞑想的な音世界が繰り広げられた。何処へ連れて行かれるのか分からないスリルは、その頃早稲田大学の公開講義で「僕は毎回やることが違う」と語った灰野の言葉を裏付けるものだった。



一方裏窓で2003〜2005年に開催されていた「裏窓十人劇場」に灰野は5回出演した。狭いバーの一番奥のトイレの前のスペースをステージに見立て、カウンター席と立見の客の息がかかりそうなほど狭い店内でノーPAで演じられる歌は、場末の飲み屋街に似合いの演歌や歌謡曲を灰野独自に解釈した哀秘謡。10人だけが体験できる秘密の儀式だった。



この日のLady Janeに於けるソロ演奏は、上記二つと異なりパーカッションを中心にしたものだったが、中野Plan Bでのパーカッション&ダンスとも異なり、身体の動きを減じて、物体同士を接触(打ち、叩き、擦り、撫でる)させることで生じる現象=音を大気中に解き放つ試みだった。その姿勢はタンバリン、シンバル、ポリゴノーラ中心の第1部はもちろん、シュルティボックス、クラシックギター、エレクトリックギターも奏でた第2部も同様だった。とりわけ演奏回数を重ねるごとに新たな奏法/新たな倍音/新たな共鳴が生まれるポリゴノーラの可能性は、既存の「音(Sound/Noise)」の概念を問い直す挑戦(Challenge)と言って然るべきだろう。



音への挑戦者 A Challenger To Sound & Noise
無音への挑戦者 A Challenger To No Sound No Noise
運命への挑戦者 A Challenger To Fate



灰野敬二 ポリゴノーラ パフォーマンス
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Berry/THE LET'S GO's/テツコ/THE PATS PATS/That's a NO NO!@新宿JAM 2016.8.13(sat)

2016年08月16日 02時39分27秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


Sazanami Label presents
“Berry 『POPTUNE』” release party! 東京編


出演:Berry (ex. THE MILKEES, ex. ザ・喫茶店, THE BUNNIES)
THE LET’S GO’s
テツコ
THE PATS PATS
That’s a NO NO!
DJ:TONG(チェリータイムス)

OPEN18:30 / START19:00
ADV¥2000 / DOOR¥2500 + [D別]

ソロアルバム『POPTUNE』を携えてのBerry(ベリ)の東京ツアーは、2010年THE MILKEES以来6年ぶり。思えば筆者が熱心にガールズバンドイベントに通っていたのも2010年頃だった。今でも女子モッズの最高峰と信じる岡山の<チョコメイツ>、ワイルドガレージトリオ<six>、ラモーンズ愛の塊<ロマーンズ>、キュートなママの味<THE MILKEES>、静岡のショックロック<原子力牧場>(現Atomic Farm)など、今で言えば「推し」のバンドが存在した。しかし女子の変化は著しく、推しのほとんどが活動休止。唯一残るキノコホテルに望みを賭けるしかなかった。もちろんシーンが停滞した訳ではなく、アイドルに釜けて関心が薄れたことが最大の理由だとは認める。そんな筆者にとっては、サザナミレーベル中心に素敵な女子バンが続々紹介されてきている現在、女子バン愛が再燃する可能性もある。そんな望みを胸にガレージロックの聖地新宿JAMのサザナミレーベル女子バンイベントに参入した。
【女子バンNOW】Vol.1:Berry『POPTUNE』〜ラモーンズ聴いて浴衣を着てたアノ娘の歌
【女子バンNOW】Vol.2:バレンタインズ/くつした〜関西発・男女混成3ピースゆるふわパンク

●THE PATS PATS

(写真の撮影・掲載については主催者の許可を得ています。以下同)

初めて見るバンド。フロントに女子x2+男子Dsの編成。主体はAkiso(g,vo)とMidori(b,vo)の女子二人。ガーリーファッションに姫カット。女子力溢れる演奏は、パンキッシュでノスタルジックなギターロック。まぶしい笑顔で、音楽を心から楽しむ気持ちが聴き手に伝わり、ライヴ会場がハッピーオーラに満たされる。女子会に潜入してみたくなる。

