「知的経験のすすめ」開高健著より。
著者がアラスカの原生林で老人のガイドにレクチャーされたことがあった。森の中には倒れて朽ちたままになっている風倒木というものがあったらしい。これは実はゴミではなかった。逆に森を育てているものだということで、“ナース・ログ”(看護婦の木)と呼ばれているものだった。
風倒木は森の湿気を保ち、苔を育て、川の氾濫さえも防いでくれていた。朽ちた木は分解して栄養分を森に与えていたのだ。つまり私たちが身近でも見られる腐葉土のようなものになっていたのだろう。
そこでは、キノコが育ち虫や鳥やネズミなどの動物も育つことになる。だから一見ゴミのように見えても、森にとっては不可欠なものだったといえる。
知らず知らずのうちに50年以上も生きてくると、実にムダな時間を過ごしたと思うこともある。しかし、そんな中にも皮肉なことだが、反面教師というような人にも出会っていた。
そう考えれば失ったと思える時間も単なるムダではなかったとも思えたりして。少しは今の自分の役に立っていることもあるかな。(そう考えないともったいない気もするし・・・)
著者がアラスカの原生林で老人のガイドにレクチャーされたことがあった。森の中には倒れて朽ちたままになっている風倒木というものがあったらしい。これは実はゴミではなかった。逆に森を育てているものだということで、“ナース・ログ”(看護婦の木)と呼ばれているものだった。
風倒木は森の湿気を保ち、苔を育て、川の氾濫さえも防いでくれていた。朽ちた木は分解して栄養分を森に与えていたのだ。つまり私たちが身近でも見られる腐葉土のようなものになっていたのだろう。
そこでは、キノコが育ち虫や鳥やネズミなどの動物も育つことになる。だから一見ゴミのように見えても、森にとっては不可欠なものだったといえる。
知らず知らずのうちに50年以上も生きてくると、実にムダな時間を過ごしたと思うこともある。しかし、そんな中にも皮肉なことだが、反面教師というような人にも出会っていた。
そう考えれば失ったと思える時間も単なるムダではなかったとも思えたりして。少しは今の自分の役に立っていることもあるかな。(そう考えないともったいない気もするし・・・)