Sightsong

自縄自縛日記

ハーマン・ヤウ『Shock Wave』

2017-11-08 08:30:21 | 香港

ガルーダ航空の機内で、ハーマン・ヤウ『Shock Wave』(2017年)。

香港警察の爆弾処理班のエースがアンディ・ラウ。「酸いも甘いも噛み分けた」二枚目を使っただけのダメ映画である。

爆弾の処理が間に合わないと判断すると、仲間に警察の誇りを連呼させて爆死させたり、自らも香港のトンネルを守るために爆死したり。無意味に英雄的な映画はじつにイヤだ。一方、爆発に際しての株価の乱高下で儲けようとする商売人が出てくるところなどは新鮮でもあった。

調べてみるとこの監督は毎年作品を作っており、2017年などは本作を含めて4本を監督。しかしそれならば、ジョニー・トーのような大天才でなければクオリティを保てないのだろうというものだ。わたしはすっかりトーのスタイルに毒されてしまって、腕をピンと伸ばして銃を撃たないと不満に感じてしまうのだった。

●アンディ・ラウ
ジョニー・トー(19) 『名探偵ゴッド・アイ』(2013年)
リョン・ロックマン+サニー・ロック『Cold War / 寒戦』(2012年)
アンドリュー・ラウ『Look for a Star』(2009年)
張芸謀『LOVERS』(2004年)
ジョニー・トー(4) 『フルタイム・キラー』(2001年)
ジョニー・トー(17) 『暗戦/デッドエンド』(1999年)

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陳偉江『油麻地』@Zen Foto Gallery

2016-03-06 01:34:38 | 香港

六本木のZen Foto Galleryに足を運び、香港の写真家・陳偉江の写真展『油麻地』を観る。最終日に何とか滑り込むことができてよかった。

何しろ『001-023』に吃驚して以来、プリントを観たかった作家である。そして、その待望のプリントは、印刷してある作品よりもはるかに迫力のあるものだった。

咄嗟のスナップも、ノーファインダーでのスナップもあるだろう。香港に棲息する人びと、なかには奇怪な人もいる。かれらと向き合い、すれ違った瞬間が焼き付けられている。そのスピード感もストリート感も、かつて日本で同じようなアプローチで名を成した作家の現在の作品群とは比べものにならないほど尖っている。

しかも、プリントが実に粗い(笑)。RCペーパーだそうだが、ものによっては印画紙に光がかぶっていて微妙にグレーになっている。周辺もエッジもなぜだか甘々。出来上がりは平面性もなくよれよれ。しかし、それがまた良いのだから面白いものだ。

この人が撮影する映像を観たことがあるが、アラーキーを敬愛しているという。であればなおさら、東京を撮った作品も観てみたい。

●参照
陳偉江『001-023』(2013年)

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ジョニー・トー(22) 『華麗上班族』

2016-02-11 15:05:02 | 香港

日本からドバイに向かう機内で、ジョニー・トー『華麗上班族』(英語タイトル『Office』)(2015年)を観ることができた。

現代版『モダン・タイムス』とでも言うべき、オフィスワーカーたちの我執と愛と欲と狂気を描くエンターテインメント。一瞬も目が離せない怒涛の展開、トー先生さすがである。現代社会に生きていくことは、こんなに辛く哀しく、そしてバカバカしいのか。また映画館で、大勢の観客とともに笑い飛ばして観たい気分。

●ジョニー・トー
『城市特警』(1998年)
『ザ・ミッション 非情の掟』(1999年)
『暗戦/デッドエンド』(1999年)
『フルタイム・キラー』(2001年)
『デッドエンド/暗戦リターンズ』(2001年)
『PTU』(2003年)
『ターンレフト・ターンライト』(2003年)
『スー・チー in ミスター・パーフェクト』(2003年)※制作
『ブレイキング・ニュース』(2004年)
『柔道龍虎房』(2004年)
『エレクション』(2005年)
『エレクション 死の報復』(2006年)
『エグザイル/絆』(2006年)
『僕は君のために蝶になる』(2007年)
『MAD探偵』(2007年)※共同監督
『スリ』(2008年)
『アクシデント』(2009年)※制作
『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』(2009年)
『奪命金』(2011年)
『高海抜の恋』(2012年)
『ドラッグ・ウォー 毒戦』(2013年)
『名探偵ゴッド・アイ』(2013年)
『単身男女2』(2014年)

