Sightsong

自縄自縛日記

浦安魚市場(3) まぐろの尾

2007-04-29 18:35:50 | 関東

客人が来るので浦安魚市場で買い物。

泉銀」でまぐろの尾、「魚巳之」で木更津のあさり。

まぐろの尾は塩と生姜をすりこんで、ガスオーブンでひっくり返しながら200℃・40分くらい焼いた。
よく動くところだけあって締まっている。500円でこの分厚い2切れは安い。
インパクトがあって旨いと好評だった。

あさりは、玉葱、大蒜、オリーブ油、酒、バターであさりバター。




「けーし風」読者の集い

2007-04-29 07:58:56 | 沖縄
けーし風」54号(→過去の記事参照)読者の集いに参加した(神保町区民館、4/28)。

参加者は私も含め9人。

那覇のほうの「集い」では、東村高江を訪れたようだ。

印象に残った話題

●土建のオカネは沖縄にはあまり落ちないこと。
 ・モノレールの施工は本土企業
 ・公共設備の設計は本土の設計士
 ・高級ホテルの食材は本土から持ってくる

●先日の参院補選で、ヤマトンチュがウチナンチュを破ったこと。
 ・自公推薦の島尻氏はもともと本土出身
 ・ここまでの事態はかつてなかった
 ・有権者には生活の豊かさのみが重要となっている
 ・都知事選同様、マニフェストよりもパフォーマンスやイメージが効いた

●強行されようとしている辺野古の「事前調査」は強引・ムダであること。
 ・「事前調査」が「環境アセスメント」にすり替えられる可能性がある
 ・広域でムダに調査を行うので経費もムダにかかる
 ・沖縄・一坪反戦地主会でも、防衛省・防衛施設庁宛の抗議文を提出

 (→『リーフチェッカー’さめ’の日記』参照)

●地域によって医療福祉の体制が組めないこと。
 ・離島のお年寄りは本土レベルよりも多額のオカネを払っている
 ・医師を巡って問題が発生する場合もある
  (座間味の事件も話題になった→『「癒しの島」から「冷やしの島」へ』参照)

など。

昨日(2007/4/28)、普天間では人間の鎖ができたということだ。(→読売新聞

白山の「映画館」

2007-04-27 21:50:59 | アヴァンギャルド・ジャズ
仕事の合間に、白山(文京区)のジャズ喫茶、「映画館」に寄った。
名前のとおり、アリフレックスやらフィルムエディターやらリールやらがあちこちにあって楽しい。

フリージャズもだいぶん置いているとのことだったので、大好きなオーネット・コールマンの『This Is Our Music』(Atlantic)をかけて頂いた。大きなスピーカーで聴くと、オーネットのサックスの音もさることながら、チャーリー・ヘイデンのベースの音が実に気持ちよかった。

いまやジャズ喫茶が少ないうえ、このような偏りはとても嬉しい。
歌舞伎町の「ナルシス」と並んでリピートスポットになりそうだ。

壁にはアレキサンダー・フォン・シュリッペンバッハや高瀬アキのサインがあった。



カメラじろじろ

2007-04-26 23:22:22 | 写真
カメラ好きにとって、カメラは写真を撮るための道具にとどまらない。

金属やペイントの触り心地。
形。
ファインダーの覗き心地。
使っている自分。

このような妄想に憑りつかれる人は多い(たぶん)。

もちろん私もそうである。愚か者め。

だから、買いもしないカメラの記事を読んだり、買いもしないカメラを量販店で次々に触ったり、街で他人が持っているカメラが何か気になったりするわけだ。

そのような病に効く(あるいは、より進行させる)ための本として、これは一番のおすすめである。
アーサー・エルゴートの『Camera Crazy』(Steidl、2004年)。

カメラマン、パパラッチ、観光客の記念写真、普段のスナップなどの、撮影結果ではなく撮影の様子を、とにかくスクラップブック的に集めている。

裸の女性が使うミノックス(下の写真では、本の売り上げを阻害しないように下の部分を切り取ってある)、お年寄りの女性が使うコダック・メダリスト、尼さんたちが使うポラロイドSX-70・・・。もうじろじろ見ているだけで楽しいのだ。

