ちょっとマンネリですが・・・

ダラダラ過ごしている毎日のことあれこれ・・・・

出会いが作品の有無を決定する。

2009年07月19日 | Weblog
「作家とは何か」森村誠一著より。

森村さんには、自分はこれを描き、伝えるために生まれてきたといえる作品があったと語る。そんな情熱を呼び起こす作品とは「悪魔の飽食」だった。

これは小説ではなく、関東軍七三一部隊の生体実験のドキュメントだった。私も数十年前に読んだことはある。しかも、これは取材インタビューによって、リアルな証言を得られたからこそ書けた作品だったようだ。

それ以前は七三一部隊の全貌はほとんど歴史の闇に閉ざされていたのだ。人との出会い、インタビュー、現地調査により出来ていた。しかも、いろいろな困難のなか三部作を仕上げていたのだ。作家の根性というほかないだろう。ここではテーマとの出会いがあったということらしい。

また、「人間の証明」では2つの出会いがあったからこそ、書きあげられたと語る。その一つは学生時代に群馬県の霧積温泉を訪れたとき、弁当の包み紙に「母さん、ぼくのあの帽子、どうしたでせうね」の麦わら帽子の詩が刷られていたことだった。

もう一つは、角川春樹氏から、「作家の証明となるような作品を書いてください」と言われたからだったと振り返る。それまでは、小説は一人で書くものを思っていたが、一人の仕事である小説も出会いによって生まれることを知ったという。

また私たちは人間以外にもいろいろな芸術、小説、植物、自然、芸術、土地・・・との出会いによって人生が変わっていくことになるのだろうな。今後ともいい出会いに期待したいもの。