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ジョニー・トー(21) 『単身男女2』

2015-04-06 01:14:19 | 香港

機内では、ジョニー・トーの最新作『単身男女2』(2014年)も観ることができた。

実はこの下敷きになっている『単身男女』を観ていないのだが、それでも巧妙に前作のプロットを取り込んでいるので問題はない。

何股もかける恋多き色男。その元カノは、「火星人」と呼ばれる男と結婚しようとしている。彼女が憧れる女上司は、癖しかないようなその男ふたりに結婚を申し込まれる。もうハチャメチャ。

登場人物たちが働くオフィスが入った高層ビルが向かい合って建っており、ジェスチャーで色恋の合図をしまくる工夫なんて、さすがのジョニー・トーである。隣り合う工夫はオフィスだけでない。色男は元カノのことが忘れられずかつて彼女がいたアパートに住んでおり、彼女は同じ部屋に戻ろうとしたら塞がっていたので、それと知らず隣の部屋に住んでいたりする(『ターンレフト・ターンライト』に似たような設定があった)。

色男はロッククライミングが得意。岩登りをしながらプレゼントを渡したり、さらには、元カノの結婚を阻止すべく高層ビルをよじ登っていく。いうまでもなく、『卒業』の高層ビル版である。この過激な無意味さこそトーの真骨頂。

●ジョニー・トー
『城市特警』(1998年)
『ザ・ミッション 非情の掟』(1999年)
『暗戦/デッドエンド』(1999年)
『フルタイム・キラー』(2001年)
『デッドエンド/暗戦リターンズ』(2001年)
『PTU』(2003年)
『ターンレフト・ターンライト』(2003年)
『スー・チー in ミスター・パーフェクト』(2003年)※制作
『ブレイキング・ニュース』(2004年)
『柔道龍虎房』(2004年)
『エレクション』(2005年)
『エレクション 死の報復』(2006年)
『エグザイル/絆』(2006年)
『僕は君のために蝶になる』(2007年)
『MAD探偵』(2007年)※共同監督
『スリ』(2008年)
『アクシデント』(2009年)※制作
『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』(2009年)
『奪命金』(2011年)
『高海抜の恋』(2012年)
『ドラッグ・ウォー 毒戦』(2013年)
『名探偵ゴッド・アイ』(2013年)

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マイケル・ホイ『Mr.Boo! ギャンブル大将』

2014-12-30 08:53:49 | 香港

マイケル・ホイ『Mr.Boo! ギャンブル大将』(1974年)を観る。

ギャンブルがテーマであり、主題歌でも「勝ったら笑え 負けてもムキになるな」と歌っている。つまり、登場人物はみんなムキになっている。しかし、筋も工夫も何もあったものではない。ああ、しょうもない。

相変わらずくだらぬ「Mr.Boo!」シリーズ。惰性での作品かと思いきや、日本での初上映作『ミスター・ブー』(コンクリート塀を吸盤でよじのぼろうとする場面が有名)や、傑作『アヒルの警備保障』(警察の手入れを2人で装うがバレバレの場面が印象的)よりも前に作られた作品なんだな。つまり、最初から緊張感もなにもなかったということか。

主役はマイケル・ホイとサミュエル・ホイであり、リッキー・ホイは一場面にのみ登場する。何でも、もともとはサモ・ハン・キンポーの役だったが、ホイ三兄弟の人気が高まったために差し替えられたという。わたしは、このリッキーを見るたびに、赤塚不二夫の顔を思い出す。どうでもいいことだが。

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ウォン・カーウァイ『花様年華』

2014-12-27 10:41:42 | 香港

ウォン・カーウァイ『花様年華』(2000年)を観る。

1962年、香港。同じ日に隣に越してきた男(トニー・レオン)と女(マギー・チャン)は、お互いの結婚相手が浮気をしているのではないかと気付きはじめる。寂寞の中、ふたりは惹かれてゆく。しかし、一緒になることができないまま、男はシンガポールへと逃げ、女も心を固めることができない。60年代後半にそれぞれは香港に戻ってくるが、すれ違い、遭うことはない。男はカンボジアに出向き、アンコールワットの古い遺跡に、記憶の残滓を共有するように、額を押し付ける。