ところで、尼さんで思い出した。往年の8ミリ専門雑誌『小型映画』(玄光社)のバックナンバーを少し持っているが、その中には、8ミリを布教の目的で使っているとの記事があった。ほほえましいというか面白いというか、なんだか笑ってしまう。






『小型映画』(玄光社)1969年9月号記事

PENTAX K2DMD、FA 77mm/f1.8 Limited、旧江戸川

2007-04-24 21:23:13 | 写真
ペンタックス(当時、旭光学)のフラッグシップ機、K2DMD
長谷川工作所さんに修理に出していたが3ヶ月くらい経って完了した。
AEの基盤がやられていたので交換したとのこと。
巻き上げもシャッター音もがっちりした感じがして、MXともLXとも違う気持ち良さがある。



77mm/f1.8リミテッドを付けて旧江戸川沿いを息子と散歩。
川にはいろいろあって楽しい。
川沿いの土手も、いままでは浦安市側だけ整備され、市川市側は工場地帯であったため整備されていなかったが、ようやく今井橋まで綺麗につながった。


廃原チャ PENTAX K2DMD、77mm/f1.8、フジの無料ネガ、デジタルプリント


ポコポコ PENTAX K2DMD、77mm/f1.8、フジの無料ネガ、デジタルプリント


屋形船 PENTAX K2DMD、77mm/f1.8、フジの無料ネガ、デジタルプリント

やんばる(5) けーし風、基地、原子力

2007-04-23 00:24:43 | 沖縄

『けーし風』(2007/3/20、新沖縄フォーラム)。特集は「検証・SACO 10年の沖縄」。

表紙は海岸に置かれた「琉球」カメラ。これはたぶん、コニカのハーフ判カメラ「コニカEYE」だ。「琉球」と上から貼っただけだろうが、かなり欲しいオブジェである(笑)。

いくつか興味深い記事があった。

■「大詰めを迎えたヘリパッド問題」(石原理恵氏)
■「北部訓練場内ヘリパッド建設問題」(本永貴子氏)

○問題点は過去の記事参照。気になったこと
○ヘリパッド継続・増設の問題のひとつとして、電源開発の海水揚水発電所が近いことを挙げているが、これが原子力発電の候補地とも聞いている、とのこと。確かに沖縄に原子力発電を新設することについて、いろいろな報道や噂があったことは知っているが、ここが候補との話があるとは。実際には難しいとは思うが。
○それから、ヘリパッドが増設される東村高江の方々は孤立感を強めておられるとのこと、切迫しているようだ。このサイトも含め、何かの形で応援し続けたいと思う。

■「つみ重ねてきたもの、広げてきた思い」(東恩納琢磨氏、渡具知武清氏、真喜志好一氏)

○基地に関して反対運動を継続してこられた方々の座談会。
○地元の経済波及効果が、公共工事等を通じて期待されている(これは沖縄に限らず、だろう)が、実際に旨みがあるのは本土あるいは米国のゼネコンなどであり、地元には実は大したオカネが落ちない構造になっているということ。
○また、辺野古の基地のため、辺野古ダムをつぶすという話になっているということ。本土では「ダムはムダ」がほとんど常識と化しているが、しかし利水が必要なはずの沖縄でダムのスクラップ&ビルド、ということか。キャンプ・シュワブ向けとは言っても・・・。
○ところで、東恩納氏が撮影したという、ジュゴンとウミガメが泳いでいる凄い映像が、先日日本テレビで放送された『ドキュメント'07 ジュゴンとおばあ:ひきこもり青年が見た米軍再編』(2007/4/1)に活かされているようだ。
ダイジェスト映像(ジュゴンとウミガメが一緒に泳ぐ姿は必見!)

■「SACO 10年と米軍再編計画」(新崎盛暉氏、我部政明氏)

我部氏による気になった指摘
○県や名護市は、基地はプラン通り進むものと見てゴネて、「値が上がる」のを待っている。
○辺野古の基地はできない可能性が高い。米国にとっては時間的制約も、予算的制約もある。
○しかし、その場合、自衛隊が再利用する可能性が高い。警察予備隊の時代以来、自衛隊基地の拡張は米軍基地の再編と一体で進んできている
○もはや普天間強化には戻れないから、今、辺野古突破の圧力が強くなっている。
つまり、基地というものを米国+自衛隊として捉え、反対運動はやはり従来通り個別に行うことが効果的、というように読めばよいのだろうか。
現在の米国にとっての効率的な軍備体制、さらには軍事予算の縮小のため、米軍兵力はかなりが米国本土に向かっているようだ(ポール・ビーバー『七万人を本土に戻すアメリカの未来軍事構想』、フォーサイト2004/10、新潮社)。それを考えると、「米軍の姿が自衛隊に変わるだけ」の相互乗り入れについて、充分に警戒し、注視しなければならないということか。

