平成22年6月度 広布唱題会の砌
(於 総本山客殿)
(大日蓮 平成22年7月号 第773号 転載)
皆さん、おはようございます。
本日は、六月度の広布唱題会に当たり、皆様には多数の御参加、まことに御苦労さまでございます。
本年「広布前進の年」も既に六月に入り、皆様には本年度に掲げた折伏誓願の達成へ向けて日夜、御精進のことと存じます。
振り返ってみますと、昨年七月二十六日の「七万五千名大結集総会」の大勝利以降、法華講は全国的に折伏気運が高まり、特に本年度に入ってからは既に折伏誓願を達成した支部が多数、出てきております。
また、このほかにも、既に支部によっては七・八割までも達成しておりまして、誓願達成は間違いないという支部が多くあります。まことに喜ばしいことであり、これもひとえに各支部の皆様方が本年「広布前進の年」の意義を深く理解し、僧俗一致・異体同心の団結をもって真剣に戦っている結果であろうと存じます。是非、これからもなお一層の団結と強盛なる信心をもって、大中小、すべての支部が必ず誓願を達成されますよう、心から願うものであります。
さて、法華経法師品を拝しますと、
「若し是の善男子、善女人、我が滅度の後、能く窃に一人の為にも、法華経の、乃至一句を説かん。当に知るべし、是の人は則ち如来の使なり。如来の所遣として、如来の事を行ずるなり。何に況んや、大衆の中に於て、広く人の為に説かんをや」(法華経321㌻)とあります。
法師品には、ただいまの御文のほかにも、五種の妙行と言われる受持・読・誦・解説・書写の五種法師、已今当の三説、あるいは弘教の方軌として衣座室の三軌等が説かれております。
そのなかで、ただいまの御文は、仏の使いとしての菩薩行が説かれておりまして、仏様の滅後に法華経の一句をも説く者は「如来の使」であると仰せられているのであります。「如来の使」とは、如来より遣わされた者、仏の使者、すなわち仏の命を奉じて、わずか一人のためにも妙法蓮華経の一偈一句を説く者のことを言うのであります。
そもそも、仏様は御自身だけが満足するために法を説き、この世に御出現あそばされたわけではありません。一切衆生の幸せを願い、真実不変の教えをもって一切衆生を救済されるために、この世に御出現あそばされたのであります。
その仏様の一切衆生救済の誓願の御意を体し、仏の御意のままにその使いとなり、仏の命を奉じて広布に挺身していくのが「如来の使」であります。
また、経文のなかに「如来の事」とありましたが、この「如来の事」とは、仏様が一切衆生のために法を説き、利益を得せしめる、すなわち一切衆生を救護されることを言うのであります。
大聖人様は『秀句十勝抄』に、この法師品の御文ついて、
「『若し善男子善女人、我が滅度の後窃かに一人の為にも法華経の乃至一句をも説かん。当に知るべし、是の人は則ち如来の使ひ如来の所遣として如来の事を行ずるなり』已上経文。明らかに知んぬ、法華経を説く人は即ち是如来の使ひにして、即ち如来の事を行ずるなり」(御書1327㌻)
と仰せであります。また『一昨日御書』のなかには、
「法華を弘むる者は諸仏の使者なり」(同476㌻)
とあります。さらに『椎地四郎殿御書』には、
「法師品には『若し是の善男子善女人乃至則ち如来の使なり』と説かせ給ひて、僧も俗も尼も女も一句をも人にかたらん人は如来の使ひと見えたり。貴辺すでに俗なり、善男子の人なるべし」(同1555㌻)
と仰せであります。
これらの御文の如く、妙法蓮華経の一偈一句を説く者、すなわち末法において折伏を行ずる者は、僧俗男女を問わず、等しく「如来の使」であり、「如来の所遣」として「如来の事」を行じている人々であります。つまり、妙法広布に身を尽くし、折伏を行じている人は、すべて「如来の使」なのであります。
今、宗門は「広布前進の年」を迎え、僧俗一致して広宣流布への道を力強く進んでおります。こうしたなかで、我ら本宗の僧俗は、一人ひとりが「如来の使」としての自覚と誇りを持って、勇躍、折伏に励むことが今、最も肝要であろうと思います。
「索(もと)めずんば何をか獲ん」という言葉があります。何事も、やり遂げようという志を持ち、それを求めて行動を起こしていくということがまことに大事であります。
されば、一人ひとりが進んで一天四海本因妙広宣流布達成を祈念し、また自らの一生成仏を願い、御本尊様に真剣に祈り、全魂を込めて「如来の使」としての使命を果たしていくことが今、最も望まれるところであります。
いつも申し上げておりますように、平成二十七年・三十三年の目標を達成するためには、初年度に当たる本年を勝利することが絶対要件であります。
どうぞ、皆様方には「如来の使」としての自覚と誇りとその使命を持ち、御本仏の御遺命たる広布達成へ向けて、本年度の折伏誓願を必ず達成されますよう心からお願いを申し上げまして、本日の挨拶といたします。
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