THE PATS PATS ドーナツの歌 The Donuts Song

公式サイト
bandcamp


●テツコ


CDを愛聴していた女子トリオ、テツコのライヴも初めて。双子のような野瀬陽子(B)と関安代(ds)のハニカミと、渡邊玲子(G,Vo)のツインテールに騙されてティンエイジャーだと勘違いしてしまったが、キャッチーでポップなのにどこかのネジが外れたトボケたセンスは若さの暴走では到達できる境地ではない。一風変わった女子ロックと言えば得てしてシャッグスやレインコーツが引合に出されるが、テツコの捻れ方はそれらとは異質な日本的な慎ましさの美徳の成せる業に違いない。
Set List①スペイシーナイト ②エロス ③コネコちゃん ④BABY ⑤クリームレモン ⑥妄想のダダダダーン

テツコ (Tetsuko ) / BABY (Japanese Girl Rock Trio <Tetsuko>)

公式サイト「tetsuko room」


●THE LETS' GO's


2011年の2ndアルバム『REAMP』を聴いて以来ノーチェックだったTHE LET'S GO'sの変貌ぶりに驚愕した。メチャクチャパンキッシュでソリッドなロケンローを聴かせてくれた。黄色いTVモデルのギターをジョニー・サンダース張りに掻きむしるCOCO(G,Vo)、ラモーンズ譲りの前のめりなスタイルで檄を飛ばすミィ(B,Vo)、そしてドラムセットを吹き飛ばす勢いでビートを叩き出す山田モエコフ(Dr,Vo)。女子パンクのエッセンスを凝縮したステージは、男子パンクとの対バンで観てみたい。
飛び出せ!女子力~The Let's Go's「REAMP!」

【MV】おつかれさまソング/ THE LET'S GO's〈公式〉 ザ・レッツゴーズ

公式サイト


●That’s a NO NO!


東京女子ガレージ界の女帝吉田ケイ率いる4人組That's a NO NO!を観るのも3年ぶり。ソロ活動に転向した菊池ともか(G)と元シャロウズの新藤(Ds)が抜け、様変わりしてしまったが、サウンドは相変わらずシャープでガレージ。長身の男性ギタリストKenji(ヤングパリジャン)のテクニカルなプレイが華やかな魅力を加え、スレンダーな女子ベース、れなのストイックな表情に悩殺された。
ガレージ女子の逆襲~That's a NO! NO!/トーキョーキラー/ザ・喫茶店/野佐玲奈とブルーヴァレンタインズ

"Damn It!" That's a NO NO!

公式サイト


●Berry& the apple notes


ステージに立っても小柄なベリはトレードマークの翠のリッケンバッカーを高く構えて歌う。最初はちょっと緊張してたようだが、即席バンドapple notesの温かいバックアップで徐々にリラックス、6年前と変わらない笑顔のステージを繰り広げた。LET'S GO'sのミィとのコーラスハーモニーが見事。アンコールでTHE MILKEESでもカバーした「恋はヒートウェーヴ」を披露。できればオリジナルのTHE MILKEESで聴きたいものだ。ベリによれば他のメンバーも元気だとのことで、いつか再結成なんてあったら萌え死ぬかも。

【MV】 Berry - すりーこーど


アイドル現場と違って客席が沸くことがないのが逆に新鮮に感じられるのはドルヲタ化が染み付いている証拠だろう。コールやケチャは自宅鑑賞時のお楽しみにするしかないのだろうか。

女子バンで
ヲタ芸しても
いいじゃない

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『シン・ゴジラ』から『シン・ヘドラ』へ〜謎のソフビ怪獣の正体判明。

2016年08月15日 02時08分39秒 | 映画やDVDのこと


話題の映画『シン・ゴジラ』を観た。映画館でゴジラ映画を観るのは1984年の『ゴジラ』以来。その84年版に筆者はエキストラのアルバイトで出演した。映画撮影所で空港に殺到するパニックシーン、新宿中央公園で沢口靖子のデートシーン、真夜中の富士山五合目でゴジラ最後のシーンなどに出演したが、当然ながら映画本編で自分の姿を確認することは出来なかった。一緒に観に行ったサークルの女の子をジャズバーに誘ったが飲ませ過ぎて大変なことになった(遠い目)。