■普天間基地の返還を求めて(伊波洋一宜野湾市長)

普天間基地に関する市の取り組み内容。昨日の選挙(2007/4/22)で再選されたようなので、新たな政策にも注目したい。


沖縄「集団自決」問題(2) 週刊金曜日、国会、『日本誕生』

2007-04-21 20:55:52 | 沖縄
4月20日の衆議院で、菅直人議員(民主党)から、沖縄の「集団自決」に関する教科書検定について質問があった。それに対して、伊吹文明文科大臣安倍晋三首相の答弁がなされた。(『きっこの日記』から知った)

伊吹・安部両氏ともに、質問への回答にまったくなっていないのは明らか
図らずも、今回の教科書検定に理屈が通っておらず、逆につつかれると痛い点であることを示している。
ちょっと長いが(↓最初の1時間ていど)、閲覧の価値があると思う。

衆議院TV



今回の『週刊金曜日』(2007/4/20号)には、高嶋伸欣氏(琉球大学教授)による『文科省の沖縄「集団自決」軍関与抹消を許さない』という記事がある。

●従来の検定前の教科書について、文科省が「正誤訂正」の指導をしないことは、今回の検定に自信がないことのあらわれ
●岩波・大江訴訟を検定の一根拠にすることは違法
●もともと文科省の「検定基準」は、係争中の事象は最終判決まで待つとするものだった筈
●検定関係規定の解釈や運用を恣意的にするのは職権濫用(家永裁判の根拠)
●仮に慶良間諸島で直接隊長の命令がなくても軍の責任は問われるべき
●下村官房副長官は「自虐的教科書は官邸でチェックする」としている
 (※上記、伊吹文科大臣の「検定にはタッチしていない」発言と矛盾)
●安部首相まわりの諸右派団体の動きと連動
●沖縄は勿論、海外メディアも関心を示しているが、本土の関心が低いのは残念

といった指摘である。



ところで、『日本誕生』(稲垣浩監督、1959年)をDVDで観た。
しょぼさ、情けなさは今回の答弁と同等のレベル。
しかし中世以来千数百年、記紀を中心に「わが国の神話はこれにするからな」とトップダウンで周知されてきたこと、天皇制の正統性はそれと結びつけられていること、明治の近代化と軌を一にした神話復興などを考えれば、「しょぼい映画」と笑ってもいられないのだ。

三船演じる日本武尊は、記紀神話とは異なり、直接大和政権に裏切られ倒れる。その骸から白鳥が飛び立つところなどは、神話上の英雄を神話よりさらに美化する。最近の「男たちの大和」だとか、「俺は、君のためにこそ死ににいく」などの軍人美化と同じではないか(観ていないので無責任な発言)。同じ創世神話を扱ったジョン・ヒューストンの『天地創造』とは、どうしようもない無邪気さという点では共通しているが、偏った愛国心の推進が見えるだけにこちらのほうがタチが悪い

『日本誕生』、興味があるのはマニアックなところだけ。
天照大神(原節子!)が閉じこもった天岩戸の前で、呼び出そうと、アメノウズメノミコト(乙羽信子!)がコミカルでエロチックな踊りをする。『日本神話120の謎』(安本美典、勉誠出版)によると、記紀神話に沿って、アメノウズメの満たしているべき条件として、以下の6点を挙げている。

●手に笹の葉または矛を持つ。
●裳(スカート)をつけている。
●ヒカゲのカズラでタスキをしている。
●マサキのカズラまたはサカキを髪飾りとしている。
●乳房をかき出している。
●紐が陰部に垂れそうになっている。

同書では漫画や北斎の画やこの映画などを比較し、得点付けをしている。それによるとこの映画は7点満点の3点。他も同様の得点レベルだが、東宝映画1000本を記念した映画にしてはあまりにもお粗末なのだった。