ウォンにとって、薄暗い部屋の壁や、花の影や、佇む人の影や、汚れたガラスや、苔むした石壁といったものは、心が吸い付けられてやまない「記憶」なのだろう。それらは不可逆的に触れないところへと去っていく。映画も、その哀切の念を断ち切るように、突然終わりを迎える。見事。

●参照
ウォン・カーウァイ『恋する惑星』(1994年)
ウォン・カーウァイ『楽園の疵 終極版』(1994/2009年)
ウォン・カーウァイ『グランド・マスター』(2013年)

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千葉真一のゴルゴ13

2014-12-07 09:31:33 | 香港

高倉健版に続き、野田幸男『ゴルゴ13 九竜の首』(1977年)を観る。ここでは、千葉真一がゴルゴ13を演じている。

ゴルゴは、アメリカ麻薬組織から、香港支部長・周の暗殺依頼を受ける。かれは、本部の言うことをきかず私腹を肥やしていた。しかし、ゴルゴが狙いを定めたとき、周は他の者に射殺される。黒幕は香港領事であった。自分の身が危なくなると知ると、領事は、麻薬ネットワークのリストをFBIに渡すことと引き換えに、アメリカに亡命しようとしていた。逃がすまいと迫る香港警察とゴルゴ。

中学か高校のころに、テレビで昼過ぎに放送されたカット版を観たことがある。「ゴルゴ~」などと女性のコーラスが入る主題歌、海上のボートから高層ビルのベランダにいる男を狙撃するシーン、お色気シーン、拷問を受けるシーンが強烈な記憶に残っているが、それは、映画のわざとらしさからきているに違いない。再見してよくわかった。

とにかく、ベタであろうとなんであろうと、脊髄反射的なネタを映画に詰め込んでこその『ゴルゴ13』である。しかも、漫画を遥かに凌駕する顔貌の千葉真一。しかも、泣く子も黙る「香港・マカオロケ」。しかも、ジャパンアクションクラブ(志緒美悦子も登場)。しかも、眼帯を付けた謎の男・鶴田浩二。条件はそろっている。

いや~、面白い。いま再公開しても、割とウケるのではないか。

そういえば、井上ひさし『吉里吉里人』に、「ベルゴ・セブンティーン」なる人物が出てきたな。(ふと思い出した)

●参照
高倉健のゴルゴ13
中島貞夫『沖縄やくざ戦争』(千葉真一)
鈴木則文『少林寺拳法』(千葉真一)
鈴木則文『忍者武芸貼 百地三太夫』(千葉真一)
高野秀行『ミャンマーの柳生一族』(千葉真一はミャンマーの超有名人)

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ダンテ・ラム『魔警』

2014-09-13 00:16:16 | 香港

香港からの帰国便で、ダンテ・ラム『魔警』(That Demon Within)(2014年)を観る。

香港警察の主人公(ダニエル・ウー)は、生真面目だが、精神のバランスを欠き、しばしば暴走する。理由は、幼少時のトラウマであった。

宝石犯グループを追うが、その中心人物(ニック・チョン)は、主人公の幼少時に父親を殺した人物であり、その報復として殺した人物であり(つまり、もうこの世にはいない)、また自分の二重人格的な存在でもある。

出来が良いとはとても言えないサイコ・ホラー。せっかくのジョニー・トー映画の常連ニック・チョンを活かしてもいない。こんな映画作ってんじゃない。『火龍』(2010年)も、冴えない映画だった。ダンテ・ラムは自分には合わないようである。

●参照
ダンテ・ラム『コンシェンス/裏切りの炎』

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ダンテ・ラム『コンシェンス/裏切りの炎』

2014-04-10 23:32:03 | 香港

ダンテ・ラム『コンシェンス/裏切りの炎』(2010年)(原題:火龍)を観る。

香港警察の刑事ふたりを、レオン・ライとリッチー・レンが演じる。片や、妻の死に絶望しながら凶悪犯を憎み、追う男。また片や、黒社会とのつながりと手を切ることができない男。お互いに親近感を覚えつつ、やがて、相容れないふたりは正面衝突を選ぶこととなる。

