ロサンゼルス郊外のサンランドにあるSun Space(2019/9/12)。
Bobby Bradford (cor)
Bill Roper (tuba, vo, etc.)
Brad Dutz (perc)
開演の1時間前に着いたら一番乗り。いつも地元の人たちばかりなのだろう、店主が訝しんでどこで知って来たのか、と。いや「LAjazz」で見つけたと言うと、へえこんなサイトがと驚いていた。
多くのパーカッションを入念に準備しているブラッド・ドゥッツは饒舌で一方的に話してくる。程なくしてビル・ローパーが現れ、身体をひと巻きする奇妙な楽器を組み立てた。続いてレジェンドのボビー・ブラッドフォード。そうこうしているうちに客がどんどん集まり、最終的には30人程度になり、小さいハコが一杯になった。みんな顔見知りのようでハグしたりお喋りしたり。外様のわたしにも話しかけてきて愉しい。
演奏は想定外にユーモラスだった。ローパーがMCのようにあれこれ言葉を放ってはチューバや奇妙な楽器を吹く。家は悲惨でみんな外に出てサーカスのようだとか、トランプ?ランプ肉?なんて味だ!とか、そのたびにみんな爆笑。ブラッド・トゥッツのパーカッションは、いきなり周りを否応なく巻き込んで走り始めたり、スティールドラムで彩りを付けたり。
そしてブラッドフォードのコルネットは味わい深く、音のひとつひとつが向こう側に背景を持っている。モンク曲やスタンダードの断片をみせたり、ときにデイヴィッド・マレイの曲を思わせるときがあったり。演奏の終わりころには、ジャッキー・ロビンソンやマルコムXやマダムC.J. ウォーカーなんかの名前を出して思い出話をした(横でローパーが「18世紀!」と叫んでまた爆笑)。最後まで嬉しかった。
終わってからブラッドフォード氏と話した。70年代に出したジョン・カーターとの共演盤がスイングジャーナル誌に取り上げられて、まだその記事を持っている、グラフィックが多くて良い雑誌だったと言った。
Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4
●ボビー・ブラッドフォード
デイヴィッド・マレイ『Be My Monster Love』、『Rendezvous Suite』(2009、12年)