政府が「なかったことにする」つもりの「集団自決」も根拠はお粗末、冗談ではすまない。


日本武尊(三船敏郎)の骸から白鳥が飛び立つ


神々の間で踊るアメノウズメノミコト

与世山澄子ファンにとっての「恋しくて」

2007-04-19 23:14:06 | 沖縄
新宿で『恋しくて』(中江裕司監督)を観た。

BEGINの面々を題材にした青春映画である。このような青春映画を語る語彙を私は持たない(平たく言うとこっ恥ずかしい)ので、映画そのものについての感想は、面白かったということにしておく。

しかし、なぜ、登場人物にまったく感情移入できないのだろう?『ナビィの恋』も『ホテル・ハイビスカス』も面白かったのだが、沖縄を都合のいい妄想の対象としか考えていないような気がしてならない。

そこまで言って見に行った理由は、与世山澄子さんが出演していることに尽きる。
ここでも「What a Wonderful World」を、深く、可愛い声で歌っている。
那覇にあるライブハウス兼喫茶店「インタリュード」は、その雰囲気を残しつつもう少し立派になって、石垣島にしつらえられている。演技云々より、与世山さんを映画館で見ることができたので満足なのだ。

一昨年「インタリュード」にコーヒーを飲みに行くと、これから映画の打ち合わせがあるといって隣のテーブルでセッセと台本を読んでいた。昨年お邪魔したときは、映画は他の人が評価を決めるものだから、といって照れくさそうにしていた。飾らない人柄で、もう大好きなのである。

ところで映画館のロビーに、与世山さんの顔がプリントされたTシャツが売っていた(!)。
仮に着て「インタリュード」に行っても、苦笑されるのが関の山、買わなかった。




「恋しくて」のポスターが貼ってあるインタリュード、Leica M4、Zeiss Biogon 35mm/f2.0、Provia 400X

「生活の柄」を国歌にしよう

2007-04-19 08:46:23 | ポップス

『高田渡読本』(CDジャーナルムック、音楽出版社)という本が出ていた。

高田渡のCDを聴いたりしながら、楽しく、しみじみと読んでいる。ディスコグラフィーの解説では、館野公一氏が、「生活の柄」について、こう述べている。

国歌斉唱と言われたとき、この歌を歌ったら、戦争をやろうとか、兵隊に行こうとは思わないのではないか。この歌は何かを変えられるのではないか。

通勤電車のなかで、ついククッと笑ってしまった。そうだそうだ、それがいいと思った。

96年か97年頃、新宿ピットインに板橋文夫を聴きに行ったら、大工哲弘が共演していて「生活の柄」を歌った。初めて聴いて気になったので、友達(いまの妻)に、これこれこういう歌で、と説明したら、それは「生活の柄」だと教えてくれた。詩を書いた山之口獏については、その後に知った。

山之口獏の詩に曲をつけたCD『獏』(B/C RECORDS)過去の記事参照)では、その大工哲弘と高田渡とが「生活の柄」で共演している。ハモろうという気がさらさらなさそうなのが笑える。


『ごあいさつ』(キング、1971年) 若い声の「生活の柄」が聴ける


『よろん小唄(十九の春)・ラッパ節』(B/C RECORDS、1998年) 金城恵子との共演、バックに嘉手苅林次や渋谷毅 (曲はこの2曲)


やんばる(4) 「やんばるの森を守ろう!米軍ヘリパッド建設を止めよう!!」集会

2007-04-16 23:56:11 | 沖縄
『「癒しの島」から「冷やしの島」へ』でこの集会を知り、参加してきた。

主催は、なはブロッコリーと沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック。
場所は大崎駅前のゲートシティ。参加者は30名くらいだっただろうか。

私もやんばるのスダジイ照葉樹林を「ブロッコリーの森」と教わっていたので(過去の記事参照)、グループ名にとても親近感がある。

まずは、NHK沖縄で2000年に放送されたドキュ『"隣人"の素顔』の、関連部分の上映があった。

米軍は「よき隣人」政策(good neighbor)により、沖縄の基地の親和をはかってきている。しかし、やんばるの北部訓練場(98年に「ジャングル戦闘訓練センター」と改称)では、恐るべき訓練が行われている。ヴェトナム戦争後、米軍は、ジャングル戦を想定した訓練をあちこちで実施してきていて、やんばるもその1つであったし、いまや最重要な訓練場と化しているというのである。

実際に、麻薬密造工場や捕虜がいる村を想定した「第三世界の村」や、米軍を攻撃するミサイルを模した「ミサイルサイト」など、凄絶な訓練場の風景や、ロープを伝い、泥水をくぐる訓練の様子が映し出されている。なぜ、こんなことを、生活圏で、大事な森のなかで行うのか?