ダンテ・ラムの映像は凝りに凝っており、またスタイリッシュでもある。だが、余裕も、ユーモアも、また突き抜けるものも希薄である。一言で言うと、あまり面白くはない。折角登場するビビアン・スー(懐かしいな)も、魅力を出してもらっていない。

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ブルース・リー『ドラゴンへの道』『死亡遊戯』『死亡の塔』

2014-02-08 20:22:42 | 香港

最近、ブルース・リーの出演作を何本か観た。小中学生の頃、カンフー・ブームがあり、適当にテレビで観たのかもしれないが、記憶がごちゃごちゃになってよく覚えていない。(そういえば、タイトル画面では、無理やりテレビ画面に収めるために縦長になっていたな・・・。)

■ ブルース・リー『ドラゴンへの道』(1972年)

ローマにやってきたリーは、マフィアから、中国料理屋を護る破目になってしまう。ブルース・リー自らの監督作だが、変にコミカルな作りが空滑りしている。

最後に円形闘技場においてチャック・ノリスと闘う場面が最大の見もの。やはり、モハメド・アリのように軽やかなステップを踏まないとリーは強さを発揮しない。

ネタという点では、途中で日本人格闘家と闘う場面が白眉である。日本人のくせに、リー(タンロンという役名)に対して、地の底から響いてくるような声で、「お~ま~え~ぐゎ~タァンロォンくゎぁ~」と絞り出すのだ。凄すぎて笑うより痙攣する。

■ ロバート・クローズ『死亡遊戯』(1978年)

リーが1973年に亡くなる前年に撮ったフィルムをクライマックスにもってきて、前半の展開を代役を使って撮った作品。代役は極力顔をみえないようにしており、ときどき挿入される生前のリーの顔との組み合わせがひたすら不自然。特に、リーの代役が鏡に向かっている場面で、顔の部分だけリー(本物)の写真を貼っているところには、引いてしまった。

そんなわけで、見所は、最後に塔を登っていっては敵をひとりひとり倒す場面であり、これだけで不自然さを許してしまう。

※ほんらい使われるはずだった場面を含めた『死亡的遊戯』というフィルムがある(加藤久和さんにご教示いただいた)。
リーの仲間2人の格闘シーンは物語の都合上カットされたようだが、それを除いても、勿体ないところばかりである。これを観ると、フィルムの後半でナレーションが囁く「He is the greatest.」ということばが実感できる。

死亡的遊戯①
死亡的遊戯②
死亡的遊戯③
死亡的遊戯④
死亡的遊戯⑤

■ ウー・シーユェン『死亡の塔』(1980年)

これもリーの死後に作られているため、やはり不自然極まりない。物語の途中でリーが死んでしまい、その弟だというタン・ロンが突然主役になる。(前半は、『燃えよドラゴン』の未発表フィルムをつなぎあわせたという。)

特にみるべき点もないか・・・。

●参照
ロバート・クローズ『燃えよドラゴン』(1973年)

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陳偉江『001-023』

2014-01-27 23:00:41 | 香港

新宿の模索舎に立ち寄ったところ、気になる薄い写真集があった。

陳偉江(Chan Wai Kwong)という香港の写真家による『001-023』(Kubrick、2013年)。

香港の路地、汚い貼り紙、タトゥー、風俗嬢、蠢くひと、野良猫、汚物。

安部公房ならばもっと覗き見の視線になったはずだ。森山大道ならば、気弱に、かつ粘着質に、闇を闇としてとらえたはずである。

別に、悪意や邪念を漲らせているわけでもない。この写真群がすべてを明け透けにさらけ出しているわけでもない。写真家は淡々として、香港を破りとったのではないだろうか、などと思わせる。

本人のウェブサイトを見ると、さらに抑圧された欲望、しかも淡々と見るそれが展開されていて、ちょっと動揺してしまう。

作品はほとんど香港で公表されているが、2011年にはガーディアン・ガーデンでも紹介されたようだ。ぜひ、どこかのギャラリーでまとめて作品を展示してほしい。

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ウォン・カーウァイ『恋する惑星』

2014-01-12 08:50:20 | 香港

ウォン・カーウァイ『恋する惑星』(1994年)を観る。(VHSが105円だった。)

