Sightsong

自縄自縛日記

道岸勝一『ある日』

2011-07-18 01:47:23 | 韓国・朝鮮

道岸勝一『ある日』(新宿書房、1985年)は、1960年代以降の在日コリアンたちの姿を撮った写真集である。江東区枝川、小平の朝鮮大学校、北朝鮮帰国事業、関東大震災朝鮮人虐殺の慰霊、指紋押捺拒否など、いくつもの振り返るべき時空間が記録されている。

何といっても、枝川の子どもたちの屈託ない笑顔がたまらなく良い。枝川のコリアンタウンが、「潜入ルポ」など、見世物のようにメディアに取りあげられていた時期のシリアス・フォトグラフィーなのだ。

この前の土曜日に枝川の東京朝鮮第2初級学校でシンポジウムに参加し、その後、校庭での焼肉パーティの時に、昔からの住人の方々にこの写真集を見せてみた。

「ああこれは○○さんじゃないかね。」
すかさず隣の人が、「赤ん坊の顔でわかるものかね。」
「いやわかるもんだよ。」

道岸氏は今では神奈川県に住んでおられると聞いた。

●参照
『東京のコリアン・タウン 枝川物語』
枝川でのシンポジウム「高校無償化からの排除、助成金停止 教育における民族差別を許さない」
野村進『コリアン世界の旅』
菊池嘉晃『北朝鮮帰国事業』、50年近く前のピースの空箱と色褪せた写真


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