96年の日米間合意(SACO)により、北部訓練場の半分を日本に返還することが約束されている。その裏には、残される訓練場のなかに、さらにヘリパッドを作る計画があることが明らかにされている。

つまり

●普天間基地の返還 → 代替に 辺野古の飛行場
●北部訓練場の返還 → 代替に ヘリパッドの増設

という、頭越しの計画だ。

次に、なはブロッコリー代表の本永貴子さんより、現況と問題のご報告があった。

●世界遺産の候補になった地であり、ガラパゴスより豊富な生態系を持つこと
●この緯度でこれほどの亜熱帯林が残されていることが奇跡であること
●離着陸が想像されるオスプレイは、何度も事故を起こした危険なヘリであること
●近隣ダムで既にペイント弾等が多数発見されており汚染の懸念があること
 (住民のご老人曰く、「顔は水で洗えるが、水瓶を何で洗うのか?」)
●訓練場と民間地域との境目がなく、危険かつ脅威であること
●夜間のヘリ無灯火訓練が危険かつ騒音が凄いこと
●子供達の初めて覚えた言葉が「こわい」「うるさい」であったこと
●形ばかりの環境アセスが進められていること
 (『再浮上する悪夢』浦島悦子、週刊金曜日2007/4/6に詳しい
●県など行政は「問題が起きた後に対応」との姿勢であること

など、具体的な点を挙げておられた。

ではどうすればいいのか?

本永さんは、とにかく1人1人がつながっていくこと、その力を世論としていくことを提唱された。

私の手元にある『沖縄やんばる亜熱帯の森-この世界の宝をこわすな』(平良克之・伊藤嘉昭、高文研)には、やんばるを世界遺産にしてこのような暴挙を防ぐことが問いかけられている。世界遺産、とくに自然遺産にするには、IUCN(国際自然保護連合)の定める4項目の1つ、「すごい世界的価値のある絶滅危機の種を含む生物多様性の保存のための重要な自然のすみ場所がある地域」を適用することができる。

しかし、会場におられたWWFジャパンの花輪伸一さんによると、それは地域の保護が担保されないとなかなか難しいとのことだ。つまり、保護するから何もできないぞ、ではなく、何もできない状態にしたから世界遺産にしてくれ、とのロジックでないと指定は困難ということだろうか。

やんばるの森を一度でも訪ねた者は、その奥深さと多様性に魅了されると思う(私もその入り口にいる)。さらに(それよりも)、地域の方々は道の向こうにジャングル部隊が居て、ヘリやダム汚染の脅威に晒されて、やりきれなさと怒りでいっぱいではないかと推察する。本土に住んでいるからということは、無関心の理由にはならない(自分だったらどうする?)。もっとも、想像力の欠如しているのは、このようなことを条件の1つとして頭越しに決める政府ということになるのだろうが。


沖縄NHKのドキュ、本永さんのご報告


シールをさっそく楽器のケースに貼った(笑)


『沖縄やんばる亜熱帯の森-この世界の宝をこわすな』(平良克之・伊藤嘉昭、高文研)


牛乳(1) 低温殺菌のノンホモ牛乳と環境

2007-04-15 10:51:39 | 食べ物飲み物

日本で日常的に飲まれている牛乳のほとんどは、超高温短時間殺菌法(UHT)によるもの、つまり120~135℃・2秒間などの方法である。一方、低温殺菌によるもの、つまり63~65℃・30分間の殺菌方法による低温殺菌牛乳も数%程度のシェアがあり、少しずつではあるが割合を増やしてきている。なかには72~85℃・15~40秒間という方法もあり、これも「低温殺菌牛乳」として売られているようだ。