香港の街での恋愛物語。いや、物語というよりもフラグメント集。

アンビエントのモノも音も敢えて取り込むカメラと、たたみかけるように現実に追いつこうとする演出からは、ライヴ感と疾走感が吹き出してくる。確かにこれは素晴らしい。

それにしても、フェイ・ウォンが冗談のように可愛い。彼女がテレサ・テンの傑作『淡淡幽情』に捧げたアルバム『マイ・フェイヴァリット(菲靡靡之音)』は、どう背伸びしてもテレサの域には達していないと思いしまいこんでいたのだが、また聴いてみないと。

●参照
ウォン・カーウァイ『楽園の疵 終極版』(1994年/2008年)
ウォン・カーウァイ『グランド・マスター』(2012年)

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ジョニー・トー(20) 『城市特警』

2014-01-02 22:47:57 | 香港

ジョニー・トー『城市特警』(1998年)を観る(VHS)。かなり初期のトー作品。

香港警察のウォン警部(レイ・チーホン)は、指が痙攣して銃が撃てなくなり、もう警察を辞めようかと思っていた。辞表を出そうとした矢先に、親友の警部が殺される。捜査に乗り出すと、それは警察内部の者も関与したロシアとの麻薬取引だった。

矢継ぎ早にアクションとギャグを繰り出してくる一級のアクション。残酷な描写において工夫しようとしていることはよくわかるが、まだ、トーならではのスタイリッシュな演出はさほどみられない。

「らしい」ところがあるとすれば、カメラ好き。盗撮する男の使うカメラはキヤノンT-90である。この後、『フルタイム・キラー』ではペンタックスZ-1P、『PTU』のインタビュー映像ではツァイスイコン・ホロゴンウルトラワイド、『イエスタデイ、ワンスモア』では何かの二眼レフ、『エグザイル/絆』ではコンタレックス・ブルズアイ、『文雀』ではバルナックライカとローライ二眼レフ、『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』ではポラロイドSX-70といった具合。

レイ・チーホンは『男たちの挽歌』に登場する裏切り者か、悪くない。

●ジョニー・トー作品
『名探偵ゴッド・アイ』(2013)
『ドラッグ・ウォー 毒戦』(2013)
『高海抜の恋』(2012)
『奪命金』(2011)
『アクシデント』(2009)※製作
『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』(2009)
『スリ』(2008)
『僕は君のために蝶になる』(2008)
『MAD探偵』(2007)
『エグザイル/絆』(2006)
『エレクション 死の報復』(2006)
『エレクション』(2005)
『ブレイキング・ニュース』(2004)
『柔道龍虎房』(2004)
『PTU』(2003)
『ターンレフト・ターンライト』(2003)
『スー・チー in ミスター・パーフェクト』(2003)※製作
『デッドエンド/暗戦リターンズ』(2001)
『フルタイム・キラー』(2001)
『暗戦/デッドエンド』(1999)
『ザ・ミッション 非情の掟』(1999)

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ジョニー・トー(19) 『名探偵ゴッド・アイ』

2013-12-11 23:34:04 | 香港

香港からリヤドに向かう機内で、ジョニー・トーの最新作『名探偵ゴッド・アイ』(2013年)を観ることができた。原題は『盲探(Blind Detective)』だが、このようなおかしな邦題になったのは、「盲」を使えない日本の事情によるものだろう。改悪であることは間違いない。

全盲の探偵(アンディ・ラウ)。彼は数年前に視力を失ったが、それを受け入れ、さらに凄腕の探偵と化している。彼が使う武器は、鼻(嗅覚)だけではない。事件の被害者や加害者と同じ環境に身を置くことによって、ほとんど妄想に近い想像力を働かせ、事件の真相に迫っていく。

奇怪な手法を使うがゆえに言動がエキセントリックな刑事・探偵が登場するという設定は、これまでのジョニー・トー作品にもあった。『暗戦/デッドエンド』(1999年)も、その続編『デッドエンド/暗戦リターンズ』(2001年)もしかり。そして、『MAD探偵』(2007年)は、まさに想像力で事件の当事者に移入し、幻視するという物語だった。