それはとにかく、何度目かのリメイクになる『シン・ゴジラ』は目を離せないくらい面白かった。一回観ただけでは分からない伏線やオマージュが多々有るのは「高度情報化社会」を遥かに超えた「情報秒殺社会」の縮図に思えた。全編通して壮大なパロディのような印象が有るのは、ネットを通して現実の出来事を見ると、自分には関係ない絵空事のように感じられるのと同じ、などと語り出したらきりがない。多くの人が『シン・ゴジラ』について語りたがる気持ちはよくわかるが、本稿の主眼はそこには無い。



観終わったあと『ゴジラ対ヘドラ』の話題になった。ヘドラを知らない同行者にスマホで画像を見せていて、自宅にある<ヘドラ>のソフビ人形を思い出した。40年以上昔小学生のときに購入して以来、他の玩具や人形は捨ててしまったのに<ヘドラ>だけは残してある。他の玩具に比べて高価で特別感があったことと、グロテスクなのにどこか愛嬌のあるルックスに愛着を感じたのである。その一方、子供心に薄々感じていたのは、映画のヘドラに似ていないことだった。しかし当時の技術では完全に再現することは不可能だったのだろうと思い深く考えることはこれまで無かった。しかし40余年経って改めて比べてみて、似てないどころかまったく別ものであるが明らかになった。40年以上ヘドラだと思い込んでいた自分の記憶のどこに間違いがあったのだろう?

 
VS


では所有しているソフビ怪獣は一体何者か?いくらググってもそれらしき情報は無い。では誰かに聞くしかない。あたかも『シン・ゴジラ』で牧悟郎博士が残した謎を解く為に全世界のスーパーコンピューターを繋ぐよう要請したように、ツイッターで拡散し情報提供を呼びかけた。



驚いたことにツイートは240回もRT(リツイート)され全世界へ拡散された。そうして寄せられた有力情報を調べたところ、驚くべき事実が判明したのである。



幸いなことに記憶には間違いは無く、このソフビ人形は確かに<ヘドラ>であった。1971年夏に公開された『ゴジラ対ヘドラ』に因んで発売されたものだが、東宝映画公認グッズではなく、非公認メーカーがブームに便乗して売り出した、所謂「パチもん」だったのである。
詳細はこちらのブログに詳しい。⇒「パチ」の文化史(その2) パチパチ怪獣総進撃

当時3つの形態で販売され、飛行形態を模したと思われる3号(上記の右端)にも少し心を惹かれたものの、思い直して購入したのが現在所有する<ヘドラ1号>だった。さらに調べたところでは、パチもんの方が公認グッズより早く発売されたらしく、疑うこと知らない無垢な少年はコロッと騙されてしまったようだ。

ゴジラ対ヘドラ予告編


40年以上信じていた人形が、本物ではなくフェイク(偽物)だったのは確かだが、それにも拘らず<ヘドラ>であることに嘘は無い。”FAKE(偽物)BUT REAL(真実)”。そんな矛盾を内に秘めた危うい存在のままで、筆者の人生の半分以上を共に生きて来た<彼>こそシン・ヘドラと呼ぶのが相応しい。

かえせ!太陽を(ゴジラ対ヘドラ メイン・タイトル)


キラキラ光る目、口からはみ出たベロ、少し上を見上げ何かを願うような表情、カワイイ奴じゃないか。フェイクジャズを愛する筆者にとって最高の愛好の対象であることは間違いない。このまま墓場まで連れて行こうと決心した。

シン・ヘドラ
40年目の
ハーレム体験

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【私のノイズ中毒症】ゲロゲリゲゲゲ『千摺りチャンピオン』『昭和』『パンクの鬼』