大きな違いは賞味期限と、それから製造時の経済性(30分より2秒のほうが時間もお金もかからない)だろう。

殺菌効果については、生乳そのものでない限り、衛生基準がある現在はコンマ数の違いを云々することにはあまり意味がない。栄養の吸収されやすさなどについても、それぞれの立場から異なった結果がでているから、本当に検証せず言及することは軽率である。

味も当然重要だが、慣れ親しんだUHTの方を好む人もいるから、一概に優劣を語ることはできない。したがって、私がここで味について言うことはあくまで主観的な意見である。

私は、10年程度前は、低温殺菌牛乳こそを旨い牛乳だと思っていた。その後、我が家では、『日本の牛乳はなぜまずいのか』(平澤正夫、草思社)との出会いから、さらにノンホモジナイズドの低温殺菌牛乳、つまり製造段階で加圧して均一(ホモ)にしない牛乳を飲み始めるようになった。東毛酪農の「みんなの牛乳」である。今は、これが私の体験上いちばん旨い牛乳の位置を占めている。

ノンホモの場合、放っておくと上下分離して上に「クリームライン」ができる。ここだけを取ってクリームとして使えるし、ノンホモなので小さくされていない分子どうしがさらにクラスターとなりやすく、要は自宅でも振り続ければバターができる。私は、ビンの開けたてを振らずに注ぎ、旨いところを頂くというエゴイスティックなこともしている(別に残りがまずくなるわけでもない)。どうもノンホモであれば、製造段階で機械にへばりつくなどの弊害があることも、ホモ牛乳が多いことの理由らしい。

『幸せな牛からおいしい牛乳』(中洞正、コモンズ)によると、牛乳のイメージは「牧場」であるが、実際には日本の多くの牛乳は、牛舎に押込められて不自然に人工授精され、輸入飼料を与えられている乳牛から生産されている。そして搾乳後は経済合理性至上主義により、製造され、流通される。

中洞氏が主張していることは、①牛乳は日本という気候風土にあった方法で不自然・危険な方法ではなく生産されるべき、②乳脂肪分至上主義(濃い方が売れる)はおかしい、③安全で旨い牛乳を作れば安売りはできない(しかもマージンが取られる)、といったことだ。実際に、乳脂肪分が3.5%を切る生乳を供給する酪農家は、そうでない場合の半額程度の卸値で引き取られるそうである。また、スーパーでも、広告の目玉商品として、客寄せのため原価割れでも販売していたりする。


『幸せな牛からおいしい牛乳』(中洞正、コモンズ)他により作成

このような経済合理性に基づく大量生産・大量流通により、安価に消費者が牛乳を飲めるのであるから、一概におかしいというわけにはいかない。しかし、不健康な牛から牛乳を搾り取り、酪農家がコスト的に窮々とし、安全性や旨さを犠牲にするあり方は、やはり歪んでいる。大規模乳業メーカーのモラルハザードなども、起こるべくして起こった事件なのだろう。

すなわち、なるべく地産地消のスローフードに近いもの、そして国内ではあるがフェアトレードの概念を働かせるべきだということになる。

中洞氏は、さらに、環境容量の思想にまで到達している。つまり、生鮮食品であるから、不自然に遠距離輸送・長期間保存を行うことは必要最低限にとどめ、安全性を優先させ、さらに穀物輸入を通じて貧困地域の間接的な抑圧を回避するには、日本国内の酪農は一定の条件を満たしたものに限るべきとする考えである。

中洞牧場」の課している条件は、放牧する牛は1ha内に2頭以内(=50アール/頭)、輸入飼料は使わず天然の植生を活用する、といったものである。なお、東毛酪農が他の酪農家から仕入れる基準は、牛1頭あたり10アール以上の牧草地+10坪(=33m2=0.33アール)以上の運動場とされており(『日本の牛乳はなぜまずいのか』、平澤正夫、草思社)、単純比較はできないが、中洞氏の条件は相当に厳しいものだ。

我が家で購入している「みんなの牛乳」(東毛酪農)、さらにまだ飲んだことはないが「四季むかしの牛乳」(中洞牧場)は、スーパーで購入できる普通のUHT乳や低温殺菌牛乳に比べて相当高い。産地直販や、生協などを通じての共同購入には難しい点もあるだろう。しかし、とにかく低温殺菌ノンホモ乳は旨いのである。安全かつ日本(間接的に海外)の環境を害していないのであればなおさら良い。

