Sightsong

自縄自縛日記

植松孝夫+永武幹子@中野Sweet Rain

2018-08-11 01:32:12 | アヴァンギャルド・ジャズ

中野のSweet Rainで、植松孝夫・永武幹子デュオ(2018/8/10)。昨春の北千住Birdland以来である。

Takao Uematsu 植松孝夫 (ts)
Mikiko Nagatake 永武幹子 (p)

開演前。廣木光一・渋谷毅『Águas De Maio 五月の雨』の「Beyond the Flames」が流れ、植松さんが浅川マキの思い出を話している。渋谷さんがいつも弾いていた、この曲のときは自分は吹くことはなかったけれど、と。

ファーストセット。「Lament」(J.J.ジョンソン)、「Four」(マイルス・デイヴィス)のあと、「Softly, as in a Morning Sunrise」。マキさんの話を聞いたせいか、深い倍音でストレートに吹き、駆け上がり、少しレイドバックする植松さんのテナーから、どうしても新宿や池袋の夜の匂いがする。テーマはしばらくしてから現れた。続く「Speak Low」では永武さんのピアノが飛ばし、右肘が上がる。「黒いオルフェ」では、お茶目にも植松さんがピアノの椅子に腰かけた。「All Blues」では、ピアノのあざやかなイントロから、ふたりで合図しあい、テナーが入っていく面白さがあった。

セカンドセット。もう植松さんは自分の椅子を用意した。2曲ほど即興をやったのだが、特に後半のブルースに、植松孝夫カラーがばんばんと放出され、たびたびのけぞる。それは、「Dindi」(ジョビン)においてもそうであって、濃厚な倍音の奔流に、ピアノが手探りするようにあわせていった。「Now's the Time」は植松さんの我流のタイム感、力技で引っ張る引っ張る。やがてふたりともスピードアップしていき、その中で永武さんは高音を転がすような弾き方もみせた。一旦は終わったかと思ったのだが、植松さんはにやりとして、またテーマを吹き始めた。天を仰いで笑う永武さん。最後は「In a Sentimental Mood」。

それにしても唯一無二のテナー。嬉しくて聴きながら笑ってしまった。

Nikon P7800

●植松孝夫
植松孝夫+永武幹子@北千住Birdland(JazzTokyo)(2017年)
本田竹広『EASE / Earthian All Star Ensemble』(1992年)
『山崎幹夫撮影による浅川マキ文芸座ル・ピリエ大晦日ライヴ映像セレクション』(1987-92年)
浅川マキ『アメリカの夜』(1986年)
ジョージ大塚『Sea Breeze』(1971年)
植松孝夫『Debut』(1970年) 

●永武幹子
永武幹子+齋藤徹@本八幡cooljojo(2018年)
永武幹子+類家心平+池澤龍作@本八幡cooljojo(2018年)
永武幹子+加藤一平+瀬尾高志+林ライガ@セロニアス(2018年)
永武幹子+瀬尾高志+竹村一哲@高田馬場Gate One(2017年)
酒井俊+永武幹子+柵木雄斗(律動画面)@神保町試聴室(2017年)
永武幹子トリオ@本八幡cooljojo(2017年)
永武幹子+瀬尾高志+柵木雄斗@高田馬場Gate One(2017年)
MAGATAMA@本八幡cooljojo(2017年)
植松孝夫+永武幹子@北千住Birdland(JazzTokyo)(2017年)
永武幹子トリオ@本八幡cooljojo(2017年)


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