2016年08月13日 03時27分52秒 | 素晴らしき変態音楽


70年代末に日本のパンク/ニューウェイヴの自主制作盤がレコード店に並び始めたが、真っ当なパンクロックよりもアヴァンギャルドなレコードが多かった。『NOISE/天皇』『19/JUKE』『愛欲人民十時劇場』『NORD』『Sympathy Nerves』などを聴いて深みに嵌り、高3〜浪人時代にカセットテープでインダストリアル音響を録音、大学に入って吉祥寺の地下音楽のメッカでバイトを始めた。しかし、非常階段の放尿、ハナタラシの火炎瓶、山崎春美の自殺未遂など過激なライヴを見聞きするうち疎遠になり、80年代後半はサイケやプログレに興味が移った。だから90年代ジャパノイズブームは経験していない。ミュージックコンクレートや電子音楽は好きだったが、「ノイズ」は音楽的テクニック無しで騒音を垂れ流し、犯罪と紙一重のパフォーマンスをする連中と決めつけスルーしていた。

それが一転「21世紀のノイズ中毒者(21st Century Noise Addict)」となってから、海外だけでなく日本のインダストリアル・ノイズ音源も無我夢中で探しはじめた。噂だけで苦手だった非常階段やハナタラシ、電子ノイズのメルツバウやインキャパシタンツやマゾンナ、暴力温泉芸者などの音源を集め、出たばかりのポータブルMP3プレイヤーに入れて24時間聴き狂った。全裸で自慰行為をすると聞いて避けていたゲロゲリゲゲゲもジャパノイズの不可欠な存在として俄然興味が沸いたが、中古レコード屋では5桁の値段。ホワイトハウスやM.B.やTNBには平気でその値段を払うのだが、マスカキ親父にその金額はちょっと抵抗がある。そこでヤフオクで探すことにした。

●The Gerogerigegege ‎– Sen zuri Champion(Vis A Vis Audio Arts ‎– V-001/1987)
(¥5670/2003.8.1/ヤフオク)


先に手に入れた1st LP。ゲロゲリには「千摺り」タイトルが多い。音圧が異常に高い鬼畜ノイズが炸裂するサウンドは、パンクで言えばザ・ブルーハーツの1stに匹敵する、ノイズ初期衝動の生々しいドキュメントである。数曲に入っている千摺りの喘ぎ声がココでは耳障りなノイズとして聴こえるのが興味深い。昭和の色濃いジャケットも秀逸。

The Gerogerigegege ‎– Senzu ri Champion



●The Gerogerigegege ‎– Showa(Vis A Vis Audio Arts ‎– VLP-010/1988)
(¥????/2010.1.15/ヤフオク)


1stの数年後に2nd LPを入手。やはりヤフオクで落札したと記憶しているが、値段も日付も記録が残っていない。それは何故か?アルバムを聴いてみれば理由が分かる。決して期待していた訳ではないが、初めて聴いたとき「なるほど」と思うと同時にあまりの無意味さに大きな徒労感を覚え、記憶から消し去りたかったのである。存在を無にする「ノイズ」を無音ではなくサウンドの形で提示した唯一無二の作品だと言える。意味の有無を問いかける老人のポートレートがアート志向を否定している。別仕様のラモーンズジャケはパロディを装った分、無意味なインパクトに欠けている。

The Gerogerigegege ‎– Showa (Side A)



●The Gerogerigegege ‎– パンクの鬼 (Tokyo Anal Dynamite)(Vis A Vis Audio Arts ‎– VCD3/1990)


CDの入手記録は残っていないが、2011年震災後に中古CDショップで1200円前後で購入した物と考えられる。30秒前後の曲を75曲収録しただけなら無意味ですむが、すべてが究極のパンクロックの名曲であることが、このアルバムを意味の金字塔に位置づけている。どこから聴いてもスルメのように噛み応えがある金太郎飴のようなアルバム。アナログ化を希望する。

The Gerogerigegege Tokyo Anal Dynamite Full Album 1990



今年4月、15年の沈黙を破り17作目のニューアルバム『MOENAI HAI / 燃えない灰』をリリースした。


なめブログ:ゲロゲリゲゲゲ『燃えない灰』

下呂と下痢
千摺り万歳
ノイズ依存



"senzur i"という文字列がつながると、gooブログから投稿拒否されることを発見した。
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