まずはどちらの本も面白いので、一読をおすすめする。

ところで、榎本牧場(埼玉県)に遊びに行って話を聞いたときのこと。「低温殺菌牛乳が一番旨いですが、さらに絞りたての牛乳のほうが旨いです。しかし、商品として提供できないので、あなたがたは飲めません」・・・心底羨ましいと思うのだった。


右端は「なのはな生協」のチラシ、「夫」は私(笑)


浦安魚市場(2) あさりバターと鯖の干物

2007-04-14 12:54:17 | 関東

今朝も浦安魚市場。

あさりは三重県と愛知県のものがあったが後者が大ぶりだったのでこっち。
大蒜、玉葱、バター、酒、醤油であさりバター。

「泉銀」では銚子の鯖の干物を買った。


あさりとあさりバター 脅かさなければ貝殻から出て水を吹いたり元気なのだった


「泉銀」の干物


魚市場の帰り、オート三輪にはえたイボタノキ


酔い醒ましには口琴

2007-04-13 23:51:37 | ポップス

ここだけの話、酔った頭をしゃっきりさせるには口琴がよい。

私はハンガリーの名匠ゾルタン・シラギー作のもの(写真奥:「ロココ」というタイプ)、アメリカ製の安物(写真手前)の2つを持っている。人様の前でふざけたことはあっても演奏したことはない。

出来も音も、断然シラギー作が優れている。しかし、大柄で弾いたときのインパクトが大きいアメリカ製の方が、直接的に頭蓋骨を震わせて、酔い醒ましに効くのだ。あまり居ないと思うが、酒を飲んだあとに頭をもとに戻したい方は試されたい。

なお、シラギー作の名品の数々は、巻上公一のサイトか、中野の「タコシェ」で購入できる。アメリカ製のものは、たしか、田原町(台東区)の「パーカッションシティ」で買った。

毎度ばかばかしい話。


沖縄「集団自決」問題(1) ビデオ証言で学ぶ沖縄「集団自決」と教科書記述削除問題

2007-04-11 23:58:33 | 沖縄
『「癒しの島」から「冷やしの島」へ』においてこの勉強会を知り、仕事の後に参加してきた。歩いてすぐなので・・・。

出版労連教科書対策部の主催。岩波書店労働組合後援、沖縄平和ネットワーク協力。

会場(岩波セミナールーム)は座りきれない聴衆、100人超。

先日の教科書検定では、沖縄での「集団自決」が日本軍に強いられたとの記述が、「沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現」という理由で、各社の教科書が修正を余儀なくされた。

教育改悪の一環として、従軍慰安婦問題、南京大虐殺、そしてこの集団自決が、充分な論議なく「なかったこと」にされようとしている。出版労連の吉田氏が語られたように、背景には今後の再軍備化や日米安保の強化を目指した国民の教化(「教科書」ではなく「教化書」!)が目的であることが浮かび上がってくる。

「なかったことにする」ための争点の1つは、狭い意味での「自決命令」があったかどうか、にされそうになっている。
しかし、「集団自決」を生き延びて孤児となられた金城氏がビデオで証言したことのほうが、より説得力があった。

狭い意味での「命令」があったかどうかではなく、当時の教育や異常事態の環境を含め、犠牲になった住民の方々は「命令があったもの」と理解していたし、また、そのために異常な精神状態に追い込まれていたことを勘案しなければならないという主張である。

話は全く異なるが、仮に「いじめ」があったとして、「首謀者が直接手を下していないからいじめはなかった」という主張はありえないだろう。

新政権になってから特に、日本ファシズム再到来の足音が聞こえる。大げさな話ではないはずだ。

お上の決めたお話を受け容れなさい、なんて、われわれを馬鹿にするでないぞ。

これは沖縄という土地でおきた問題だが、ヤマトンチュであるわれわれの問題でもあることを、私も含め、再認識しなければならないだろう。

沖縄平和ネットワーク、平和ガイドの大島氏が語られたように、われわれにできることはまず意識、そして世論、そのためには署名、可能なら積極的な裁判傍聴。私はインテリの端くれとして恥ずかしくないよう勉強と署名。


金城重明氏の語るビデオ映像、大島和典氏の熱いトーク