素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

新田八郎の♪南洋航路♪は♪ラバウル小唄♪の元唄だった!

2024年06月05日 | 日記
 6月に入って『楽園の犬』(岩井圭也・角川春樹事務所)を読み始めた。当初、398ページのボリュームがあるので1ヶ月ぐらいかけてゆっくり読もうと思っていたが、面白くて読むペースは一気に加速し【序・第一章犬・第二章魚・第三章鳥・第四章花・終章】の内5日間で第四章の中ほどまで読んでしまった。この勢いだと明日には読了となるかもしれない。

 太平洋戦争開始の前年、昭和15(1940)年の南陽群島の一つサイパン島が物語の舞台である。地球儀を手元に置き史実なども参考にしながら読んでいる。主人公の麻田健吾が「パラオ丸」でサイパン島に向かうところから【第一章・犬】は始まる。その中にこういう下りがある。

 「・・・・・ この船は明日、サイパン島に到着する予定だった。今日で横浜を発ってから八日目。退屈な旅もようやく終わりを告げる。麻田はぬるい風を浴びながら、自然と歌を口ずさんでいた。

     赤い夕陽が 波間に沈む
     涯は何処か 水平線よ
     今日も遥々 南洋航路
     男船乗り 鷗鳥


 今年発売された、新田八郎の「南洋航路」である。パラオ丸に乗ってからというもの、何度歌ったかしれない。「南洋航路」が流行した影響か、最近は「南洋」と付く歌がにわかに増えた気がする。・・・・」


 ふと「どんな歌だろう?」と思い調べてみた。こういう時、今は便利になったとつくづく思う。聴いてみるとメロディーは父親がよく歌っていた♪ラバウル小唄♪だった。

 【ラバウル小唄は、日本の戦時歌謡である。作詞:若杉雄三郎、作曲:島口駒夫。1945年発売。この歌は、元々1940年にビクターより発売された「南洋航路」(作詞作曲は同じ人物、歌:新田八郎)が元歌である。
 歌詞に太平洋戦争の日本海軍の拠点であったラバウルの地名が入っていたこともあり、南方から撤退する兵士たちによって好んで歌われ、復員後に広められた。このため、戦争末期の日本で、レコードとしてでなく、先に俗謡として流行した。】とウィキペディア(Wikipedia)に説明されていた。

南洋航路


 2つの歌を聴きながら小説を読むとひと味違う。さらに読む速度が加速しそうだ。読書で「止まらない!止まらない!・・・」となるのは久しぶりのことである。
コメント
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