琉球センター・どぅたっちで、板橋文夫と李政美(い・ぢょんみ)のデュオを観た。
李政美さんの音楽に触れるのははじめてだ。「わたしはうたう」、「京成線」、「恨五百年」などのほか、「Summertime」や、「えんどうの花」、「じんじん」、「てぃんさぐぬ花」、「安里屋ユンタ」といった沖縄民謡も歌った。優しく入りながら、声の音圧が凄い。李さんは大きな朝鮮の太鼓チャンゴも使った。
そして板橋さんは、歌伴だけでなく、ピアノソロも披露した。東北に捧げられた曲では、ピアノが地震のように大きく揺れ、久々にこみあげてくるものを覚えた。最後の「渡良瀬」においてだったか、あまりの演奏の激しさに、黒鍵のひとつが横にぎゅいーんと飛んで行った。仰天である。
黒鍵を貼りつける前に、板橋さんのサインが書きこまれた
ライヴが終わってから、またも島袋さんの旨い料理で懇親会。何と板橋さんが興に乗って「生活の柄」なんかを弾きはじめた。太田武二さんの歌や三線にあわせて伴奏したり、箸で皿を叩いたり。
わたしも、板橋さんが講師を務めるスクールで、以前しばらく松風鉱一さんに師事してサックスを云々なんて言ったものだから、あとで、板橋さんに、いまサックス持ってないの!?こんなときに一緒にやらなきゃダメだよ!なんて迫られてしまった。仮にその場にあったとしても、しばらく触っていない楽器を、御大の前で取り出す蛮勇はわたしにはない。