話が飛びまくり、やがて事件の解決と愛の成就につながっていくストーリー展開も、やはり、過去の作品を想起させる。従って、とても面白く工夫が凝らしてはあるが、従来のジョニー・トー世界の中にとどまっており、嬉しいサプライズはない。要は、デジャヴ感満載なのだ。これだけを観れば、傑作なのだろうけど・・・。

●ジョニー・トー作品
『ドラッグ・ウォー 毒戦』(2013)
『高海抜の恋』(2012)
『奪命金』(2011)
『アクシデント』(2009)※製作
『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』(2009)
『スリ』(2008)
『僕は君のために蝶になる』(2008)
『MAD探偵』(2007)
『エグザイル/絆』(2006)
『エレクション 死の報復』(2006)
『エレクション』(2005)
『ブレイキング・ニュース』(2004)
『柔道龍虎房』(2004)
『PTU』(2003)
『ターンレフト・ターンライト』(2003)
『スー・チー in ミスター・パーフェクト』(2003)※製作
『デッドエンド/暗戦リターンズ』(2001)
『フルタイム・キラー』(2001)
『暗戦/デッドエンド』(1999)
『ザ・ミッション 非情の掟』(1999)

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ジョニー・トー(18) 『ドラッグ・ウォー 毒戦』

2013-10-06 22:34:26 | 香港

ジョニー・トー『ドラッグ・ウォー 毒戦』(2013年)を観る。

先日、ジャカルタからシンガポールへのシンガポール航空便で本作を途中まで観て、ヤンゴンまでのシルク航空で続きを観ようと思っていたら、なんと座席前のヴィデオ設備がなかった。シルク航空はシンガポール航空の子会社だから大丈夫だと思いこんでいた。そんなわけで、我慢できずDVDを調達したわけである。

テンミン(ルイス・クー)は、麻薬を運ぶ途中で意識を失い逮捕される。ジャン警部(スン・ホンレイ)を中心とする麻薬捜査チームは、情報を知るテンミンを囮として使い、麻薬密輸団を一網打尽にしようとする。ジャン警部の潜入、トリック、そしてテンミンの裏切り。

最後まで息つく間がない展開は、さすがである。たとえば、麻薬密輸団同士の密会において、ジャン警部が互いの役を2回繰り返し、まんまと騙してしまうという面白さ。

いつもの余裕をもったユーモアは本作には見られないが、それでも、笑ってしまうネタは多い。麻薬運搬トラックを24時間も追跡し続けてきた刑事たちを、ジャン警部が引き継ぐのだが、その途端に慌てて自動車を止めてまろび出てきた刑事たちは、何と立ち小便をするのであった。そりゃそうだ。

ルイス・クーに加え、いつものラム・シューが登場してくると嬉しくなってしまう。スン・ホンレイがジョニー・トー映画に出演するのははじめてかもしれない。どうも習近平に見えてしかたがない。

腕をびしりと伸ばしての銃撃などといった「ひたすらカッコいいシーンだけ」を集めるジョニー・トーにしては、アクションが派手な割にはケレン味が少ない気がするし、料理や食事など余裕たっぷりの場面も入れてほしかったところではあるが、もちろん傑作。2014年1月に日本公開だそうである。

●ジョニー・トー作品
『高海抜の恋』(2012)
『奪命金』(2011)
『アクシデント』(2009)※製作
『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』(2009)
『文雀』(邦題『スリ』)(2008)
『僕は君のために蝶になる』(2008)
『MAD探偵』(2007)
『エグザイル/絆』(2006)
『エレクション 死の報復』(2006)
『エレクション』(2005)
『ブレイキング・ニュース』(2004)
『柔道龍虎房』(2004)
『PTU』(2003)
『ターンレフト・ターンライト』(2003)
『スー・チー in ミスター・パーフェクト』(2003)※製作
『デッドエンド/暗戦リターンズ』(2001)
『フルタイム・キラー』(2001)
『暗戦/デッドエンド』(1999)
『ザ・ミッション 非情の掟』(1999)

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